夏休みの終わりから少しずつ読んでいた河口慧海の「チベット旅行記」をようやく読み終えました。
本当に素晴らしい記録であります。日本とチベットの間にこんな壮大な序章があったとは、全く知らなかったです。最後のページを終えたときの感動は、読書では久しくなかったものでした。
あまり書くとネタバレになりますが、全体の構成を少しご紹介しておきます。
前半がラサに到着するまでの記録、中盤がラサで見聞した当時のチベットの様々な風俗・文化・政治・宗教等々の見聞録、そして最後の4分の1程度がラサを発つことになる経緯から以降の記録となります。
中盤の見聞録でちょっと動きが止まりますのでやや退屈に感じるところもないわけではないですが、全体を通してある種のスリルがいっぱいつまった旅行記で、読書のペースが止まることはありませんでした。
まさに東洋の「オン・ザ・ロード」です。ラサまでの道のりと、帰国に至る一連のくだりでの様々な出来事が、折々に美しいヒマラヤの山々の景色を織り混ぜながら、見事に展開します。
全編を通じて感銘を受けるのは、やっぱり河口さんの意志の強さです。私が仕事でサポートしているお偉いさんも、常々『意志』ということを言いますが、まさにそれだと思います。
途中何度も困難に遭いながらも、それを何とか乗り越えていく様は、本当に頭が下がります。彼はそれを信じた仏様のお陰だとおっしゃいますが、詰まるところ自分の意志を貫いたいうのと同義だと思います。
麦焦がしは最後まで美味しそうでした(笑)。僕も毎朝、シリアルに混ぜて豆乳でいただいてます。
なお、冒頭にある筆者の序文がかなり堅い昔の文語調になっているので、ここで躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、本文はデスマス調の語り口になっていて、比較的読みやすくなってますのでご安心を。
素晴らしい本に出逢えました。皆さんも是非!無料で読めます。
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