5/30/2010

トゥ・ザ・ワン

ジョン=マクラフリンの新作が登場。さっそくアランの店で購入して聴いている。タイトルは"To The One"。最近、彼が組んでいるユニット"The 4th Dimension"によるレコーディングだ。

最近はこういう音楽を何と呼ぶのだろう。やっぱりまだ「フュージョン」とか言うのだろうか。まあそんなことはどうでもいい。リズムは4ビートでも8ビートでも16ビートでもない、かといってポリリズムなどというのすら憚られる。とにかくとてもスリリングな超ハイテク・ジャズ・ギター・アルバムなのである。ジョンはもちろん、キーボード、ベース、ドラムいずれも超一流の技工師達で固められており、どこをとっても溢れ出るフレーズの洪水だ。

音と音の間や一音々々の味わいを重視した作品が幅を利かせる昨今、この手の音楽はともすれば嫌みや古さを感じさせてしまいがちだが、そこはさすが大先生である。こういう内容で聴けば聴く程に味が出る作品というのは、なかなか出会えるものではない。

ジョン自身によるライナーによると、この作品のインスピレーションとなっているのは2つの源があるとのこと。1つはコルトレーンの"A Love Supreme"、そしてもう1つは自分自身による過去40年間におよぶ探求なのだそうだ。何ともカッコいいではないか。前者だけなら誰でも言えそうだが、後者はそうそう言えるものではないし、2つを並列するなどもう限られた人にしか許されませぬ。

彼が熱心なコルトレーンフリークであることは、1990年代にエルヴィン等と録音したアルバム"After the Rain"に端的に現れているが、ここで再びコルトレーンの名前を引っ張り出しているのは、よほど最近になってまた強い刺激を受けたのだろう。冒頭の"Discovery"を聴けばそのあたりはすぐに納得できるはずだ。

脱帽!感服いたしました!ははあ〜m(_ _)m

5/23/2010

ゲゲゲの・・・

NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」を毎回楽しみにしている。朝はもちろん視ている時間などないので、ハードディスクに録画してもらった番組を、毎晩ビールを飲みながら楽しんでいる。個人的には2年前の「ちりとてちん」以来の当たり作品と思う。

思えば、あの番組のテーマ音楽でピアノを弾いていたのは、今回主演の松下奈緒だった。これも何かの縁だろうか。彼女は一見してかなりの大柄なのだが、それでもいろいろな役柄を演じられるのは、そうした外見上の特徴を超えた何かが演技のなかにあるのだろう。今回の出演でますますファンになった。

相手役の向井理もいい役者だし、加えてお父さん役の大杉漣がまた素晴らしい。昔気質の父親を演じさせてこれほどハマる人もいないのではないか。いきものがかりが唄う主題歌もいい。

今回は実在する人物の伝記ものなので、最近の朝ドラ作品にみられた途中から話のすじが訳の分からないことになる心配もないだろう。

これから暑い夏を迎えるが、毎週少しずつドキドキとハラハラと涙と笑いを楽しみながら、9月末までおつきあいしていきたいものである。

やっぱりNHKはいい番組を作ってくれますなあ。

5/16/2010

はじめての「おひとりさま」

週末に妻の両親が遊びにやってきた。

金曜日の夕方に横浜にやってきたのだけど、その夜は義父の旧友と中華街で会食して、桜木町に宿をとっていた。僕もその方には2度ほど会ったことがある。妻はもちろんよく知っている。

会食には妻も子供を連れて参加。大珍樓本店で高級中華を満喫したようだ。僕も誘われたのだが、まあそこは皆さんでお楽しみいただくことにして、1人で食べて帰ることにした。

決して計画的ではなかったのだが、僕は生まれて初めて独りで居酒屋に入り、40分ばかり食事をかねて飲み食いを楽しんだ。いわゆる「おひとりさま」である。

で、どこに入ったのかというと、それはもう近所のホルモン屋「ほうちゃん」である。カウンターはまだ誰もいなかったので、一番隅の席に陣取り、生樽ホッピーとおまかせ串焼き4本を注文。しばらくして串揚げのハムとレバーを追加して、ここで少し迷ったのだが熱燗を1合だけ足してみた。本当はアルコールは1杯だけのつもりだったんだけどなあ。

お食事はコンビニのおにぎりで済ませることにして、早々に切り上げた。なかなかいいものである。

お店はあっという間に混んできて、隣に若い男性2人が座ってなにやら仕事の話を始めた。どうやら船に乗るのがご職業らしく、その内容には少し興味を覚えた。あのカウンターにもう少し慣れて酔いが進んでいたら、たぶん僕は彼らに話しかけていたのだろう。

義理の両親は、わが家には土曜日の朝早くにやってきてその夜に一晩泊まっただけで、翌日の昼にはまだ新幹線まで十分に時間があるというのに、近くのそば屋「百花」でお昼を食べてそのままさっさと帰ってしまった。

それでも孫とのふれ合いをたっぷりと楽しんでいってくれた。妻もいつもとは少し違う週末にリラックスできたようだ。

両親を山手駅で見送った後、せっかくの好天なのだからと、やってきたバスに3人で乗り込んで港の見える丘公園まで行った。ローズガーデンのバラが満開できれいだった。途中「えの木てい」に立ち寄って、お茶とケーキを楽しんだ。

子供はこの数日間でも仕草や表情が確実に成長。

ラルフ=タウナー

最近はギターミュージックな気分です。

久しぶりにラルフ=タウナーを聴いてみました。
2001年発売の「アンセム」。

あんまり深く聴き込んでこなかった作品だったのですが、今回初めて中身をひも解き、じっくりと何度も聴き込みました。

とてもいいアルバムです。連休明けの気怠い心をいい感じに癒してくれました。

この人のアルバムでは、毎回(ビル=)エヴァンスに関連する作品が取り上げられるのが、お決まりになっていて、ここでは"Gloria's Step"が披露されます。

きれいに並べられたオリジナル作品の中に、ふっと箸休めのように現れる軽快なテーマ。見事です。

こうなると、また他の作品を聴いてみたくなる、あの病気がまた出そうです。

5/09/2010

横浜の7日間

前半の兄に続いて、連休の後半にも2組のお客様が自宅まで来てくれた。おかげで連休の7日間は一歩も横浜市を出ることがなかった。妻と子供と一緒に過ごす毎日が充実していたことはいうまでもない。体力的にはかなり疲れた。それが空けの木曜日に肉体面からもやる気を削いだのだろうか。

半ばにやってきてくれたのは、ちょくちょく呑みに出かけている翻訳会社に勤める幼馴染み。連休中に山手あたりで一杯やるついでに子供の顔を見に来てくれたのだ。

残念ながら(たぶん彼が髭をはやしていたからだと思うのだが)子供は彼に対して人見知りを起こしてしまい、家にいてもらった2時間程のあいだとうとう完全に馴れることはなかった。友人には申し訳ないと思ったが、子供が彼の存在を必死で受け入れようとしながらも、耐えきれずに下唇を突き出してしみ出す様に泣く様は、僕と妻の笑いを誘った。

一方、彼は彼で子供に悪いと思ったのか、「ごめんね、もう君の方は向かないから許してね」などといいながら、子供とは逆に相手の存在を認めつつも無視しようと努めてくれる、これも僕にはおかしかった。

結局その後、彼と僕は家を出て、山手のホルモン屋「ほうちゃん」に足を運んだ。僕自身も2回目だったが、前回かなり絶賛してあっただけに、思い違いだったらどうしようという気持ちも少しあったが、いざお店に入ってみるとそんな不安は吹き飛んだ。

「自分にとって最も理想の飲み屋に近い」というのは、「最も理想的な飲み屋」にまた一歩近づいた。本当に素晴らしいお店です。この日もたっぷり飲んで食べて2人で8000円でありました。

連休最終日に来てくれたのは、会社で付き合いの長い同僚と奥様と男の子2人の4人家族である。

到着時に子供が珍しくお昼寝に入ってしまい、起きて知らない人がいるのにびっくりして泣きはしないかと心配だったのだが、とても素直で明るい子供達のおかげで、最初はおどおどしていたうちの子もすぐに慣れて一緒に楽しく遊んでもらった。10歳と5歳と1歳の3人の男の子が、部屋のなかで遊んでいる光景はとても微笑ましかった。少しでも彼らにも何かの想い出になってくれればいい。

こうして連休も終わり木曜日からは仕事に戻った。最初の日はもうどうしようもないくらいにブルーな会社での時間に、じっと耐えなければならなかった。みんなどうしてそんなにすぐ仕事を始められるのか不思議でしょうがない。通勤電車はまだ少し空いていた。

金曜日には会議などもあって、まあなんとか仕事らしい一日を過ごすことができた。やはりこういう時は人と話をするのが一番である。自らふさぎ込んでしまっては出口はないも同然だ。

5/02/2010

お座敷と育児

今年は7日間の大型連休。ときに9連休というのも少なくなかっただけに、ちと寂しい気もする。まあお休みはお休みだ。今年もどこにも行かず横浜の自宅でのんびり過ごす。

連休前半は広島から兄が遊びにきてくれた。ほとんど子供と遊ぶのが目当てのようなもの。これといった観光をするわけでもなく、連休直前の金曜日の夕方から3泊4日間を横浜で過ごしていった。

近所の森林公園にお弁当を持って出かけたり、山下公園から馬車道を歩いたり、元町の沖縄料理屋でロフトに陣取って4人で食事+呑みを楽しんだりした。葉月というロフト付きのなかなかいいお店だった。

料理はおいしいしハッピーアワーなら1500円でいろいろなお酒が飲み放題になる。僕はオリオン生ビールを3杯飲んだあと、泡盛の古酒をロックで頼んだのだが、自宅でコーラを飲む様な感覚で、角氷が5、6個入ったデュラレックスのタンブラーに、泡盛がすり切り一杯並々と注がれている。これには兄もびっくりですぐさま追加注文して大満足だった。

料理はどれもおいしくて次々と注文。授乳中でお酒が飲めない妻はここぞとばかりにソーキそばにソーキ焼きそば、さらにはお店特製のアップルパイまでしっかりがっつり楽しんでいた。

さほど広くないがロフトを一番喜んだのは妻と子供だった。最初のうちはご飯を食べさせてもらいながらおとなしくしていたが、宴がのってくるとテーブルを端に寄せて半分を空けたスペースで、お店のロゴが入った紙製のコースターをあちらこちらに隠したりしながら、楽しそうにはしゃいでいた。

兄が帰る日、お昼を外で食べて帰ろうと、期間中一度も行かなかった中華料理を食べることになった。僕が思いついたのは、桜木町の新雅。ここは独身時代からちょくちょくお世話になっているお店だが、横浜に再び越してきてからは初めて訪れた。

お店は空いていたが、奥のお座敷を使えないかとお願いすると快く通してくれた。ここは12畳の広さで、大きな中華円卓が2つ置いてある。当然僕ら4人の貸し切り状態だった。お座敷の存在を知らなかった妻は驚いて、子供と一緒にまた喜んだ。

このお店も何を頼んでも美味しいお店。野菜炒めに名物の巻き揚げ、餃子、大盛りチャーハンにネギそば、どれも素晴らしい味である。子供は中華円卓の回転するテーブルに気づいてしばらくそれをまわしながら室内を走り回っていたが、やがて疲れて眠ってしまった。

せっかく居心地がいい部屋で子供も寝たので、ここでゆっくりしようということになり、杏仁豆腐を追加で注文。結局2時間近く居座ってしまった。混雑する中華街で下手な店に入るよりよっぽど満足できた。

お店を出て間もなく兄は出発の時間になり、桜木町でお別れした。子供には何度か会っているのと、兄自身子育ての経験もある(いまは事情あって別々に暮らしている)ので、よく面倒を看てくれたし子供もなついているようだった。その意味でも妻も僕も助かった面もあり感謝である。

お座敷で寛ぐというとどこか贅沢なイメージがあるが、捜せば普通のお店でも似た様なスペースを持っているところは多い。妻も子供も喜ぶのならそういうお店をいろいろチェックしておくのもいいものだと思った。