ギターブームが続いていますが、やっぱりロックから延焼する先はフリー系でした(笑)。1ヶ月ほど前から高柳昌行のアルバムをCDで何点か買い求めて聴き込んでいます。
複数のギターとテープなどを駆使して独自の音響空間を織りなす「アクションダイレクト」と銘打った活動も非常に興味深いのですが、いまの僕にはオーソドッックスな奏法でギターを奏でて創りあげる作品が好みです。これはギターに限ったことではないです。
以前にもよく聴いた「ソロ」「ロンリーウーマン」をまた何度か聴くうちに、その2年後の1984年に横浜エアジンで収録されたライヴアルバム「アングリー ウェイヴズ」に俄然惹かれてしまいました。
メンバーがいいですよね。ベースに井野信義、ドラムに山崎比呂志というトリオ編成。高柳さんはフルアコを少し歪ませた独特のトーンで自由に快調に弾きまくり、見事なトリオ演奏が展開します。
2部構成のステージをカセットデッキで録音したものをそのまま2枚のCDにしたそうです。発売されたのは2016年の2月です。
エアジンの店内は記憶に新しいところですが、33年前のあの場所でこれが演奏されたことと、それをいま僕がこうして楽しんでいることを考えると、いろいろな意味で巡り合わせというものの不思議さを感じます。
全8曲中5曲が(アルバート)アイラーの作品をモチーフにしたもの。サックスの咆哮をとてもギターらしいフレージングで、ある意味ストレートに奏でるのがとても小気味よいです。
何度も聴き込むほどに、自然とアイラーのトリオに世界が通じていく気がして、その時空間がつながる様にあらためて音楽は素晴らしいなと思う次第であります。
唯一気になるのがこのユニットの名前「アングリーウェイヴズ」です。高柳さん=怒りなんでしょうか、それともアイラーかな。別に怒らなくてもいいと思うんですけどね。僕の中ではこの音楽と怒りは全然つながらないです。
小難しい言葉はいらないです。残り伝わるのは音そのものがもつ力です。ただそれに耳を傾け感じるままに任せればよいのです。そこに自分の生きた証が映るのです。
(おまけ)
週末の散歩にいつものラーメン屋「笑苑」さんから本牧小港まで歩いて、そこから港の見える丘公園に向かって登る「ワシン坂」を初めて登ってみました。
ずっと以前からのこの不思議な名前の坂とそこにその名を冠した病院があることは知っていたのですが、土曜日に初めて登った時にはなんともうら寂しい雰囲気だなと思ったのでした。
それが、続く日曜日にもその近所の運動場で子どもの野球の練習試合を観戦した帰りにまたこの坂を登って帰ってみたのですが、今度は逆に独特な趣を感じてこの坂が好きになりました。
坂を登りきった道中から眺めるベイブリッジとつばさ橋。この角度はここでしか見ることができません。
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