12/24/2017

ジェニファー・ホリデイ「ヒズ アイズ イズ オン ザ スパロウ」

クリスマスですね。今年はなかなかいい冷え込みですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

今日は子どもの野球チームの年納めとして、親子大会とそれに続いて納会が行われました。

この1年間のチームと個人の成績発表と表彰があり、それに続いて来年からの新しい背番号の発表が行われました。

子どもはチームにどれだけ貢献できているのかは未知数ですが、今日もらった新しい番号を見るに、それなりの評価はもらえたのだと思います。来年も頑張ろうね。


クリスマスの夜にこんな歌声はいかがでしょうか。ゴスペルシンガー、クリストファー・ホリデイの"His eye is on the Sparrow"。

私の彼氏が雀を見ている、ではないですよ。このHisは大文字のHis、つまりは神様のことを表しています。主の眼差しは雀の上に、とでも言えばいいのでしょうか。

ともかくご覧ください。



スゴいですよね!!これ。圧倒的な歌唱とエネルギー。彼女のそれが高まるとき、興奮した聴衆が手をかざして、その発散にあやかろうとする様がとても印象的です。

僕が初めてこの映像を見たのは、1989年頃だったかな。スーパーセッションズという、海外企画の音楽番組で、いろいろなジャンルの音楽についてのスーパースターを集めた番組の、ゴスペル編を視たときのことでした。

確かレーザーディスクかなにかで発売されていたのですが、どのジャンルもあまりの豪華メンバー故か、DVD時代以降には再発されずに終わっています。

1度視たら忘れられるはずもなく、彼女の名前とこの曲名は、以来、僕の頭にしっかり刻み込まれてしまいました。

ピュアなエネルギーの発情に、思わずいろいろなことを忘れて没入してしまう。それがこの音楽の本性なのでしょう。

自分のどこかにも、まだこんなエネルギーの一部がのこっているのでしょうか。それが自分にとって、なるべく純粋な形で外の世界にも何かを通じて表すことができればと願っています。


(おまけ)

会社のビルから見た朝の風景。遠くに富士山、わかるかな?



クリスマスは妻がバイトしているケーキ屋さんのクリオロ。チョコが自慢のお店らしく、とても濃厚で美味でした。デコレーションも素敵です。

12/17/2017

高柳昌行「アングリー ウェイブズ」

ギターブームが続いていますが、やっぱりロックから延焼する先はフリー系でした(笑)。1ヶ月ほど前から高柳昌行のアルバムをCDで何点か買い求めて聴き込んでいます。

複数のギターとテープなどを駆使して独自の音響空間を織りなす「アクションダイレクト」と銘打った活動も非常に興味深いのですが、いまの僕にはオーソドッックスな奏法でギターを奏でて創りあげる作品が好みです。これはギターに限ったことではないです。

以前にもよく聴いた「ソロ」「ロンリーウーマン」をまた何度か聴くうちに、その2年後の1984年に横浜エアジンで収録されたライヴアルバム「アングリー ウェイヴズ」に俄然惹かれてしまいました。

メンバーがいいですよね。ベースに井野信義、ドラムに山崎比呂志というトリオ編成。高柳さんはフルアコを少し歪ませた独特のトーンで自由に快調に弾きまくり、見事なトリオ演奏が展開します。

2部構成のステージをカセットデッキで録音したものをそのまま2枚のCDにしたそうです。発売されたのは2016年の2月です。

エアジンの店内は記憶に新しいところですが、33年前のあの場所でこれが演奏されたことと、それをいま僕がこうして楽しんでいることを考えると、いろいろな意味で巡り合わせというものの不思議さを感じます。

全8曲中5曲が(アルバート)アイラーの作品をモチーフにしたもの。サックスの咆哮をとてもギターらしいフレージングで、ある意味ストレートに奏でるのがとても小気味よいです。

何度も聴き込むほどに、自然とアイラーのトリオに世界が通じていく気がして、その時空間がつながる様にあらためて音楽は素晴らしいなと思う次第であります。

唯一気になるのがこのユニットの名前「アングリーウェイヴズ」です。高柳さん=怒りなんでしょうか、それともアイラーかな。別に怒らなくてもいいと思うんですけどね。僕の中ではこの音楽と怒りは全然つながらないです。

小難しい言葉はいらないです。残り伝わるのは音そのものがもつ力です。ただそれに耳を傾け感じるままに任せればよいのです。そこに自分の生きた証が映るのです。


(おまけ)

週末の散歩にいつものラーメン屋「笑苑」さんから本牧小港まで歩いて、そこから港の見える丘公園に向かって登る「ワシン坂」を初めて登ってみました。

ずっと以前からのこの不思議な名前の坂とそこにその名を冠した病院があることは知っていたのですが、土曜日に初めて登った時にはなんともうら寂しい雰囲気だなと思ったのでした。

それが、続く日曜日にもその近所の運動場で子どもの野球の練習試合を観戦した帰りにまたこの坂を登って帰ってみたのですが、今度は逆に独特な趣を感じてこの坂が好きになりました。

坂を登りきった道中から眺めるベイブリッジとつばさ橋。この角度はここでしか見ることができません。


12/09/2017

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」

寒くなりましたね。

谷崎潤一郎のエッセイ「陰翳礼讃」を読みました。チベット旅行記を読み終えた時におすすめで出てきていたもの。たぶん、和辻哲郎とかをKindleに入れていることも関係あるのだと思います。

僕は彼の小説を読んだことがありませんでしたが、この作品はエッセイで、しかもテーマが日常のなかに垣間見る日本文化なので、彼の表現はある意味でストレートですんなり心に入ってきました。

内容はタイトル通り、日本文化の特徴である陰翳(いんえい)について、急速に西洋文化に染まる当時の日本の状況の中で、いま一度その素晴らしさと起源を考えてみようというものです。

やっぱりこの時代の芸術は表現が豊かです。20世紀前半はそれまでの文化がある意味でのピークを迎えて百花繚乱となった時代だったのでしょう。もちろん分野や地域によっていろいろな違いはありますが。

その頂点が戦争の影響を起爆剤に、しかしあくまでもそれ自体が内在していたエネルギーによって自爆を起こして、一旦リセットされてしまったのが20世紀後半の出来事だったと思います。

現代も文章による表現は盛んですが、やはり描写などの技術はこの時代のものに比較すればシンプルなものです。そこには表現技巧を楽しむという要素は薄く、やはり書かれている内容そのものに対する興味が中心です。

昨夜、妻と夕飯で安い白ワインを飲みながら話して考えたのは、もし文芸が書道と融合するかたちで進化していたら、ということでした。

いまほとんどの文章表現は活字により現わされます。枕草子も芥川も村上春樹もドストエフスキーもプログラミング入門も、皆同じ活字です。この文章表現をこう言う書体(人の手によるもの)で表現するという習慣はありません。

一方、音楽には「音色」という要素があります。見過ごされがちですが非常に大事な要素です。僕がよく聴いている即興系の音楽では音色表現のウェイトはとても大きいです。

それはわざと変な弾き方をしてノイジーな音を出すということ(僕はあまり好きではありませんが)ではなく、一番シンプルにその楽器本来の出る音の素晴らしさがあれば、ただドレミファソラシドを弾き続けるだけでもそれは聴き応えのある芸術になると思ってます。

音色による表現と演奏技巧による表現は境目は極めて曖昧であります。ピアノのような楽器でさえそういうものだと思います。

しかし文学にはそういう習慣は初期の段階で失われてしまいました。作者のオリジナル原稿で読みたいとそれを求める人はいません。あるいは、著名な書家が有名な文芸作品の全編を書き記した版というのもありません。

谷崎のこの作品を読みながら、その内容と同時に彼の文章表現も併せて楽しむうちに、ふとこの原稿のオリジナルを読んでみたいという想いに駆られました。

1933年の雑誌連載をまとめたものだそうで、いまの日本語に比べるとかなり古い文字使いや言い回しもありますが、比較的読みやすい内容だと思います。

もちろん無料で読めます。無料の本だけで十分今後の読書を楽しめるだろうなと思ってます。いまは読み終わってからおすすめで出てきた別の本を読んでます。すっかり読書習慣がつきました。Kindleは素晴らしいです。


(おまけ)

仕事で出かけた帰りに歩いた東麻布の路地裏からの風景。


家路に少し歩こうと桜木町で電車を降りて横浜スタジアムを通りかかったらちょうど改修工事が始まっているところでした。


11/26/2017

ジョージ・ガーシュウィン「ラプソディ イン ブルー」

あることがきっかけで、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンの"Rhapsody in Blue"にちょいとハマってしまいました。

この曲を日本で有名にしたのは、やっぱり「のだめカンタービレ」のテレビドラマだと思います。もう10年以上前なんですね。僕も視てました。いま思えばテレビドラマをまともに視たのはあれが最後かもなあ。


レナード・バーンスタインとニューヨークフィルによる1976年の演奏。



いわゆる「本家」といってもいいのではないでしょうか。彼とこの演奏が、この曲を世に広めた最大の功労者であることは間違いありません。でもやっぱりクラシックピアノなんですけどね。


中国人ピアニスト、ラン・ランによる、2015年のドイツはドレスデンのジルベスターコンサートで演奏。



豪華な会場でのお祭り気分にあふれた楽しい内容ですが、バーンスタインの演奏をベースにしているものの、こうなっちゃうと...うーん、ちょっと違うかなあって思います。ガーシュウィンの「ブルー」って一体どこ行っちゃったの?って感じかな。


僕がいくつか視たり聴いたりしたなかで一番素晴らしいと思ったのはやっぱりコレ。小澤征爾さんが指揮するベルリンフィルに、なんとジャズピアニスト、マーカス・ロバーツトリオが共演します。2003年ドイツのヴァルトヴューネ野外音楽堂での「ガーシュウィンナイト」のライヴ映像から。



スゴイですよね、コレ!やっぱりこれこそ「ブルー」でしょ、と勝手に納得してしまいます。

マーカスは冒頭のピアノパートから、ベースとドラムを従えてさっさとご機嫌なジャズのアドリブに突入してしまいますが、聴いていて何ら違和感がないんですよね。

ジャムが盛り上がったところで再びオーケストラパートに戻るシーン(5分28秒)、そして再びジャズ演奏に還って行ってカクテルピアノ風に原曲のテーマが現れるシーン(11分9秒)はもう鳥肌ものです!フィルもベルリン・ジャズ・オーケストラと化してます(笑)。

マーカスのピアノは何というか、はっきり言って正確さとかそういう観点ではクラシックピアノとは全く違うピアノです。でも正確無比な演奏にも感銘を受けるものとそうでないものがあります。逆もまた然り。やはり素晴らしい音楽の必要条件とはそう簡単に言えるものでないのでしょう。

お客さんの反応がまた素晴らしいですよね。しっかりジャズを楽しみながら、ガーシュウィンの音楽の素晴らしさを満喫されてます。


この後、ガーシュウィンのピアノ協奏曲がやはりこの編成で演奏され、最後はトリオ演奏でコール・ポーターの"I Got Rhythm"と"Call after MidNight"が披露されたそうです。





今回のマイブームの始まりは、実はジャズピアノの大西順子さんの最近の活動が発端でした。

また活動再開されてるんだなあと思って、ちょっとネットで調べたりしているうちに、彼女のトリオと小澤征爾&サイトウキネンオーケストラによる、以下の演奏映像を知ったのであります。



残念ながらこれはコンプリートではありません。でもこの演奏も素晴らしいですよね!トリオ演奏のパートが順子ワールドに行っちゃってますが、完全版ってあるのかなあ。レジナルド・ヴィール、かっこエエ!男前や!


というわけで、つかの間のピアノタイムでありますが、これもやっぱりエエものですなあ。

ギターはどうなったかというと、またエラい世界に入っちゃってますが、それはまた次回にでも。


11/12/2017

サイモン・シン「フェルマーの最終定理」

「チベット旅行記」にすぐに続いて読み始めた本を終えた。サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」。

題名になっている定理は、

というものです。詳しくはこちらをご覧ください

この本は、2年ほど前に仕事で「シンギュラリティ」とかを少しかじった際に、何気に興味を持って買った書籍(お偉いさんに貸したら返ってこなくなった)の関連商品としてアマゾンで薦めらていた。

例によって古書店で手に取ったはいいが、字が小さくて読めないなあと諦めていた。夏にKindle Fireを手に入れていたので、それで読む3冊目の本として購入。

前に読んでいたものと違って現代の日本語でしっかりとした訳なので、内容の面白さと相まってどんどんと読み進んだ。とても面白かった。

僕は昔風にいうと一応文系だけど、数学はそこそこ得意だった。昔の高校課程で数IIbまでは受験対策としてある程度しっかりと身につけたと思う。

40年以上たった今では、微積分と複素数なんかはかなり怪しいけど、それが何であるかの基本は理解しているつもりだ。

数に対する感覚って大事だし、日常生活で一番それが関わってくるのはお金の問題。それも大きく分けて2つの段階があって、日常生活のお買い物だけだど簡単な四則演算のレベルで済むけど、ローンとか資産運用になってくると関数計算の感覚が必要になる。

この間にある壁は意外に高い。表計算ソフトを使いこなせるかどうかの分かれ目に通じるところがあると思う。

しかし四則演算とか二次関数とか基本的な二次元幾何学(台形の面積とか)は、そこらへんの丘を登るようなものであって、チョモランマ級の数学の世界のことは、いまやほとんど誰にも知られていない。例えばこれなんかもその代表例だろう。

僕はこの「不完全性定理」の存在をごく最近まで知らなかったけど、初めてそれを本で読んで知ったときは、年齢に関係ない純粋な好奇心とそれを満足させようと何かを理解しようとする力が、自分のなかにまだ備わっていることに気づかされた。

別の言い方をすると、初めて耳にする素晴らしい音楽を受け入れることができた時のような感覚があった。

数学は「そんなの覚えて何になるの?」で片付けられがちな勉強であるが、非日常のところで猛烈な進化を遂げたことが、今日の科学文明を大きく支えていることは知っておくべきことだと思う。

そんな数学の世界の一端を非常に面白くわかりやすく教えてくれるのがこの作品である。この定理を解いた人物の物語でもあり、同時にこの定理をめぐる数学の歴史をわかりやすくなぞってもくれる。

いろいろな書評には「数学の知識がなくても十分楽しめる」と書かれているが、やはり今日の学習要領でも高校レベルの知識があるのとないのとが、そもそも本書に対して興味を持つかどうかの分かれ目ではないかと思う。

子どもが数学を得意なのかダメなのか、今の時点ではまだ判断はできないけど、やっぱり頭の柔らかい探究的な人間にはなってほしいものだ。何か正しいと言われることのふりをするだけの人にはなって欲しくない。

(おまけ)

子どもの野球練習がなかった土曜日、久しぶりに東京方面に遊びに出かけて、その帰りに子どもが生まれる前に妻と2人でよくお世話になったお寿司屋さんにほぼ10年ぶりに立ち寄った。


お寿司屋さんでウニを食べたのは何年ぶりかなあ。

同い年の店主は僕と同じように少し老けてはいたけど、10年の時を経ても「お久しぶり、ご無沙汰してました」でちゃんと話が通じた。

店内に響く注文を裁く声はしっかりそのまま、事実上の「一見さんお断り」の店内で供される素晴らしい料理とサービスもそのままだった。

子どもも大好きな穴子を食べながら「回るおすし屋さんとぜんせんちがう!」と言いながら、しっかりおかわりしてました(笑)。サイゼリヤの3倍かかりましたが、まあたまにはいいか。

11/05/2017

メアリ・ハルヴォルソン「メルトフレイム」

横浜DeNAベイスターズの今シーズンが終わり、日本のプロ野球は全ての日程を終えた。

子どもが野球をやるようになって、つられてベイスターズを応援するようになってまる2年が経ったけど、昨年に続いてこんなに野球の素晴らしさを味あわせてもらえたことは、ラッキーだった。

シーズン後半からの動向は、本当に毎回目が離せなかったし、クライマックスシリーズの成り行きは本当に感動的だった。

念願かなって出場した日本シリーズでは、第1戦を視てこりゃ格が違うなあと正直4連敗も覚悟してしまったけど、以降の展開は驚くほどのスリルと興奮の連続だった。

そして昨日の第6戦。長い長い戦いの末に勝敗が決した瞬間は悔しさもあったけど、やっぱり程なくして浮かんだ言葉は「ありがとう」だった。

残念ながら日本シリーズの横浜スタジアムでの観戦は果たせなかったけど、「来年は是非リーグ優勝をしたい」という選手たちの言葉に、また新たな期待をつなぐ想いで暫しのオフシーズンを過ごす。


秋が深まり、週末に限って続いていた天候不順もようやく落ち着いてきた。

子どもの野球練習が流れると週末の過ごし方にも大きく影響する。子どもと居られるのはいいのだが、外に出かけられないのは辛いものである。

僕はゲームとかのデジタルを子どもが楽しむことについてはどんどんやれやれなんだけど、妻はどうも素直には受け入れがたいようで、僕にはちょっと不思議な感じがしている。


音楽は相変わらずギター中心だが、ロック系一辺倒だったのが少しまた戻って、このところはまたフリーミュージックも聴くようになってきている。

ギター中心に聴くようになってから、ジョー・モリスとかデレク・ベイリーなどのフリー系のギターまた聴いてみようかなというなかで、急に浮かんできたのはメアリだった。

以前、聴いたときはこの人の音楽も面白いなという程度だったんだけど、今回もう少し深く彼女の音楽の懐に入っていくことができたように感じている。

昨年発売のソロ作品「メルトフレイム」は、ソロ作品好きの僕にはメアリの音楽を知るには好都合なアルバムだった。

収録された10の作品はいずれもコンポジションであり、彼女のアイデアと個性がしっかりと封入された聴きごたえあるものである。

YouTubeにも彼女のソロパフォーマンスを始め、様々な映像がある。以下はそのひとつで、本日ご紹介しているアルバムに収録の作品も披露されている。



いつも言っていることだけど、こういうものを気軽に楽しめるのは本当にスゴイこと。それが人間に総じて悪い影響を与えるとはとても思えない。

よりよく使うためには、やはり早くからそれを自身の一部にするということだと思う。

文字、数字、絵、写真、音声、音楽、動画などの基本は重要であるが、アナログかデジタルかの問題はそれとは別のところにあるのだと思う。

新旧どのようなメディア(媒体)であっても、それは何かを知り、何かを伝えるためにある。それはあくまでも手段であって、その伝えられることの本質は時を経てもさほど大きくは変わらない。

変わるところがあるとすればそれは深さであり、それはいかにそのメディアに精通しているかということだと思う。

10/23/2017

河口慧海「チベット旅行記」

夏休みの終わりから少しずつ読んでいた河口慧海の「チベット旅行記」をようやく読み終えました。

本当に素晴らしい記録であります。日本とチベットの間にこんな壮大な序章があったとは、全く知らなかったです。最後のページを終えたときの感動は、読書では久しくなかったものでした。

あまり書くとネタバレになりますが、全体の構成を少しご紹介しておきます。

前半がラサに到着するまでの記録、中盤がラサで見聞した当時のチベットの様々な風俗・文化・政治・宗教等々の見聞録、そして最後の4分の1程度がラサを発つことになる経緯から以降の記録となります。

中盤の見聞録でちょっと動きが止まりますのでやや退屈に感じるところもないわけではないですが、全体を通してある種のスリルがいっぱいつまった旅行記で、読書のペースが止まることはありませんでした。

まさに東洋の「オン・ザ・ロード」です。ラサまでの道のりと、帰国に至る一連のくだりでの様々な出来事が、折々に美しいヒマラヤの山々の景色を織り混ぜながら、見事に展開します。

全編を通じて感銘を受けるのは、やっぱり河口さんの意志の強さです。私が仕事でサポートしているお偉いさんも、常々『意志』ということを言いますが、まさにそれだと思います。

途中何度も困難に遭いながらも、それを何とか乗り越えていく様は、本当に頭が下がります。彼はそれを信じた仏様のお陰だとおっしゃいますが、詰まるところ自分の意志を貫いたいうのと同義だと思います。

麦焦がしは最後まで美味しそうでした(笑)。僕も毎朝、シリアルに混ぜて豆乳でいただいてます。

なお、冒頭にある筆者の序文がかなり堅い昔の文語調になっているので、ここで躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、本文はデスマス調の語り口になっていて、比較的読みやすくなってますのでご安心を。

素晴らしい本に出逢えました。皆さんも是非!無料で読めます。

10/09/2017

三浦海岸

体育の日を含む三連休。家でのんびりでもよかったのだけど、レンタカーを借りて三浦海岸にある温泉付きリゾート「マホロバマインズ」に行ってきました。

久しぶりの三浦海岸。部屋はホテル本館の10階のお部屋がたまたま取れて、三浦の海を一望しながらつかの間のリゾートマンションオーナー気分を味わいました。

すでにシーズンオフとなった広い砂浜で、他所の公園なんかでは絶対にできない軟式ボールを使ってのノック練習とかしたりして、野球遊びを満喫したあと、子どもは砂浜でスタジアム作り(笑)に精を出してました。


借りた車のシートがイマイチ僕の身体に馴染まず、運転中は腰の煩わしさを感じましたが、気持ち良いお天気の下で僕にとって一番馴染み深い海である三浦の景色に癒された2日間でした。


やっぱり海の近くに住むというのは、いくつになっても憧れですね。子どもの成長に目処がついたら、いまの家売ってこの近くに住んでもいいかなあと感じました。パドルボードやってみたいんだよねぇ。


2日目の午後は近くにある三浦富士と砲台山をハイキング。まあ山登りというにはちょっと低いですが、ちょっとしたトレッキング気分を味わえました。


下山途中に三浦富士山頂からすぐのところで見つけたきのこ...うーんいかにもヤバそうと思って調べてみたら「ドクツルタケ」ですよね、これ。めっちゃ怖いですね。


ギターブームはまだまだ続いています。YouTubeにはいろいろとお世話になっています。ほんと何でもありですね。

そういえば、好きだったトム・ペティが亡くなってしまいました。まだ頑張っておられただけに残念です。いい作品をたくさん残してくださりありがとうございます。

10/01/2017

ギター!ギター!ギター!

職場のももクロ仲間が、時折、衛星放送等でオンエアされたももクロ関連の番組を、ディスクに焼いて僕に視せてくれる。先月だったか、やはりある特番をダビングしたものをもらった。

そのディスクの余白に「これなかなか面白かったし、たぶんえぬは好きだろうから入れといたよ」と言って、TOKYO SESSIONという番組が3つ入っていた。

そのなかで、ギタリストのCharさんと、番組ホストのKenKen(ベース)、シシド・カフカ(ドラム)によるセッションを視て、これが僕のなかのスイッチを入れてしまった。

Charさんは僕が小学生の頃にテレビの歌番組で観た「気絶するほど悩ましい」以来のお付き合い。大学の頃には助っ人で参加させてもらったサークルの先輩バンドでPINK CLOUDの曲をやったことがある。

その後は、時折テレビやラジオで触れることがあり、いつ聴いてもいくつになってもカッコいいなあと思っていた。

今回もその一環での巡り合わせだと思うんだけど、番組内でのトークにも聞き入っているうちに、うーん久しぶりにこういうロックギターの王道を聴いてみたいなあ、と思う様になった。

ヤードバーズ、ジミヘン、デッドと聴いているうちに、いつのまにか僕は2人のギタリストに強くツヨク惹かれて行った。

ひとりはフランク・マリノ、そしてもうひとりはアラン・ホールズワースである。

いや、この2人がこうしてあぶり出されて来るあたり、自分の音楽遍歴ならではかなと思うんだけど、実はどちらもちゃんとアルバムを買って聴いたことはなかった。

フランク・マリノはその昔「カリフォルニア・ジャム2」という野外ロックフェスがあり、その模様を収めたアルバムがFMで紹介された時にエアチェックしたものを持っていた。いま思えばその時の曲は"I"m a king bee"だった。

今回、彼の有名なライブアルバム"Frank Marino & Mahogany Rush-Live"を買って聴いみたところ、完全に打ちのめされてしまった。あっという間に、他の2つのライブアルバムをポチってしまった次第。カッコいいよこれ。

それからアランの方は、トニー・ウィリアムズのプロジェクト「ライフタイム」で、ジョン・マクラフリンに替わってギターを勤めているのだけど、そのあたりの音源から入って、YouTubeで彼自身のグループのアルバムやらライブ音源を聴いて、これもすでに購入を心に決めている。

この2週間はひたすらギターミュージックばかりを聴き続けているけど、やっぱりリード楽器としてはギターが一番好きなんですね、僕は。

思わずフレット付きのベースが恋しくなって、土曜日に横浜駅西口のイシバシ楽器さんに出かけてみました。何本か試奏させてもらったけど、まあしばらくはガマンすることに。買ったとしても5万円前後までかなあ...。

(おまけ)
イシバシ楽器さんに行く前に入った、大盛りパスタの「金太郎」さんで、中華風焼きスパの並を。麺だけで350グラムあり、これで550円也。美味しく平らげました。大盛り500グラムまではイケそう。


日曜日、野球の練習から帰った子どもが午後はお友達と遊ぶというので、妻と二人で関内方面にブラブラ出かけてタイ料理のランチを食べ、その後山下町のエリオットアヴェニューさんで、マイアミ直送豆のカフェラテをいただいた。やっぱりウマい!たまにはこういう贅沢いいですね。


10月かあ。まだまだいろいろやって進まないと。

9/24/2017

麦こがし

最近、朝会社に着いて食べる朝ごはんがこれ。


これは妻にコストコで買ってきてもらったクェイカーのシリアルに、アマゾンで買った麦こがしを大さじ一杯入れて、グラニュー糖を1グラム、そこに朝コンビニで買った無調整の豆乳200ccを入れたものです。

こういうあんまり加工されていないものは、味が淡白な分、飽きもきにくい様に思います。これで結構お腹一杯になります。グルテン過敏症の人にはちょっとしんどいと思いますけど、麦こがしはやっぱりダメなのかなあ。

そもそもの発端はいま読んでいる河口慧海の「チベット旅行記」に、この麦こがしが再三にわたって出てくること。麦こがしって?最初わからなかったのですが、調べたら「麦こがし=はったい粉」。なんだそうなのか。

チベット旅行記はやっと半分まで読み進みました。とても面白いです。まさにWill(意志)とはこういうことですね。ちょっとチベットに行ってみたくなりました。感想はまた読了後に。



「はったい粉」にはちょっと悲しい記憶があります。

小さい頃に家でもたまに母がおやつに作ってくれたことがありましたが、長屋社宅の一つ裏の棟に住んでいた一つ年上のお兄ちゃんがいて、僕が中学生にあがった頃も一緒に通学したり遊んでもらったりしていました。

そのお母さんがよくはったい粉を出してくれたのを覚えています。

ある朝、いつもの様に中学の制服に着替えて彼の家に誘いに行ったのですが、家の中には明かりが点いているのに、呼び鈴を押しても返事がありません。

ふとドアの外の隅っこに置いてあった牛乳配達用の箱に目をやると、配達された牛乳がそのままで、さらに箱の横にベージュ色の女物の靴が片一方だけ捨てる様に放ってありました。

結局、よくわからないままその日は一人で学校に行き、授業を終えて帰宅して初めて母から、そのお兄ちゃんのお母さんが亡くなったことを聞かされました。

子どもの僕にはまったくそんなことを知る由もなかったのですが、お兄ちゃんのお父さんが賭け事好きでお金のトラブルを抱えており、ずっと悩み続けたお母さんは、何かの出来事をきっかけにその日の深夜に社宅から少し離れた畑で焼身自殺を図ったのでした。

僕がその日の朝に牛乳箱の脇に見たのは彼のお母さんの靴であり、その靴の一部が黒く焦げていたことは、いまもはっきり覚えています。

その後、僕がそのお兄ちゃんと一緒に学校に行ったり遊んだりすることはなくなり、いつのまにか彼はお父さんの実家に引っ越してしまいました。

中学校は同じでしたが、彼はちょっと素行の悪いお兄ちゃんたちと一緒に行動するようになり、以来彼と話をすることはなくなり、いつしか彼も僕も中学校を卒業し、それぞれの世界に向かって行ったのです。40年前のお話。

久しぶりに「はったい粉」という言葉に触れて、朝にその味を噛みしめながら、そんなことを想い出していました。



ちなみに冒頭の写真でマグカップの隣にあるのは、1年ほど前に子どもが折り紙で作ったひまわりです。花びらの先を指で軽く弾くと独楽の様にくるくると回って、ちょっとした気分転換になります。

先日も仕事で煮詰まってパソコンの画面をぼんやり眺めながらコイツを回していたのですが、そのときふと「これってハンドスピナーだよな」と気づいたのです。

うちの子どもも誰に聞いたのか春先からハンドスピナーハンドスピナーと言い出し、いま彼の手元には3つそれがあります。楽しさはわからないでもないです。

ハンドスピナーは回転時間が長いものほど良いとされている様ですが、子どもの折り紙ハンドスピナーは10秒も続きません。だけどそれをまた指で弾くことを繰り返すことが、結構いい気の紛らわせになるものです。

麦こがしを食べながら思い出したちょっと物哀しい記憶を、子どもの作ってくれたハンドスピナーで紛らわせたのでありました。

9/18/2017

めだか

初夏に買ったホテイアオイが花を咲かせてくれたと思ったら、涼しくなった途端に葉がみるみるしぼんで枯れていった。

もともと室内で育てるものではないとわかったのだけれども、食卓のうえに水草があるということが心地良くなった。

何か秋冬にかけても小さな器で育てられる水草はないものかと、ホームセンターの園芸コーナーに足を運んでみた。

しかし、水草はほとんど売り物とは思えないハスの残り物がいくつかあるだけ。春にはもう少し充実したコーナーだったと思うのだが。

店員さんに聞いて見ると、来年の春まではこの種の水草の扱いはもうないのだという。

どんな水草を探しているのかと聞かれて事情を話したところ、それなら観賞魚のコーナーに行ってみたらどうかと勧めてくれた。

なるほどそれは思いつかなかったが、自分の思っているイメージには合いますねと礼を言ってペットのコーナーへ。

確かに淡水の水草が数種類あった。しかし、しばらく水草の水槽を物色しているうちに、僕の心は...メダカに惹かれてしまった。

そして...お買い上げ(笑)。最もポピュラーな黒メダカ。5匹で598円でした。結局、水草は人工のものをとりあえず(笑)。

もともとホテイアオイが入っていたガラスの器に入れてみたところ、それは素晴らしい世界が卓上に現れた。

でもやっぱり狭そう。いろいろ調べて見ると、水の量は1匹あたり最低1リットルは必要とのこと。器はどうみても1リットルあるかないか。

妻も子どももメダカの生活を気に入ってくれたようなので、翌日3連休の最終日にまたホームセンターに行って、7リットルの水槽を調達。

今度はちゃんと本物の水草も買ってあげました。これなら酸素も作ってくれるし、やっぱり自然の緑が心地いい。

...ということで、53歳になった翌日からメダカを飼い始めたのであります。


その他、初夏からつがいで飼っていたカタツムリが実は産卵していて、子どもが何匹も孵化しているのを子どもが発見したり。

結婚前まで使っていたソニーのプレステ2を子どものリクエストでテレビにつないでみたら、30分ほどかけて見事にゆっくりと息を吹き返したり。

突如として吹き荒れる新たなロック魂に心を熱くしたり。子どもの野球チームが4年生以下のチームの大会で善戦したり。

何やら賑やかな誕生日周辺の3連休でありました。


今年もありがとう。とても美味しかったです。

9/10/2017

長月

9月になりました。早いものです。

先週末はちょっと体調崩したりしたのですが、大事には至らずであります。

いろいろなことがありすぎまして、何をトピックにしていいものやら。

とりあえず写真で。


先々週の月曜、初めて会社の正式な手続きに則って、在宅勤務をやりました。といっても僕の部屋はないので、まだ子ども部屋として確立していない部屋のあんまり使われていない勉強机で仕事しました。

まあはっきり言って、通勤の往復2時間がないというのが、こんなに素晴らしいことかと思いました。

ネット環境はオフィスのパソコンそのままなので、業務時間中にいつもの仲間とメールでやりとりしていると、本当にオフィスにいる様な感覚になります。これはもっとやるべきと思いました。

ただ子どもが学校から帰ってくると、ちょっと能率が落ちる。でもそれは午後になるとダラけるのと実はあんまり変わらないのかなとも思います。


一方、子どもがなかなか勉強しないとかで、ちょっと家庭がピリリとした雰囲気になったりもするのですが、まあこの時期の子どもにとって何が重要かなんて、学校の先生でも言えることは限られていると思います。

一応、毎日こうなってくれたらいいのですが、しばらくは僕も付き合ってやらないと、なかなか自分でスイッチは入らないものであります。


最近、山手駅から本牧通りに出て、少し本牧方面に行ったところにあるラーメン屋さん「笑苑」さんがお気に入りです。やや太めでつるっとした食感の麺に、家系のとんこつスープが美味しいです。ほうれん草ではなく、わかめがトッピングになっているのも良い。

家族経営のお店ですが、週末はかなりひっきりなしにお客さんが来ています。


しばらく家でウィスキーを呑んでいなかったのですが、ひょんなことから兵庫県明石市にある江井ヶ島酒造さんのウィスキー「あかし」のレッドを手に入れて、残暑の夜に水割りでちびちびやってます。

日本の地ウィスキーと呼ばれるものは、どれもやさしさと微妙な特徴が魅力的です。主張がないぶん飽きのこない、よいお酒だと思います。


他にも、Kindle Fireで読んでる小説からチベットに惹かれてしまったり、会社の同僚からもらったテレビ番組録画をきっかけに、突如としてデッドにとどまらないロックブームになっているなど、いろいろな話があるのですが、今日はここまで。いずれももう少しまとまったら、ちゃんと書きます...。

あっ、もうすぐまた歳取るなあ。

8/27/2017

Kjreillyさんチャンネルのケン・ヴァンダーマーク

YouTubeで音楽をはじめとしたいろいろなコンテンツを楽しむことが、夜のお酒のおつまみになってます。

お気に入りのひとつに、Kjreillyさんのチャンネルがあります。

どういう方かは存じ上げませんが、おそらくはニューヨークにお住いの方で、フリーミュージックの愛好家と思われます。

チャンネルコンテンツの多くは、ニューヨークはマンハッタンにあるフリーミュジックのためのパフォーマンススペース"The Stone"におけるライヴ映像からなっています。

この場所の詳細はウェブサイトをご覧いただければと思うのです。僕がいま海外で一番行ってみたい場所の一つがここです。

フリーミュージックは素晴らしい音楽です。ただ全ての作品が聴く人にアピールするわけではなく、当たり外れは相当あります。でもそれは、他のジャンルの音楽のそのこととさほど変わりはないと思います。

フリーミュージックはその性格上、基本的にはライヴパフォーマンスであります。なので最もよい鑑賞方法はライヴで体験することです。これもまたあらゆる音楽と同じでしょうか。

現在最も優れたフリーミュージックのメッカの一つであるThe Stoneの様子を、この様に映像で楽しむことができるということは、フリーミュージックにとってとてもよいことだと思います。

少なくともレコードやCDしかメディアが無かった時代に比べて、フリーミュージックをより気軽にかつ適切な形で体験できるのは素晴らしいことだと思います。

ひとつお断りしておきますが(最近、デジタル時代だからかわかりませんが、ステレオタイプな人が多いので)、Kjreillyさんのチャンネルにあるコンテンツのうち、僕自身がグッとくるものはそんなに多くありません。

例えば、このろぐの時点で最新コンテンツになっているTamio Shiraishi氏のサックスパフォーマンスは、私の苦手な種類のものです。彼がどういう人の影響の元に、何を目指していらっしゃるのかはなんとなく私にも想像ができます。

ただ私はいまはこの手のパフォーマンスは好きではないです。もう少し言うなら、フリーミュージックに寄せられる批判的な意見の一定の部分はこの手のパフォーマンスを対象にしたものだと思ってます。

一方、最近の同チャンネルで、これは素晴らしいと心底絶賛したのが、リード奏者ケン・ヴァンダーマークのパフォーマンスです。

以前、横浜でも生のパフォーマンスを見る機会がありましたが、やっぱり彼のパフォーマンスはスゴイです。いろいろな音楽からのエッセンスを感じると同時に、それをしっかりとキー(音階)を主軸に表現する姿勢が私好みであります。

サックス奏者ジョー・マクフィーとのデュオ
(パート1から5まであります)。




台湾出身のヴァイオリニスト C・スペンサー・イーとのデュオ
(パート1から3まであります)。





ここで一首(古っ!)


五十路過ぎ悩みも尽きぬ喜びも
晩夏の夜長にフリージャズ


お粗末(笑)


(おまけ)今日は久しぶりに市内を歩いて巡りました。さてこれらはどこにあるものか、わかりますか?




お答えはコメント欄までお寄せください(笑)


8/21/2017

Kindle Fireと夏休み

長かった夏休みも今日でおしまい。休みの前半は妻の実家がある広島で過ごし、残りは横浜でのんびりした。

休みに入る直前に、アマゾンでKindle Fire HD 8というタブレット端末を購入。プライム会員なら8000円台という安さと、電子書籍や音楽などのサービスを利用したかったから。休み期間中はかなりコイツにお世話になりました。

何せ老眼の進行で、もはや紙の書籍を読むのはちょっと厳しいので、以前からiPod touchに入れたKindleアプリで電子書籍は読んでいたんだけど、やっぱりもう少し大きい画面が欲しいと思っていた。8インチサイズはちょうどいい。

妻の実家に滞在中は、ネットを中心にした娯楽は楽しめないので暇を持て余す。なのでKindleでの読書に慣れる意味で何か手頃な小説はないかと考えた。

内容に馴染みがあってあまり堅苦しくなく分量も丁度良いという観点で選んだのが、村上春樹の「1973年のピンボール」。例年ほどの暑さは感じられず、子どもが姪っ子と遊んでいる間に、エアコンのない2階の部屋で横になって読み始めた。

読み始めの頃は、どこか青臭い感じがしてちょっと小っ恥ずかしいくすぐったさもあったけど、すぐに作品の世界に戻ることができた。広島で半分を読んで、残りは独り先に横浜に帰る新幹線のなかでプライムミュージックからダウンロードしてあったドビュッシーを聴きながら読み終えた。

当初、ブルーライトカットの設定を知らなかったので、やはりちょっと目の疲れを感じたけど、新幹線に乗る前にやり方を発見して以降は少し長い時間読んでも結構平気になった。

僕にとっては読書とプライムミュージックを楽しめるというだけで十分重宝するよい買い物だったと思う。いまはもう少し長編の日本人のある旅行記を無料でダウンロードして楽しんでいる。

Kindle Fireはよい買い物でした。


(おまけ)休み中のいくつかの出来事を写真で。


広島に行った際に福山に住む大学時代の友人と広島市内で再会。その際に入ったジャズ喫茶(?)中村屋さんの店内。本格的にジャズは流れていなかったけど、レトロでありました。


広島に住む義理の妹が入手困難なマツダスタジアムのチケットを用意してくれていて、家族3人に僕の兄も加わって読売戦を楽しませてもらった。横浜DeNAベイスターズに比べると球場演出の派手さはなかったが、それもやはり長年地元で愛され続ける球団故だろう。

この後、兄とは広島駅のエキニシエリアにあるジビエ料理の居酒屋「罠 狩場」で一杯。なかなか美味しい鹿肉をいただくことができた。


寝泊まりさせてもらった妻の実家の2階で(笑)。


今回の広島滞在での大きな経験として、ゴルフが上手な義父さんに近所の打ちっ放し練習場に連れて行ってもらったこと。僕はまったくの初心者なんだけど、ボールをきれいに飛ばしてみたいなあと思っていた。

しょうがねえなあという感じで連れて行ってくれた義父さんの非常に的確なご指導で、なんと一振り目から低目の弾道ながらも130ヤード程度まできれいに飛ばすことができた。ありがとうございます!


独り横浜に帰ってみると、1ヶ月ほど前にピースフラワーマーケットカフェで買った水草ホテイアオイに見事な花が咲いて超ビックリ!「うまくいけば花が咲くよ」と店主に言われた時は半分冗談だろうと思っていたけど、こんな見事な花が咲くんですね。


翌日、開花の報告を兼ねて?同店に行って少々お高いランチセットを楽しみながら、Kindleタイムを満喫。キッシュとセットにしてもらったのはキヌアのサラダ。スーパーフードとか言われるとちょっと大げさな感じもするけど、とても美味しかったです。

横浜に戻ってからはまたデッドばかり聴いてました。やっぱりいいんだよなあ、これ。


僕が戻った2日後の夜に広島から帰ってきた妻と子どもを、初めて軽自動車をレンタルしてお迎えに。翌日は午後から観音崎までドライブしたり、近所の大型スーパーに買い出しに行ったりして車のある生活を楽しんだ。このくらいの車ならあってもいいかも。


この土日は子どもの野球チームで恒例の合宿があり、茨城県の方まで妻も付き添いで出かけてしまって、僕はまた独りで2日間過ごすことに。天気が良かった土曜の昼間にシンボルタワーまでひとっ走り。貴重な夏空だった。

この後、夜に以前からの呑み友だちと、以前から行ってみたいと思っていた横浜関内の「とりろう」さんで3時間ばかり入り浸り。長年続いているお店とあって、サービスの安定感が心地よいお店です。もちろんお料理も。しかし途中から始まった雷&大豪雨。外で遭遇された方はお気の毒でした。


日曜日は運動も兼ねてみなとみらいまでウォーキング&ショッピング。大さん橋にはダイヤモンドプリンセス号の優雅な姿が。


雨空がずっと続いた異例な夏だったけど、時折現れる雨上がりをうまく利用してのんびり楽しむことができました。明日からは仕事に戻りますが、読書も取り入れてまたいままでとは少し違った生活にできればと思っています。


8/06/2017

子どもが2泊3日でキャンプに出かけ、しばらく妻と二人横浜でお留守番です。

暑い1日でしたが、僕は午前中に本牧ふ頭のシンボルタワーまで自転車でひとっ走り。


海は夏に輝いていました。噂のヒアリは見かけませんでした、ハイ。

妻は子どもの幼稚園の頃のママ友達と食事会に出かけ、僕は帰って水浴びをして身体を冷やして、ドビュッシーを聴きながらエアコンかけた部屋でお昼寝しました。

夕方、陽が傾いてからボツボツと暑い街を散歩に出かけ、途中買い物しながら桜木町駅で妻と合流。そのまま海鮮居酒屋でのんびり夕食デートを楽しみました。

海...いいです。


ももいろクローバーZ「BLAST!」

ももクロの1年ぶりの新曲「BLAST!」が発売になりました。

前作「ゴールデンヒストリー」は楽しい讃歌でしたが、今回は入魂の応援歌になっています。

今回もまさにプログレ全開であります。何なのでしょうこの緊張感に満ちた分厚いサウンド。素晴らしい!

そして、さらにスゴいのが今回のPV、これは神です!ウェイトリフティングの三宅選手の姿に、おっ!と思ったら全編に日の丸アスリート満載なんですね。

実際では絶対にありえない(笑)、ももクロちゃん達のトップアスリート演技も素晴らしいです。

後半で夏菜子が1本技ありを決めた直後に、アスリートシーンからダンスシーンに切り替わるところが、絶妙な雰囲気であります。



いやあ、やっぱりスゴい!夏のバカ騒ぎは行けませんでしたが、久しぶりに5人のステージを見てみたくなりました。


伊豆下田外浦

先週、土日月で伊豆の下田に行って来ました。

ホテルから車で5分ほどのところにある外浦海水浴場で1日を過ごしました。横浜や東京はこの日大変な豪雨だったそうですが、伊豆は穏やかな夏の1日でした。


下田の海を回る黒船観光船での一コマ。船尾に集まる海鳥にかっぱえびせんを投げてます。


かわいいお地蔵さんたちに、何をお願いしたのかな。


寝姿山の展望台から。左に伊豆大島、右に利島がよく見渡せました。


ちょっとした散財になりましたが、いい旅行でした。

7/23/2017

有安杏果「ココロノセンリツ ~Feel a heartbeat~ Vol.1」@東京国際フォーラム

7月20日東京国際フォーラムホールAで開催された、有安杏果さんのソロコンサートに行って来ました。

申し込んだのが4ヶ月前で、このところはデッドだフリーだと、ももクロの音楽からはやや遠ざかっているのですが、やっぱり杏果さんの"Feel a heartbeat"は時折あの歌い出しが心に甦り、iPodでひょいと選曲することがあります。

昨年横浜アリーナでのVol.0.5から1年。今回は名古屋、大阪、東京で5つのライブを行う東名阪ツアーの最終日。これまで4回のライブがどうだったのかを事前に知ることもないまま、この日のライヴを迎えました。

入場時に顔認証で発券された席に行ってみると、何と広いホールの前中央ブロックの後ろ、ミキシングコンソールのすぐ前のど真ん中という好位置でありやした。15メートルくらい向こうのステージ上の杏果さんとちょうど同じ目線で差し向かいでした。

直前にアップされたブログのメッセージ、僕には「緑のTシャツとかペンライトは要らない」と読めました。今回は横アリで買った杏果デザインの白いマフラータオルだけを持って臨むことに。

内容はやはりソロアーティストとしての立場を一層強く打ち出したもので、ももクロでの自身のソロ曲を効果的に使いながらも、ももクロの楽曲は一切なしで、新曲含めた杏果の楽曲だけで全体を固めた構成でした。

オープニングの「ありがとうのプレゼント」は、ピアノ弾き語りで披露。スクリーンに終始映し出されたピアノの鍵盤を叩く短い指は、かすかに震えていましたが、堂々の歌いっぷりで一気に魅了。同じくももクロのソロ曲「教育」ではしっかり堅実なドラムを叩きながら歌ってくれました。

楽曲に加えて、曲中には自身が撮影し大学の卒業制作でも使ったものも含めた、写真も数多く使いながら、有安杏果の世界がより深く表現されていました。十分に準備の時間があるとは言えない状況の中で、スタフの皆んなで一生懸命考えたんだなと伝わりました。

アンコールも終わった最後の最後に、お客さんの声援に応えて独りステージに出て来てくれた際にも、「じゃあせっかくやからみんなで何か歌おうよ、どう?なに歌う?みんな何やったら歌える?」との杏果さんの呼びかけに、「あの空に向かって」とか声をあげる人が何人もいましたが、本人は「え?みんないっぺんに言うから、よう聞こえへん」とさらりと流してました。ももクロも有安さんも成長と進化を続けているのですから、いつまでも「路上ライブ」とか「あの空...」ではないです。

サプライズで10月に仙台、そして東京武道館でのソロコンサート開催に加え、それに合わせてソロアルバムが発売されることも発表され、ちょっと急ぎすぎじゃねぇかいという気もしなくもないですが、本当にこんなところまで来てしまったんだなあという嬉しい気持ちがこみあげました。本当におめでとう、杏果さん!

武道館での次のライヴでは、さらにしっかりと落ち着いた杏果の世界を期待したいと思います。急ぎ過ぎず、詰め込み過ぎず、許されるのならそこを大切にしてほしいと思います。これはももクロにも通ずることなのでしょうが。

言ってしまえば楽器演奏や写真の技量はとてもプロレベルではないですが、それがいいなと思えるのがアイドルの名残りなのでしょうね。

これからのアーチストとしての有安さんの成長が、ますます楽しみになったライブでありました。単独のファンクラブ作ります?


途中でステージ両サイドから場内に放たれたリボンテープ。今回の良席のおかげで僕の真上からテープが降り注ぎ、この日の記念に持ち帰ることができました。


7/17/2017

夏の3連休

もう梅雨は明けたのかな。明けたんだろうね、きっと。もともと人が勝手に考えたことだから。


7月11日朝6時30分の東京都心。夏の陽、夏の空、夏の雲。


3連休初日。子どもは野球に明け暮れなんだけど、朝は一応勉強させました。まだ自分の部屋にはなりきれてないけど、君の部屋が一番涼しいんだぞ。


子どもが練習に行っている間、パパは3連休の大事なイベントに備えて買い物がてら、またピースフラワーのテラスでアイスコーヒー。


同じ席から振り返って見上げるとこんな景色が見えました。


連休中日は少し早いんだけど、ママの四十...おっと、何回目かのバースデイを自宅でお祝しました。


わが家のお祝い事で何度もお世話になって来た石川町のケーキ屋さん「パティスリープティ・ボヌール」で今回もケーキをお願いしたのですが、なんと来月半ばで閉店されるとのこと。おいしさお値段ど真ん中の町のケーキ屋さんだったのに、残念であります。


月曜日は近所の小学校で3年生以下のチームでまた練習試合を企画してくださいました。それほど日差しは強くないと思ったのですが、首の後ろが真っ赤になりました(笑)。


子どもは健闘しましたが、いろいろな課題もよーくわかった実戦ならではの機会でありました。

音楽...書きたいことだらけなのですが...。やっぱり自由な音楽はいいですね!今回はそれだけ。

7/09/2017

梅雨の中休みに子どもの野球とピースフラワーとビール

梅雨の中休みで、例年通りの猛暑が徐々に盛り上がってきた。

子どもの野球チームのコーチの皆さんが、初めて3年生以下のチーム編成で隣町の2チームとの練習試合を企画してくれ、うちの子はなんと打順4番でキャプテンを任されたうえに、1回戦はキャッチャー、続く2回戦ではピッチャーをやらせてもらった。

これまでのように外野などを担当させてもらうのとは、試合にコミットしている感覚が本人のみならず観ている親の側でも一層強くなり、一球一球のたびに感じられるいろいろな想いを共有させてもらえた。

打撃ではそれなりの成果だったが、守備の方ではいろいろと学ぶところが大きかったと思う。特にピッチャーを務めた2戦目では、後半に疲れもあって制球が定まらず、精神的な弱さが出てしまって途中交代となってしまった。

1塁手と交代した子どもは当初明らかに目を腫らしていて、なんとか試合終了までは持ちこたえたが、最後のあいさつには立てずにクサってしまったのが一番残念だった。本人は疲れて気持ち悪くなったんだと言ってたけど、こういうところ過去の自分とシンクロするんだよね。

まあその後の合同練習ではまた元気に練習を楽しんでいたようなので、そのこと自体は家に帰ってからもあまり責めることはせず、本人の心のなかで省みられることを期待するにとどめた。

妻もチームサポートで参戦してくれ、この夏一番の酷暑のなか野球の1日は無事に終わった。

野球チームに入るとなった時は、ホンマかいなという気持ちもあったけど、今日は初めてここまでやってこられてよかったし、これからもできるだけ頑張って欲しいと感じた。


土曜日も暑さのなか、子どもは試合に備えた練習に半日あけくれたが、僕はお昼を食べに散歩がてら久しぶりに元町のピースフラワーマケットカフェのテラスで、ひとりでアイスコーヒーを飲みながらヘッドフォンでギル・エヴァンスの音楽を楽しんだ。

テラス席は道路との間に売り物の草花を並べるスペースがとってあり、ちょうどいい感じに表通りとの距離感がある。暑さもあってお客さんの多くは空調の効いた店内で過ごし、テラス席は空いていた。

ギルの音楽は、僕が好んで聴く唯一のジャズ・オーケストラものだけど、こういう音楽はダイナミックレンジ(音楽全体を通した音の大小の幅)が広い上に、トランペットなどのホーンが大活躍するので、通勤電車のなかではなかなか十分に楽しむことができないでいる。

向かいの立体駐車場からの照り返しもあってそれなりに暑さもあるのだが、時折いい風が吹き抜け元町を行き来する人々を眺めながら、音楽を大きな音で楽しむにはいい場所である。

子どもがこのお店の近くで習い事に通っていたので、その送り迎えで一時よく利用していたのだけど、これからまたちょくちょく来てみようと思っている。平日の昼間なんかいいだろうなあ。夜もいいかもしれない。


ウィスキーはちょっとひと休みして、この週末の夜はビールを楽しんでいる。

7/02/2017

ギル・エヴァンス「ライヴ アット ザ スウィート ベイジル」

週末に大学時代の友人がご親戚の結婚式のため広島から上京。横浜市内に住む高校から付き合いのある友人(彼らは元会社の同僚でもある)と3人で、武蔵小杉のグランツリーにあるイタリアンダイニングで夕方4時から軽く呑んだ。

年は同じだしそれこそ学生時代からの長い付き合いなので、何かこう余計な言葉での説明なしに話が通じてしまう。

特に深い話をしたわけでもなく、東京は何をするにも疲れるとボヤきながら麻布のホテルからやってきた友人と、疲れない程度に3時間ほど食事とお話を楽しんだ、

実は僕もこの新しい武蔵小杉に足を踏み入れるのは初めてのことで、駅を降りてからもうひたすら驚きの連続でありました。もしかしたらこの場所にマンションを買っていたかもしれなかったのだけど、今となっては住めば都でいまさらこの小杉には住みたくはない。


さて、音楽はデッドから武満、ミンガスと流れてきて、「うーんなるほど」という展開で久しぶりにギル・エヴァンスの出番となっています。

"Live at the Sweet Basil"は、大学生になった僕がジャズを聴き始めて5枚目に買ったCD。これに出会ったのは当時西宮北口駅と門戸厄神駅の間にあったジャズ喫茶「アウトプット」さんだった。

そこに連れて行ってくれたのが、先の広島から上京してきた友人で、彼ともうひとりの友人は近くの関西学院大学の学生、僕はその大学の音楽サークルに参加して彼に出会った。

そのジャズ喫茶は僕の記憶に間違いがなければ、コンクリートの箱のような建物で、当時でも珍しいスピーカーホーンが屋根に据えられているという本格的なオーディオを備えたお店だった。

入店してすぐに壁に飾ってあったこのアルバム(当時の新譜だった)のジャケットが目に止まり、リクエストをお願いしたら、女性の店員さんが快く応じてくれた。

かけてくれたのがチャーリー・パーカーのブルース代表曲4曲を、各人のソロでつないだ"Blues in C"。この演奏には2人ともその場で仰天してしまい、僕は翌日大学生協のCD売り場にあった6000円もした(組合員割引で15%オフだったかな)この2枚組CDを購入したのだった。

このアルバムでパーカー、ジミヘン、ミンガスらの作品に出会い、またアルバムの冒頭を飾る名曲名演"Parabola"は、いま考えればフリーや現代音楽への扉になっていたのかもしれない。これを作曲した人がウェイン・ショーターの兄アランである。

西宮でギルの音楽に出会って33年が経って、久しぶりにギルの作品を聴き込むタイミングで、当時共にこの作品を聴いた友人と再会できた。縁は異なもの味なもの、である。

ギルの音楽から早くもまた新しい展開になっているのだけど、それはまたいずれ。音楽はどこまでもつながってひろがっている。

(おまけ)

蒸し暑くなった日曜日、雨雲が北から現れて暑さと日差しがちょっぴり和らいだ夕方に、ちょっと自転車でポタリング。久しぶりにシンボルタワーまで走ってみました。


夏の夕暮れはいいですね。冷たいウィスキーの水割りが美味しいです。



6/25/2017

はじめてのDIY

結婚してから使い続けてきた台所のレンジ台が古くなり、買い替えにいいサイズの台はないかと妻といろいろ探したんだけど、いかんせん置くスペースが決まってしまっているので、当然のことながらなかなかいいのが見つからない。

ならばいっそ作ってしまおうかと、半ばホラを吹いたのがおよそ1年前。

DIYは興味はあるんだけど、道具のことなんかもあるし始めるのはちょっとハードルがあった。だけど先の冬にやはり結婚以来使い続けた冷蔵庫を買い換えたのをきっかけに、その隣のレンジ台もホラのままにしとくのもいかんと発起。

半年前から木工の本を買って最低限の技術を調べて工具を揃え、3ヶ月ほど前からスライドツールで簡単な設計図を描いて材料を物色、1ヶ月前から週末を中心に少しずつ製作を進めて、この日曜日にようやく完成。

あまりアップで撮ると粗が見えまくりなのでソフトフォーカスで(笑)。

脚組みはケーヨーディーツーで売っていた加工済みの安い檜材を、そして天板には結婚した時に買った大きなクローゼット(といっても合板家具だが)の扉がちゃんとした1枚板だったので、思い出を残そうと流用した。

工具や作業台なんかで2万円弱の初期投資になったけど、材料費はネジ等含め3000円ほどでした。

今回工具を買ってみて思ったのが、まず電動ドリル&ドライバーは必需品。めちゃめちゃ作業効率があがる。一方、ノコギリ、カンナ、サンダー(紙やすり)はまずはオーソドックスな手道具が基本。それぞれの電動品は本格的な工房とかがない限り扱いにくいです。

ホームセンターには多少節は多いけど安くて手頃なサイズにカットされた木材があるので、あらかじめ作りたいものの設計を考えて、そのうえでそれらを活用すると結構手軽にこの程度のものができてしまいます。

節目もそれなりに味わいがありますが、すこし目立たなくするために今回はホワイトの水性ステインを檜部分に塗ってあります。天板の両端の切り口には、台所で眠っていた使いかけの高級?菜種油を擦り込んで仕上げました。

木工の本にはホゾ切りとか曲線削りとか、いろいろときれいに仕上がる高度なテクニックが書いてあるけど、僕は実用性とコスト(時間とお金)重視なので、そこまではまだいいかな。それやるんだったらベースの練習したい(笑)。

妻の感想は、やはりサイズがぴったりのところが一番ありがたがられます。

そうは言っても初めてのDIYなので、もう少しちゃちなものができると思われていたらしく、なかなかしっかりとしていて(完成記念に僕と子どもで並んで座ってみましたがビクともしません)そこそこ雰囲気のあるものが出来あがって驚かれました。

次はキッチン横の収納スペースに棚を作ります。


6/18/2017

チャーリー・ミンガス「スリー オア フォー シェイズ オヴ ブルー」

ミンガスの"Three or Four Shades of Blue"は、時折ふっと思い出して聴きたくなるアルバム。僕には冒頭の"Better Git Hit in Your Soul"のイメージが特に強いかな。

いろいろな録音が残されているミンガスの有名なレパートリーだけど、おなじみのベースのイントロに続いて出てくる軽快なテーマを奏でるのは、コリエル、キャサリン、ジョンスコというトリプルエレキギター。

これを初めて聴いたときは、ミンガス大好きの僕もちょっと度肝を抜かれた気分だった。カッコいいよね。打って変わってコリエル、キャサリンがアコギで挑む2曲目の"Good-bye Pork-pie Hat"と並んで、このアルバムの目玉であります。

久しぶりにこれを聴いているうちに、ミンガスってデッドにとても通じるものがあるなあと感じて納得した。しっかりとした定番のオリジナルレパートリー、長尺のアドリブ演奏を交えたスリリングなジャム。実に共通するところがある。

僕は後期のエリントン風に作り込んだアンサンブル作品よりも、やっぱり"Presents Mingus"に代表される、アドリブ主体のミンガスが好きだなあ。ドルフィーの入ったやつはもちろん、"Three or Four..."のような後期の作品でも、やっぱりジャムをまとめる力は最高だね。

金曜日に、ファンクラブ特典チケットで横浜スタジアムにプロ野球交流戦DeNAベイスターズ vs. ORIXバッファローズを観に行きました。

ハラハラする展開ではありましたが、戸柱の3ランが飛び出して、9回の康晃ジャンプと勝利のスターライト花火、さらには3連戦特典の波乗りTシャツ(倉本、石川、戸柱でした)とクリアファイルももらえて、ラッキーなナイターでありました。

そのまま父の日モードの週末に入り、横浜でのんびりとおいしく楽しく過ごさせてもらいました。ありがとう。


6/04/2017

武満徹「フロム ミー フローズ ホワット ユー コール タイム」

武満徹の作品をいろいろと聴いています。通勤電車のなかで聴くにはかなり不向きな種類の音楽なのですが、他にゆっくり音楽が聴ける時間も限られているいまの生活では仕方ありません。

最近取り寄せた作品のなかでは、1990年にカーネギーホール100周年を記念して委嘱された"From me flows what you call time"がとても素晴らしい音楽でした。

乗降扉の開閉のたびにピンポーン、ピンポーン。駅を発車する合図のたびにいろんなメロディチャイムが流れるなかで、5人のパーカッションと管弦楽団による、静寂を活かした武満の世界がヘッドフォンから溢れてきます。

その昔「印象派」という作風がいろいろな芸術の世界で一つの流れとなりましたが、武満の作品もまた、僕には同じような世界観を志向しているように捉えています。

それは音の世界の作品でありながら、彼の他の作品同様、極めて視覚的なものを感じさせてくれます。僕は必ずしも目を瞑って聴いているわけではないのですが、この音楽に入り込んでいる間は、視界が聴覚のなかに取り込まれたような不思議な感覚になります。

コンサートホールで演奏される機会があるのなら、是非とも一度は生で体験しておきたい音楽作品であります。

(おまけ)
ここ最近は夜のお酒は安くて美味しいウィスキーがお楽しみとなっています。いま飲んでいるのは本坊酒造マルスウィスキーの「3&7」。本牧の酒屋さんで1400円で購入しました。

マルスウィスキーは長野を旅行した折に、ビュッフェの飲み放題メニューで出会って以来のお気に入りですが、以前から気になっていたこの「3&7」は香りが素晴らしく、味はとてもすっきりで飲みやすい口あたりでした。

これからの季節には氷でしっかり冷やして作る水割りにうってつけのウィスキーですね。


仕事で扱う文章の量が増えてきており、休みのときはちょっと文章を考えることから離れてしまいがちなこの頃であります。