12/27/2009

クリスマスからおやすみへ

勤めている会社の仕事納めは28日の月曜日なのだが、まあはっきりいって「やっとれません」という気分なので今年は早々に休みをもらって、すでにお正月休みに入らせてもらった。正月明けまでの9連休、社会人としては贅沢なお休みである。

金曜日のクリスマスは山手駅近くにあるイタリア料理の総菜屋さんが提供するクリスマスセット(ハーブを詰めて焼いたローストチキン1羽とラザニア2人前で3300円也)を予約注文してあり、これとケーキとワインでメリークリスマスであった。父親になって初めてのクリスマス。いろんなことを思いださぬわけがない。またそれについてはいずれ書ければいいと思う。

まだ生まれて9ヶ月の子供に何かプレゼントを買ってやろうと考え、最近の様子からみてビニール製のボールがいいだろうということになった。会社帰りにオモチャ売り場のあるショッピングセンターにでも寄って捜そうかと思っていた。その前に、妻にも何か安くても気の効いたものを買ってやろうかと思い、それはオモチャ売り場では捜せそうにないので、ふと思いだした丸の内のコンランショップに出向いてみることにした。

数年前にこのお店が出来たとき、仕事関係で知り合いだった人がその仕事を担当しており、妻と2人でオープニングに招待してもらったのだった。当時アパート住まいだった自分たちには買うものがないなあなどと思ったものだが、久しぶりに訪れてみるとなかなかいいものがいろいろあることがわかった。歳をとったということなのだろうか。

お店に入ってすぐにてんとう虫をデザインしたかわいらしいボールを発見し、子供にはこれを買うことに決めた。ボールは大中小の3種類があったが、中と小を1つずつ買うことにした。妻にはキノコをデザインしたガラスの容器に入ったチョコレート。これも4色あったうちから緑と赤を選んだ。それぞれをラッピングしてもらいあさっりとプレゼントの買い物が終わった。僕は買い物に迷いがない。プレゼントはそれぞれ好評だった(と信じている)。

帰宅すると妻から唐突に、このご近所での忘年会が翌日開催されるのだと告げられた。会場は横浜駅近くの居酒屋らしい。何だずいぶん急だなあと思いつつも、やはり4月に越してきて以降はじめてのご近所行事なので、これは参加しとかなければいけないかということで、参加することにした。

行ってみると、全20世帯のうち来ていたのは半数より少し多い程度だった。うちもそうだが、小さな子供を連れて家族で参加しているところが多く、借りた居酒屋の座敷スペースはそれはもう大変な騒ぎであった。僕はもう20年以上居酒屋に行っているがあんな光景を見たのは初めてだった。短い時間であったが大きな混乱もなく、楽しい時間を過ごすことが出来た。ご近所の奥様旦那様と飲むというのは不思議な感じがするものである。

とまあこんな感じでお休みは始まり、そのなかで今年1年が終わろうとしている。僕や妻にとっていろいろな事柄のバランスが大きく変わり、人生の大きな節目となる1年だった。そんなことを振り返りながら、今年はこの横浜で家族3人で新年を迎えようと思っている。幸いしばらくは寒さも少し和らぐようだ。

12/20/2009

ほうちゃん

山手に引越して8ヶ月。ようやく本格的な冬の寒さがやってきた。

週末に子供が風邪を引いてちょっと熱を出したりもしているのだが、幸い大事にはいたっていない。水気の少ないサツマイモのおかゆを妻が作ってくれて僕が食べさせていたら、途中で咳き込んだ拍子に食べたものを全部もどしてしまった時はちょっと慌てたが、一番びっくりした当の本人がその場で大泣きしたものの、すぐに泣き止んで残ったご飯をすぐにまた元気よく食べてくれた(少しお湯を足して柔らかくしてあげたが)。医者からもらった薬が効いているのか、いまは落ち着いている。

念のため予定していた妻がお世話になっているお宅への訪問お出かけは中止となった。遅い年賀状の準備をしたり、親戚からの頂き物へのお礼の品を送ったり、ワンサイズ大きくなった子供のおむつとミルクを注文したりと、ネットは音楽以外にも大活躍である。気がつけば「お買い物」のお出かけはこの1年でさらにずいぶんと減ってしまった感がある。最近では外出のほぼ100%は外食が目的の中心にある。それ以外の買い物はそのついでに何かのあればという感じで、そのほとんどは食材である。

日曜日は早起きしてウォーキング。山元町からフェリス女学院の間を抜けて港の見える丘公園へ行き、そこで日の出を眺めて北方小学校から上野町を通って山手駅まで戻る道程。人通りのほとんどない寒い早朝に横浜らしい街並みを駆け抜けるのは気持ちがよかった。1時間弱でおよそ7000歩の運動になった。

山手駅前の商店街は最初はずいぶん地味だなあと思ったのだが、何度も往来しているうちにそこで頑張っているいろいろなお店の魅力が感じられるようになってきた。そのなかで一番僕が気になっていたお店をようやく訪れることができた。「ほうちゃん」というホルモン焼のお店がそれである。

僕は未だに1人でお店に入ってお酒を呑んだことがない。晩ご飯を食べるついでにビール1杯とかいうものも含めてだ。それをするくらいならお酒を買って家で飲む。お店に独りというのは、そこの人と知り合いででもない限りどうにも居心地が悪く、いわゆるおひとり様の世界というのはいまのところ自分には縁遠いもののようだ。

「ほうちゃん」のことを知ったのは山手に移って間もない頃。赤ちょうちんにホッピーののぼりとともに「串焼きホルモン」の看板、これはもう惹かれないはずがない。しかし子連れで飲み屋に入るわけにもいかず、たたでさえ呑みに行ける機会が減っている上に、山手で呑める人というのもおのずと限られてくる。

そしてとうとう先の金曜日になって、みなとみらいに住む以前の職場の同僚を誘って行くことが出来た。これもこちらの都合で2回も延期になった結果ようやく実現したというわけだ。

結論を言えばこのお店は最近入った飲み屋の中で最も僕の理想に近いお店だった。ホルモン串焼きと串揚げを中心にしたメニューは店主がこだわっているだけあって、なかなかのものだ。

おまかせホルモン串焼き4本セット400円は安い。まずはこれを注文すべし。串揚げはハムカツとソーセージを食べたが1本130円は手頃でうまい。そして一品料理では、大トロホルモンとポン酢で食べるミニホルモン鍋といえるポンホルなど、どれもとても素晴らしい。これだけまとめてホルモンを食べたのは初めてというくらい、2人でひたすら唸りながら食べて飲んだ。

生ビール2杯ずつとホッピー1本に中身のお替わりを2杯と合計5杯ずつを飲んで、料理合わせてお勘定は8千円ちょっとだったと思う(2人それぞれ万札をとりだした以降の記憶が少々あやしいのだが)。いわゆる激安のお店というわけではないが、中身がしっかりしていて良心的な価格だと思う。チェーン店にはないしっかりしたところが魅力である。

僕が日頃おつきあいさせていただいている、すべての呑ん兵衛の皆さん。いつかこのお店でぜひ一杯やりましょう。どうぞ遠慮なく「ほうちゃん行きましょう」と声をかけてください。楽しみにしてますよ。

12/13/2009

アパショネード

スタン=ゲッツが晩年にケニー=バロンとのデュオで演奏した「ピープルタイム」が、CD7枚組の完全盤で再発されている。この知らせをネットで見かけた時は一瞬触手が動いたのだが、そこのところは最近抑制が利いていて、すぐさま天の声が聞こえてくる。

「待て、えぬろぐよ。それを買ったところでお前は今後何回それを聴くと思うか?そのなかの2枚分はもうお前のお気に入りのはず。それで満足すればいいのではないか?そんなものよりもっと他に聴かなければならないものはたくさんあるはずじゃ。商売に惑わされてはいかんぞ。」

というわけで、久々にゲッツの名に触れたところで僕が思いだしたのは、彼が生前何かのインタビューで「あなたが最も気に入っている自分の作品は?」と問われて答えていた作品のこと。それが「アパッショネード」である。さっそくiTunesでダウンロードしてみた。

これはゲッツが亡くなる2年前に行われたセッションで、7菅からなるホーンセクションにシンセサイザーやエレキギターなど電子楽器を交えた、いわゆるオーケストラ作品である。ピアノは晩年のパートナーであるケニー=バロンが参加し、変わったところではジェフ=ポーカロがドラムを務めている。

ゲッツの返答は音楽を一聴すればすぐに納得できる。ディテールまでかなり綿密に作り込んだアレンジメントの上を、おなじみの軽快なテナーサックスが駆け巡る。こんな気持ちのよい音楽はそうそうあるものではない。

かなり寒くなってきたものの、まだ冬らしさは感じられない。仕事ではゴタゴタ続きだが、前年を下回ったもののなんとか無事にボーナスも支給され、少しほっとした週末だった。子供を抱っこしてゲッツの咆哮に耳を傾けていたら、いつの間にやら彼はすやすやと眠りに入っていた。それほど(?)心地よいサウンドをたたえたアルバムである。名作!

Stan Getz - Apasionado iTunesでダウンロード

12/06/2009

ディア サムワン

最近話題になっている、ベーシストAnders Christensenのアルバム"Dear Someone"がアランの店から届いた。前回のろぐで書いていたもしかしたら最後のCD購入になるかもしれない3枚のうちの1つがこれだった。

このアルバムの中身を聴いてみたいと思ったのは、素晴らしいこのジャケットを見てのこと。


実にいい雰囲気で、どこかうらやましい様な感じさえするスナップショットである。ちなみに右側の長身の男性がAnders本人のようだ。おそらくは彼の活動拠点であるコペンハーゲンの街の一角だろう。

内容の方もこのアルバムジャケットの雰囲気にぴったりで、とてもリラックスした雰囲気のシンプルなトリオ演奏が漂ってくる。どこかで聴いたことのあるメロディは、思わず口ずさみたくなってしまうものばかり。この雰囲気作りに一番貢献しているのは、おそらくモチアンのドラムだと思う。

この週末はちょっと体調を崩してしまった。僕の休みに期待していた家族には申し訳なかったが、この作品のおかげもあっていまのところは何とか持ちこたえている。

評判通り、一聴の価値ある素晴らしい作品だった。