7/28/2013

ウマグマうるうるま

ピンクフロイドが1969年に発表したアルバム「ウマグマ」が聴きたくなって、iTunes Storeでポチリ。これ、確か中学1年生の時に2枚組のLPを買って、何が出て来るのかワクワクしながら聴いたのを覚えている。おかしな中学生だったんだなあ。

30数年ぶりに耳にして、やっぱりほとんどの曲は覚えていた。1枚目のライヴ編は初期フロイドを代表する名曲名演揃いで、これだけで十分にこのアルバムを買う価値がある。いまは亡きリック=ライトのオルガンが、サイケデリックを演出するうえでとてもとても大きな存在だったんだなあ、ということをあらためて実感した。

2枚目のスタジオ編は各メンバーのオリジナル作品集。それぞれが若い才能を燃やして取り組んだ音楽の実験は、いま耳にしても新鮮さと青臭さも失わずの存在感。4人の個性はその後の3部作や「ザ・ウォール」へと続くスーパースター時代の音楽にもしっかり通じるもの。いまこうして聴いてみると、やはり音楽という一貫性を通した人生は、ただただ羨ましい限りである。

子どもの幼稚園は夏休みに入って、毎日毎日が喜怒哀楽でいっぱいだ。土曜日はまた横浜プールセンターに3人で出かけてたっぷり4時間遊んだ。おやつにメロンとイチゴ味のかき氷をほおばり嬉しそう。僕は初めてラッシュガードを着用してみたが、もっと早くから買っておけばよかったというものでありました。

日曜日から幼稚園のお友達とそのママ達数組で、あきる野市のキャンプ場にあるコテージに川遊びとバーベキューの1泊旅に出かけてしまい、パパは独り寂しくお留守番である。

ウッドデッキをブラシで洗って一汗かいた。作り付けの小さな物入れに住み着いていたヤモリくんはもう居ないかなあと思ったら、中に水をかけた拍子に元気に飛び出してきた。居心地いいんだろうね。あんまり人は来ないし、小さな虫も集まるし。

お昼を食べにぶらりお出かけ。新山下にある沖縄料理のお店「うるうるま」を訪ねて、以前行ったときに気になっていた「もずく定食」をいただく。このお店の定番お食事3品、沖縄そば、肉みそおにぎり、生もずくがセットになった素晴らしい定食。

お皿にどっさり盛られた生もずくを、ソーメンの様にネギわさび入りのツケダレでいただく。これ絶品でありやす。泡盛のメニューも充実なので、今度は夜に行ってみようかな。

山下公園なんかを通り抜けて歩いてぶらぶら。そう言えばもう4週間ウォーキングをさぼっているなあ。やりたいんだけど、朝早く起きてももう明るいんだよねえ。雨も降ってたりとか、言い訳がましいか。

自宅に戻って、コンビニで買ったエクレアとカフェオレをやりながら、何をするでもなくのんびり過ごす。一頃のことを思えばまだしのぎやすい気温ではあったけど、結局またエアコンをつけてしまった。バルコニーはもうすっかり乾いてきれいになっていた。

夜はやまて食堂でナポリタンスパゲティをいただいた。美味しい。夕食にはまだちょっと時間が早かったけど、お店は出前の注文をさばくのに忙しそうだった。

その後マディに立ち寄ってマスターと会話しながら小一時間ほど過ごす。バスペールの生ビールと、ハイランドスコッチのハイボール。これら3点で本日の夕食代は2000円也でした。まあちょっと贅沢かもしれないがたまにはいいだろう。

さてシャワー浴びて、家でのんびりビールでも呑むとしようか。きれいになったバルコニーに蚊取り線香でも焚いてみようかな。


7/21/2013

夜のヴィオラ

先週は久しぶりにろぐをサボってしまいました。すいません。

休日と平日のコントラストというかコントラディクションがどうにもおさまらず、また一段その差を深く大きくしている。以前は平日を目前にした日曜日の夜に書くことが多かったのだけど、最近はどうもそういう気分になれずという状況にある。

平日の状況に少し慣れて落ち着きを取り戻したところでおもむろにBloggerを起動することが多くなった様に思う。それでも先々週は3連休はそれなりに楽しくもあったわけだが、続く平日のことを考えるにどうしても心のバランスを落ち着かせられず、やることをやらないことが多くなってしまっている。あきらかに悪い傾向には違いない。


この2週間にあったことをかいつまんでまとめておく。


夏が始まって子どもがだいぶん水に慣れてくれるようになった。プールで自分から頭を沈めて潜ってみたり、ケノビ(いわゆる伏し浮き)も5秒ほどは自分で浮いていられる様になった。おかげでスイミング教室のテストを無事に通過できた。

3連休の最終日は横浜市南区の清水ヶ丘公園プールに、そして昨日も根岸にある横浜プールセンターに3人で出かけ、子どもは楽しそうに水と戯れていた。中学2年生になるまで泳げなかった僕とは大違いである。まだまだとても気を抜けない状況ではあるけど、8月に予定している南伊豆でも海を楽しんでくれればいい。


30年ぶりに高校時代の同窓生で関東地方に在住している人間10名ほどが集まる機会があった。このろぐにもちょくちょく登場する翻訳会社の幼馴染みを介して僕にもお声をかけてもらった次第である。

僕にとっては小中高大とある学生生活のなかで一番悔やまれるのが高校生活かもしれないという自覚がある。それは勉強を自分で進んで一番に一生懸命やった時代であり、そのおかげでその後の大学と今日の自分があるのは間違いない。だけどその一方で、その時代にしなければならなかったある種の経験をせずにどこか偏った高校生活を送り、結果的にそれがいまの自分の影の部分に大きな影響をもたらしている様な気がしてならない。

今回集まった10人はじつのところ高校時代にはほとんど付き合いのなかった人たちなので、顔を拝見してやあ懐かしいという思いが起こる以前の問題であって、酒を呑んで話をするうちに少し共通の話題が見えてくるというのがほとんどだった。

もちろん楽しくはあったが、一番最初に場を失礼させていただいたのも僕だった。一番遅くまで残った人は朝まで呑んだのだという。そういう呑み方はもはや自分のライフスタイルからはなくなったように思えるが、早々に失礼させていただいてもそれなりの酔いの中で、やはり高校時代の何らかの空白に虚しさを覚えて、そのことがいま自分が頭を悩ましている問題の大きな原因であるかのような感覚にとらわれたことは紛れもない事実である。


仕事関係で参加している交流会のイベントで、東京駅のすぐ近くにあるブリジストン美術館を見学させてもらうことができた。ほんの短い時間であったがマチスやレンブラントやミレーやシャガールやピカソといった所蔵品の数々を、学芸員の方の解説付きで鑑賞することができ、これが平日に関係する時間のなかではほぼ唯一僕の心に一抹の鮮やかな光と風を送り込んでくれた。


妻が誕生日を迎えたというのに、どうもちょっとしたことで心が沈みがちで、何か気の利いたお祝いでもと思う気持ちになかなか弾みがつかず、結局桜木町のありふれたすし居酒屋の安上がりな宴で済ませてしまい、なんとも申し訳ないような気持ちで新しい歳に就いてもらった。


子どもが健やかさや逞しさを感じさせる一方で、幼さやひ弱さもまだまだの状況である。ともすれば周囲の環境や世間一般に寄った立場からの判断から本当は伸ばさなければいけない才能や素質から目を反らしているのではないかということに怯えながらも、そう考える根源にある自分自身の生立ちへの思いとその結果ある自身の混乱と停滞を憂う日々が続くなか、そういう自分の内部にいったいどれだけの負のエネルギーが蓄積されているのかは、海水を冠って動きを停止した原子炉のごとく当の自分にさえまったくもって様子がわからない状況にある。

これが50歳を目前にしたありふれた人間には特有の状況なのか、極めて尋常ではない事態なのか、それを確かめる術にはまだ巡り会えそうにない。以前にも紹介したヴァインベルグのヴィオラ作品が少しだけ気持ちを癒してくれる。



7/08/2013

野毛の武蔵屋

みなとみらい在住のかつての職場仲間と野毛に呑みに行くことになり、今回は彼のお勧めで「武蔵屋」さんに初めておじゃまさせてもらった。

水曜日の6時半にお店の前で待ち合わせ。中区の図書館や野毛山動物園に行く時にちょくちょく通る道なので、場所はすぐにわかったが、やっぱり人が並んでなかったらここが飲み屋だとはわからない。僕が小学1、2年生頃に住んでいた父の会社の社宅に感じがとてもよく似ている。

待つこと30分ほどで席が空いたのでお店のなかへ。奥にある小上がりの小卓に座らせてもらった。どうしてこんなに落ち着くのか、とてもいい雰囲気である。先ずは瓶ビールを注文。5品料理の酢タマネギとおからといっしょに、ビールのアテのピーナツと塩豆もいっしょに出てきた。

酢タマネギもおからもすこぶる旨く、これはもうビールを飲んでいる場合ではないなと、さっさと飲み干して三杯屋の酒をお願いすることに。グラス一杯に注がれた櫻正宗のぬる燗は絶妙の味。五臓六腑に沁み渡るとはまさにこのことだろう。

鱈豆腐も出てきてふああっと酔いも出てきてこのお店の世界にどっぷり幸せ。いやあいいですなあ。今日はコハダの酢締めがあるというので追加で注文。これも美味しいなあ。そろそろ二杯目いきますかあ。

とまあこんな調子でお約束の酒三杯と納豆、お新香と続く5品料理を堪能し、最後におばちゃんからの常温のお猪口酒一杯をいただいてお店を出た。

2軒目も彼のお勧めで同じく野毛の「鳥芳」さんへ。櫻正宗がだいぶん効いてきてたんだけど、こちらでも美味しい海産の串焼きをいただきまたまた感激。

申し訳ないが、先日の野毛雰囲気なんちゃってツアーとは違って、しっかりと味を通してこの街のよさを実感できた夜だった。やっぱりいいなあ野毛。いいだろ野毛。

週末は土曜日は散髪してもらって家でのんびり。ソファーに寝そべってiPadを眺めていると関東地方は梅雨明け宣言とのこと。早いなあ今年は。ちょっと拍子抜けな気もしたけど、やっぱり夏が来たと思えるのは嬉しい。

日曜日は大さん橋にウォーキングして、昼前から金沢の海の公園で子どもの海水浴に付き添った。

大さん橋には"LE GRAND BLUE"と書かれた大きな船が入港していて、大きなクルーザー2艇の他にいろいろな小型艇が積まれているかなり大きな船(ロイヤルウィングよりふた回りは大きいか)だった。

船名といい雰囲気といいどう見てもプライベートな船なんだろうなとは思うのだけど、まあ大変な道楽の世界を目の前で垣間みた。こいつにかかるカネはもはや自家用ジェットの比ではないだろうね。

海の公園は着いたときは日射しだけでなく風も強くて、簡易テントが立てられるか心配だったけど、砂だらけになりながら、なんとか中で軽く腹ごしらえ。

子どもはプールに通った甲斐もあってか、だいぶん水を怖がらなくなり、この日は水着持参で波の静かな人工海浜でかなり楽しんでくれた。波打ち際に腹這いになって、僕が両足を引っ張って沖に引きづり込もうとするのを、何回も何回もせがまれた。

足がつかないところに連れて行くと必死で僕にしがみついていたものの、無理矢理離して背中を手で支えてやりながら「水の上に寝てごらん」というと、緊張しながらもそういう姿勢をできるようになった。これで身体が浮くことを覚えてくれたらもっと楽しくなるだろうね。まあ付き添う親としてもますます気が抜けないけどね。

夕方近くまで遊んですっかり疲れ果てたと見えて、帰りのシーサイドラインに乗った途端に寝落ち。夜ご飯にはまだちょっと早いし、いいお店もないしなあ、でもビールは飲みたい。ほうちゃんはお休みだしなあ、うーん・・・。

で、結局は新杉田駅にある中華の日高屋へ。テーブル席の長椅子に寝ている子どもをおろして、枝豆、焼鳥酢漬け、キムチを頼んで生ビールでかんぱーい!結局大人2人で6杯お酒を呑んで大満足。子どもが起きたら餃子や汁なしラーメン、チャーハンなどなどいろいろと料理も頼んで、総額3200円でした。安いわコレ。

日焼けした肌にお風呂のお湯が少し滲みたけど、楽しい週末を過ごせました。夏休みにはもう少しきれいな海に連れて行ってあげるよ。

7/02/2013

CT

5月に会社で受診した定期健康診断の結果を受け取ったのだが、これまで言われたことのない警告がそこに出ていた。

血液の何とかの値が基準より高めなので気をつけましょうとか、視力がまた少し衰えたとかいうことではなく、ある検査結果に対して「精密検査を要するので速やかに社内の担当医を受診して説明を受けよ」というものだった。

まあはっきり言って僕の脳裏をよぎったのは僕の両親のこと。月曜日に産業医との面談を予約して話を聞きに行くことにした。

週末はウォーキングや子どものプールやらいつものお休みだったのだが、やはりついそのことが何かにつけ気になってしまう。妻にはとりあえず産業医との面談を終えるまでは何も話さないことに決めた。

ネットで少し情報を集めてみたが、この種のことについてはいくら楽観的な情報を目にしたところであまり気休めにならないものだ。

産業医の説明は、慎重に言葉を選びながら淡々と、という感じだったのだが、要するに会社にある装置を使った結果としてある種のものが出てしまっているので、早期発見の意味も含めてより専門的な診断のできるところで精密検査をすべき、という模範的な内容だった。

彼は十分によい仕事を果たしたと思うのだが、僕が両親の病歴を話すと少なからずの動揺を示したので(少なくとも僕にはそう受け取れた)、そのことが余計に僕の不安を増幅させたことは仕方のないことではある。

紹介状を用意するというので、少し考えを巡らせて自宅に近い総合病院で受診することに決めた。本当はその日のうちにでも検査を受けたかったが、さすがに無理だったので今日仕事を休んで該当の科で検査を受ける予約を入れてもらった。

みなと赤十字病院はいままで何度も近くを通っているが中に入ったのは初めてだった。比較的最近に大きなリニューアルがあったようで、僕が想像していたよりもずっとキレイで合理化された設備やシステムが備わっていた。

僕を担当してくれた先生の判断で、すぐに生まれて初めてのCTスキャンを行うことに。これで何か異常が出たら次は...そんな想像も膨らんだが、何はともあれ先ずは検査を受けることだと諦める。

検査室に行ってみると、来院の患者さんに混じって、入院されている患者さんの姿も見え、それを見ていると大変失礼ではあるが、どうしても入院していた頃の父や母の姿を思い出さずにはいられない。

CTスキャンとレントゲンの撮影を終え、再び担当医のところに戻って結果を聞く様に指示される。今日は比較的空いていたようで、すべてのことはとてもスムーズに運んだ。

再び担当の先生に呼ばれ中に入ると、開口一番「何も心配されるようなことはありません」という言葉が彼女の口からもたらされ、ここ数日の心配と気苦労はそこでようやくにして晴れた。

会社で見せてもらったものよりもはるかに鮮明なX線写真に加えて、生まれて初めて見る自分の身体を輪切りにした連続画像に見入りながら、ここ数日間に考えたいろいろなことが自然に次々と思い返され、心に立ちこめた暗い霧がさあっと晴れていった。

結局、会社で検診を受けた時点では確かに何かがあったのだろうが、それはその後の1ヶ月ほどの間に自然に治癒されたものだと考えられる、というのが医師の結論だった。

たった1週間前後のことではあるのだが、何かが変わった様に思う。もう少し明確な言葉で書くこともできるのだが、ある意味で個人的なことでもあるので、ここではこの程度にしておく。

病院を出て包まれた初夏の空と日射しは、いままでになく僕の心と身体の奥底から何かを引き出そうとする様に感じられた。

歩き出しながらイヤフォンを耳に押し込むと、このところ急に聴きたくなってiPodに入れていたチック=コリアの"Three Quatets"に選曲を合わせた。

チックが取り憑かれた様に果敢に攻めた楽曲が、メンバーの神髄を見事に引き出して素晴らしい。ブレッカーやガッドはもちろんのこと、エディー=ゴメスのベースは数ある彼の演奏の中でも白眉である。

いい歩みだしに相応しい音楽だ。