10/25/2015

...Sofferte Onde Serene...

またノーノの時間が巡ってきた。なぜこうなるのかはわからないけど、これが自分の人生と理解するしかない。

このところ相変わらずいろいろあるんだけど、その成り行きとして、突然脳裏に甦った"...Sofferte Onde Serene..."の旋律。

これをこのろぐで取り上げるのは2回目だと思うけど、人生の段階・ステージというものの意味合いというか、奇遇ということを思い知る。

日本語では(どなたが訳されたのかは不詳であるが)「苦悩に満ちながらも晴朗な波…」という表題が知られている。ノーノと(マウレツィオ・)ポリーニの共同作業によるピアノ作品。

日曜日の日中、たまたま家に僕一人だけだったので、かなりの大音量で聴いてみたけど、いま持ってるスピーカーはたぶんこれを聴くには能力不足なんだろう。結婚した頃に買ったゼンハイザーのヘッドフォンと、iPodに入れた音源の組み合わせの方が、よっぽど説得力があった。

今回はこの作品と対をなす、ギドン・クレーメルによる”La lontananza nostalgica utopia futura”も、久しぶりにじっくり聴いてみた。

作品の演奏時間や音の重ね具合の複雑さから、こちらの作品の方が前作を踏まえたさらなる発展性を持っているのだと感じたけど、やっぱり1970年代のポリーニが持つノーノ作品への姿勢というのかな、「全身全霊とはこういうことだよ、君」という感覚は凄まじい。

ヴァイオリンの表情の豊かさはこの作品でも存分に現れているんだけど、一方でピアノの音色がもつ美しさと凶暴性もやっぱりすごいものである。

ノーノの音楽はいい。「前衛三羽烏」はもはや死語だろうが、僕にはブーレースやシュトックハウゼンよりも、ノーノの音楽が親しみやすく愛着深い。


子どものキャッチボールにつきあった森林公園からみた晩秋の月。「苦悩に満ちながらも晴朗な月…」僕にはそう見えた。



10/18/2015

ゲイリー・ピーコックを聴く

アマゾンで随分前に予約注文していた、ゲイリー・ピーコックの2作品"Eastward"と"Voices"が到着。どちらもとてもいい内容で満足しています。

ゲイリーについて知っていることといえば、キースのトリオのこと。アイラーの名作"Spiritual Unity"のこと。ひところ京都に滞在していたこと(今回の作品もその縁)、あとはポール=ブレイとの例のこと(笑)くらいでしょうか。

おそらくはかなり奔放な方なのだと思うのですが、なぜか紳士的というかとても落ち着いた人というイメージがあります。まあ両立しないことではないと思いますし、事実そうなのでしょう。

そんなことを考えながらこれらの作品を聴いていると、羨ましいというかますます彼のことがカッコよく思えてきて、好きになってしまいます。

初めて彼のベースを聴いたのは、キースの"Standards Vol.2"でしたね。

冒頭の"So Tender"の素晴らしさに、グッと引き込まれたところで遭遇したベースソロと小さな唸り声の衝撃は、30年以上経ったいまも鮮烈な記憶です。

でも自分でベースをいじりながら、彼の奏法というか音楽のことを意識したことはいままでまったくと言っていいほどありませんでした。なぜなのかなあ。

ちょっと思うのは、何かこうパッと印象に残るフレーズ、あっ、これ僕もコピーして弾いてみたい、って思わせるようなものが彼の魅力ではなく、もう少し世界観というか全体的な表現っていうのかな、そういうところに魅力があるんだろうなということです。

じゃあそのゲイリー風にっていうのをちょっとやってみようかと、今日ベースを手にした時に初めて意識してみたのですが、まあ無理ですわな、愚かでした、ハイ。


さて、仕事ではますますかなり追い詰められてますが、金曜日の夜は仕事仲間に連れられて、京急線の生麦駅近くにあるホルモン屋「幸太」さんで美味しい串焼きと酒で癒されました。

週末は横浜でのんびり。自転車も日曜日に家族と本牧まで出かけただけで、超ローカルなお休みでした。

土曜日は妻がご近所のママさんたちと飲み会だったので、僕は子どもと午後から夜まで一緒に過ごしました。

大さん橋にやってきた海上自衛隊の新鋭艦「いずも」の公開乗艦にも行きました。デカイですゴツイです。甲板からはきれいな夕日が見えました。


そのあとは、スポーツ店へ行って最近お熱のバットとグローブを品定め。金属バットの感触にまんざらでもなさそうでしたが、今回は触ってみるだけ。ママと相談しましょう。

そのあとは野毛の「魂屋」で夜ごはん。マスターからももクロの最近についてお話をさせてもらい、子どもは子ども同士で奥のテーブル席でなにやら勝手に盛り上がっていました。

妻も楽しかったようで、内容は非公開だそうですが(笑)、まあご近所に呑み仲間がいるというのはいいことであります。

日曜日は本牧市民公園でキャッチボールしたり、ベイタウンのサイゼリアでお昼食べて、また近所の公園でキャッチボール。苦手だったキャッチも少し何かが掴めたかな。投げるのはだいぶん上手になった。握力と腕力がもっと必要かなあ。鉄棒頑張らせるか。

おかげでこちらもいい運動になりました。


もう少しゲイリー聴きながら、明日からの修羅場に備えてお気に入りのビール呑みます。


10/12/2015

東伊豆南回帰線

3連休後半2日間で、先のシルバーウィークに体調を壊して断念した伊豆旅行に出かけた。

お目当ての一つは、伊豆で本格的なMTBやBMXのコースとレンタサイクルがあるという、伊豆サイクルスポーツセンター。

三島からレンタカーを借りる前提で、そこまでは東海道線でひたすら安く行こうと各駅停車で三島を目指す。途中、熱海で見かけた特急列車の連結風景。最近はほとんど電車電車とは言わなくなった子どもだけど、やっぱりこういう光景は気になる様子。


初日は午前を中心に雨が残っていたので、自転車に乗るのは翌日ということにして、この日は大室山でも見物してから、宿に行くことに。

ところが、やっとこさ大室山に着いたと思ったら、さっきまで動いていたリフトが強風のため運行見合わせに。これにはがっかり。仕方なく、全く想定していなかった伊豆シャボテン公園へ。

サボテン園に動物園が併設された商業施設で入場料が大人2300円とちと高いなと思ったけど、他に行くところもないので入場することに。まあ子どもは色々な動物に触れあえたりできたので、それなりに楽しかった様子。

僕は僕で、サボテン園にあった綺麗なサボテンの不思議な姿に自然の神秘を垣間見た。


その後、雨も上がり、車を停めた大室山の駐車場に戻ってみるとリフトが運転再開とのこと。あまり時間はなかったけど、せっかく来たのだからリフトに乗り込み、夕暮れが近づくなか山肌を覆うすすきの輝くなか山頂を目指した。

山頂は旧火口に沿って1周2〜30分程度で回れる遊歩道が整備されていて、雨上がりの伊豆からの風景を楽しむことができた。それにしても高さといい出で立ちといい、不思議な存在感のある山である。


今回お世話になったのは、東伊豆城ヶ崎海岸にあるホテル「南回帰線」さん。

商社でアフリカを中心に長い海外勤務経験のあるご主人が、以前は某洋酒メーカーの保養所だったところを買い取って、運営している小さなホテルである。


お部屋もお風呂もお料理も、そしてご主人や奥様はじめとするホテルのホスピタリティが非常に素晴らしく、居心地のよい滞在を楽しむことができた。

お部屋の窓からは門脇灯台と東伊豆の海と空をたっぷり眺めることができる。月曜日の体育の日は秋の雲が輝いていいお天気に恵まれた。


今回の旅行で一番の思い出となったホテルに滞在して、当初のお目当てのサイクルスポーツセンターへ。

しかしながら、MTBについてはコースはともかく(この日は初級コースだけにしか入ることはできなかった)、レンタサイクルの質は悪く(安いから仕方ないんだけど)、観光ついでに気軽にトライするお客も多くて、全体的にゆるい感じで、期待したほどMTBを楽しむことはできなかった。

子どもは、練習用に作ってあった大きなコブを降りる際に転倒して泣いてしまい、あまりテンションがあがらないままタイムアップとなった。

結局、併設された遊園地アトラクションをそれなりに楽しんでここはおしまい。大きなジャングルジムを制覇してご満悦のご様子でした。


伊豆高原とか東伊豆に行くのは久しぶりだったけど、結果的にいい宿に巡り合えたことが今回の大きな収穫だった。また是非訪れてみたいと思っている。

本当は宿のこととかそれ以外にも、もうちょっとちゃんと書きたいところなんだけど、なにせあんまり気持ちの余裕がない時期なので、今回はこの程度で。

こんな内容だったら書かないほうがいいのかなあ、とちょっと悩み始めているところ。





10/04/2015

リベンジ

体調は元に戻ったけど、仕事がじわじわと追い詰めてきた。先週の水曜以降は子どもとは夜ごはんもお風呂も入れず。

金曜日は会社の先輩で、ちょくちょく呑みに行ったりカラオケに行ったりしている人が、山手のほうちゃんを味わってみたいと言われていたので、そちらにお連れした。定番の串焼きにガツワサ、ホッピーに焼酎レモンハイボールなど安定のホルモングルメを満喫。

もちろんその後(ほぼ半年ぶりに)マディにも顔を出してマスターと1時間半ばかり楽しく過ごさせていただいた。久々にやったラフロイグは、やはり薫りだけでいつまでも楽しめそうだったけど、実際に飲むと翌日結構胃にきますね。歳だよ。

次回は六本木のバウハウスに行ってみましょうと約束して山手駅でお別れ。僕はそのまま週末の憩いに向かった。

土曜日は朝はちょっとゆっくりして、庭の植え込みの手入れに時間を割いて45リットルのゴミ袋一杯分の枝葉を削いだ。その日の夕方にホームセンターでサザンクロスの20センチほどの苗を買ってきて、弱ったラベンダーと植え替えた。

習い事から帰った子どもとママも一緒に、森林公園でまた野球ごっこを楽しみ、夜はキンキンに冷やした安いスパークリングワインで乾杯。ああ、やっぱり家は落ち着きます。

森林公園から見た夕暮れ。中央右寄りの遠方には富士山もくっきり。


そして少し北寄りの空にはなんと「7」の雲が。何かの幸運のお告げだろうか。


日曜日は、4時半起床でみなとみらい本牧サイクリング。だいぶん涼しく薄暗くなった朝の横浜港周辺25kmを走った。臨港パークに吹く風も涼しくて、ひと休みに飲むペットボトルの水の味もどこかまろやかに感じられた。


赤レンガの前を通るとオクトーバーフェストの会場が。今年も行かねば、でも行く時間あるだろうか、うーん行きたい!

そしてこの日は、夏の終わりに子どもと行こうとして途中転倒で断念した八景島へのサイクリングを、ママも4年間乗りこなした電動アシスト自転車で一緒に3人で敢行することに。

はっきりって僕はどこか気が重くて、子どもの顔に少し残っている傷跡を見るたびに胸が締め付けられる感覚が続いていたんだけど、ママの後押しもあって子どもはリベンジする気になってくれた。

朝の独り乗りとはうって変わって、平均速度は60%程度の超スローペース。途中、問題の痛々しい現場で止まったりしながら、子どもは見事にそれを乗り越えて、八景島までの14kmを90分ほどで完走してくれた。

子どものお目当ては、以前お友だちと楽しかった八景島シーパラダイスのアトラクション「バイキング」に3人で乗ること。僕はもちろんママもこれは苦手らしく、出発前はそっけない生返事をしていたんだけど、頑張った子どものリクエストだとばかりに3人で乗ることに。うーん、やっぱり2人とも苦手でした(笑)

お昼を食べて少し島内をぶらぶらして、午後1時半頃にまた家に向けて出発。途中何度か休みながら、見事無事に復路も完走!山手を登る坂は(朝独りで登った)間門からにしたんだけど、それも含めて頑張りました。よくやった!

考えてみれば20インチの小さなタイヤで、6歳の子どもが30kmって結構ハードなんだけどね。本人はもちろん、僕にとっても何か少し自信を回復できたように感じられて、嬉しかったのであります。朝と昼を合わせて50km以上走りましたが、まあそんな疲れは大したことないです。

もう一回り大きな自転車に乗れるようになったら、もう少し本格的に走ってみたいと思った。もはや僕が置いていかれるのはすぐだとは思うけど。

土曜日曜と2日続けて、近所のローソンで買った「よなよなエール」と「インドの青鬼」でちょっと贅沢なリラックスを過ごしている。BGMはブルーノート盤のショーター。久しぶりだけどやっぱりイイねえ。

明日からまた大変そうだけど、次の週末3連休を目指して頑張ることにしよう。