6/26/2011

アピる?

この週末はいくぶん気温は下がったものの蒸し暑さは相変わらずだった。日曜日の今日は横浜では午後から霧が立ちこめ、みなとみらいあたりからいつもならよく見えるベイブリッジの姿が、まったく見えないほどになった。

土曜日は妻がママ友達と元町の人気フレンチ店でランチ会をするというので、僕は子どもと5、6時間ほどお留守番になった。せっかくの機会だから2人で出かけて外で食べたかったのだが、わざわざ妻が昼飯を用意してくれたので、それを食べるところからお留守番は始まった。

最初はこのめずらしい状況を嬉しそうに食べていたのだが、だんだん興がのったとみえて(もちろん悪気はないのだと思う、たぶん)いきなりみそ汁入りのお椀をひっくり返したところで僕が声をあげて叱ってしまい、子どもは大泣きしてそこでランチは終わった。

まあ食事時には相変わらずよくあることなのだが、どうも食べ物を粗末にする行為には感情が昂るのをおさえきれない。

拗ねる子どもを放置して黙々と後片付けをし、その間に気持ちを切り替えて、片付けが終わったらまた優しく子どもに接した。子どもの方はもうケロッとしたもので、すぐにまたなんだかんだと甘えてくる。

お気に入りの「あんぱんまん」の絵本(作者が初心で書いた原作〜ご存じない方は是非)を読んであげると、当然のようにアンコールが起こる。覚悟しながらもう一回読むと、予想通りまたアンコールである。

ちなみにうちの子は、アンコールをせがむときは「アピる?」と言う。これは妻や僕が「もういっぺんやる?」といったのを耳で覚えて発音しているというのがわが家の結論となっている。何かをやって気に入ると「アピる?」。再びやってまた「アピる?」。

3回目あたりが大抵はいろいろな意味でのわかれ目となる。やんわりと断ったところで大人しく聞き入れられることもあれば、「うわぁ〜ん、アピるよぉ〜」と泣きながら、引きずられて退場となることもしばしばである。

さて、今回の読み聞かせでは、案の定2回目のアンコールが出たので、僕はちょっと作戦を変えて「それだったら、あんぱん食べに行こうか?」と問うてみた。

子どもは一瞬僕の言ったことを分析し、結果、どうやらその意味を理解したらしく、急に期待に目線を輝かせながら嬉しそうに「うん!」と言った。この瞬間、みそ汁事件の苦い記憶はそれぞれの脳裏から消え去った(と思われる)。

さっそく2人で近くのコンビニまでお出かけ。ちょうど夜呑む酒を買いにいかなければならなかった。

外に出ると表で遊んでいた近所の子ども達にどこに行くのかたずねられ、事情を話すと「うふふ」とか「あはは」とか言う反応が返って来た。この子達もやっぱりあんぱんまんが元々どういうお話だったのかは知っているのだろうか。

コンビニであんぱんと酒を買った。子どもは最初あんぱんに顔がないのを不思議がっていたが、うれしそうだった。どこか外で食べることになってもいいように、お茶を持って出かけていたのだが、曇り空が急に暗くなり始めていたので、結局家に帰ることにした

その代わりに少し遠回りして家に帰ったのだが、途中、他所のお宅の玄関にある花に蜜を吸いに来たアゲハチョウをおそるおそる観察したり(至近距離で観察中、最初にチョウが飛びあがったときうちの子はちょっと逃げた)、根岸線のトンネルのすぐ上の道から金網越しに山手駅を発着する電車群を、大迫力のアングルで眺めたりしながら、休み休みゆっくり歩いて帰った。

家に帰って手を洗い、すぐにあんぱんを食べることにした。先ずはまるまる1個のあんぱんを手に持たせて、物語と同じ様に子どもにかぶりつかせてあげた。「う〜ん!」と満足そうに首を左右に振っていたが、よく見るとまだかぶりがあんこに届いていなかった。

どうしようかと思ったが、結局そこから先は仲良く半分ずつにして食べた。案の定、最後の方はまた食べ急いで口の中がいっぱいになり、結局、口から出すことになったのだが、今回は「もう、お口にいれ過ぎたらダメだよ」と軽く流した。このあたり、そろそろ身体で学んで欲しいところではあるが。

まあ、そんなこんなでお留守番は無事に終わり、午後6時前にはフランス料理とワインとおしゃべりを堪能した妻も帰って来て、まあ今日は家族2人にサービスできたかなあと思える1日になった。心地よい疲れを癒すべく、さっき買ったハイボール缶を呑みながらのんびりさせてもらった。いい週末でした。

6/19/2011

査定結果、バジル、ミント

先に売りに出したCDの査定結果が返って来た。195点でおよそ8万5千円程度という結果。それなりに名盤揃いだし、評論家が書籍等で大絶賛のものあり、ほぼ納得のいく内容だった。

僕が考える内容でのオーディオ環境の改善には十分な金額だが、たまたまその方面に詳しい兄とスカイプでそんな話をしたら、もうしばらく待つと、より便利な製品が期待できるとかいわれてしまい、まあ慌てることもないかなと思った次第。

相変わらずお天気はぐずつき気味で、この週末も朝のウォーキングはできなかった。先週水曜日に早起きして、近所の森林公園を30分ほど回っていたのが幸いだった。やっぱり早起きはいい。

バルコニーのコンテナに妻が植えたバジルの葉がどんどん繁って来るので、土曜日にまとめて40枚ほど収穫して、はじめてバジルソースを作ってみた。すり鉢で擦るのが思いのほか大変だったのと、松の実がなかったので柿の種に入っていたピーナツを代用する想定外はあったが、なかなか美味しいソースが出来上がった。また新しいレパートリーが増えた。

ハーブついでに書いておくと、家を建てた時にガーデンコーディネータの人が、庭先の小さな植え込みにアップルミントを植えてくれていたのだが、それがかなり繁殖して来た。あまりにも激しいので少し調べてみたところ、どうもミントを地植えするのはあまり好ましいことではないことがわかった。繁殖力の強い根が地中に茂って、他の植物にも影響を与えかねないようだ。

当面は見つけては引っこ抜く作業を続けるとして、やはりいったん一掃するために何か化学的な方法に頼らざるを得ないのかなと思っている。こういうことはそれなりの知識が必要なんだなあとあらためて感じている。

7月までいろいろと慌ただしい状況がつづくので、ちょっと気が重い。何とか気持ちを切り替えたいのだが、そのタイミングやどの次元で切り替えるべきかとか、どうにもすっきりできない状況が続くばかりである。

気がつけばもうかれこれ2年以上こんな感じが続いている様に思う。梅雨明けと同時になんとかしたいものなのだが。

6/12/2011

グールーを偲んで

前回、CDを整理したことを書いた。そこそこ大掛かりな作業だったが、自分がこれまでに買ったいろいろなものを順不同に手に取ることになるので、時代が過去25年程の間を行ったり来たりして、そのことに何か不思議な興奮をおぼえていた様に思う。

今回はジャズばかりを整理していたつもりだったのが、引越し時に箱にまとめた時に紛れ込んだのか、ラップのギャングスターのCDが出て来て、僕の脳裏のなかには突然にして、DJ Premierの軽快なリズムとGuruのラップで満たされた。と、それまでの流れ作業から僕の頭は勝手に、このCDを処分するか否かの判定を勝手に始めていた。

自分にとってある段階で選りすぐられたものばかり残されていたのだが、今回は逆によほどの思い入れが無い限りはと腹をくくってかなりさばさばと判断を出していたので、結論は意外にも早く出た。ギャングスターの作品は僕にとってはまだしばらく手元に残しておきたい音楽だということ。

僕とギャングスターの出会いについては、このろぐをはじめて間もない頃に書いてたとおり。もう15年程前のことだ。一時期、ジャズよりも入れ込んでいたテクノやヒップホップ、ハウス等の音楽だが、最近はほとんど耳にすることはない。それでも彼等の音楽は数少ない例外である。その意味では7年前のろぐで書いた思いに少しも変わるところはない。やっぱり「本物だけが持つ魅力」というのは本当にあるのだ。

ところで、そう言えば最近彼等はどうしているのか、何か新しい作品を出してるのだろうかと、少し気になってネットで調べてみたところ、なんとラップのグールーが昨年4月に心臓発作で他界していたことを知った。まったく気がつかなかった。

ということで、CDの整理を終えた後に、遅ればせながら急遽グールーを追悼する意味で、彼等の手持ちCDを出して来て、順番にじっくり聴いてみた。もちろんiPodにも入れて仕事の行き帰りにもしっかりと。

ベスト盤を兼ねた2枚組"Full Clip"もあるが、やっぱり僕としては"Daily Operation"と"Moment of Truth"の2つをおススメしておきたい。前者のベストテイクは13曲目の"The Illest Brother"、後者のは8曲目のアルバムタイトル曲だ。

いずれもグールーのラップが凄まじく冴え渡り、プレミアの作り出すリズムもご機嫌だ。"Moment of Truth"の直前にグールーの留守電に恋人達から寄せられた(?)メッセージが並ぶ件も面白い(因みにそのなかで最後の女性が発するメッセージにこのタイトルがある)。

46歳の中年男がさほど面白くもない仕事に通う電車のなかで、ギャングスターを聴きながら頭を軽く揺さぶる。悪くない光景ではないか。

6/05/2011

CD整理

この10日間ほどは、歯を抜いたからと言って悲観に暮れているどころではなかった。仕事が忙しかったのかと言えばもちろんそういうことではない。実はまた大量にCDを処分を行うことになりその整理に明け暮れたのだ。もちろんディスクユニオンの買取キャンペーンがあったから。

今回はジャズを中心にかなり大胆に整理して、およそ200点弱を処分することに決めた。なかにはかつてこのろぐでご紹介したものもある。しかし考え抜いたあげくに出した結論である。

200点というのは自分でもかなり思い切ったことだなあと感じる。何を処分して何を残したかはとても詳細には書けないが、あるアーチストについて本当に手元に置きたい作品、僕にとっての銘盤だけを残して、それ以外は処分するというのが基本方針だった。なので、今回はコルトレーンやマイルス、それにキースやスティーブ(=コールマン)といった、これまでにかなり入れ込んで来たアーチストの作品もそれなりに含まれている。

例えば、(ジャッキー=)マクリーンの作品については、ブルーノート後期の3作品"Let Freedom Ring"、"Demon's Dance"、そして"New and Old Gospel"だけが残り、それ以外は売りに出してしまった。とまあ、こんな感じである。

ブルーノート以外にも、プレスティッジやコンテンポラリーなどの1950年代に録音された作品はかなり処分したと思う。お気に入りであるECMやフリー系のものでも、やはり「これはもう」といまの時点で感じたものは潔く処分した。はっきりとは数えていないが手元にあるジャズ関連のCDは5〜600枚程度になったのではないかと思う。

この勢いで、クラシック関係とロックなどポピュラー系にも手をつけて、次のキャンペーンで処分しようと思う。予定では、手元に残るのは1000点を切ることになるはずだ。

処分結果がいくらになるのかはもうしばらくしないとわからないが、できれば自宅のAV環境をデジタル化する資金にしたいと考えている。音楽や映像、書籍等のデジタル化に対応して少し手元のパッケージを身軽にしようと考えた次第である。

もちろん、これからもまだ時折CDを買うこともあるだろう。最近も聴いてみたい作品はいくつもあるが、いままで以上にダウンロードで入手できるのであれば、極力そちらを優先していこうと考えている。

それにしても、先にあげたマクリーンの3作品をまとめてアマゾンのMP3ダウンロードで買っても、たった1750円である。いい時代になりましたなあ。

抜歯

先週の月曜日に生まれてはじめて歯を抜いた。

20年ほど前に虫歯の治療から神経を抜いてしまっていた歯である。かかりつけの歯医者の方針でできるだけ抜かずに、使える部分を残していこうということでやってきた。それが連休前あたりから少し違和感を感じる様になった。

診てもらうと開口一番「ああ、とうとう根元が折れちゃいましたね〜」と残念そうな顔で宣告があった。これはもう抜くしかないということと、抜いた後にどういう処置をしてゆくかを、傷口が塞がるまでの3ヶ月ほどの間に考える必要があるということを告げられた。基本的には、部分入れ歯、ブリッジ、インプラント(人工歯根)の3つから選ぶことになる。

しばらくご無沙汰していた北海道で歯医者を開業している幼馴染みに、スカイプで意見を求めたり、過去に抜歯の経験を持つ妻の話を聞いてみたりする。おそらく神経を抜いたからだと思うが、ともかくその時点に至っても、歯に隙間ができた様な違和感があるだけで、痛みはまったくなかった。それが幸いだった。

風邪で熱が出たりしたおかげで少し予定を延ばしてきたのだが、とうとう先の月曜日にそれを実施することになった。医者の方もどの程度の作業になるのかは「やってみなければわからない」とのことだったが、これまでの経緯やレントゲンの状況からみて比較的軽く考えているのだろうというのは明らかだった。

麻酔の浸透に10〜15分くらいかけてから処置にかかったが、予想通り、抜くというよりも砕けた破片をほじくり出すという感じの作業で、それ自体はものの10分もしないうちに終わってしまった。見せてもらうと大きな金属の被せものと、米粒大のかなりもろく汚れた感じの歯の破片が4粒程度トレーの上に置いてあった。痛みはほとんどなかった。

抜いた跡の穴にカーゼを詰めてもらい、抗生物質と痛み止めの薬をもらい帰宅。さすがに帰り道に麻酔が切れてくると少し鈍痛がした。帰ってカーゼを捨てて口を濯ぐとやはり血が出る。こんな状況でご飯を食べて大丈夫なのかなと思ったが、妻が作ってくれた親子丼はあっさり完食だった。

翌日からは痛み止めの薬もほとんど要らないくらいになり、抗生物質だけは飲み続けたが、その夜からは(本来は禁酒日の火曜だったのだが)残っていた焼酎を呑み、その後は飛び石で夜の宴席が続いた。いまはすっかり落ち着いている。大事に至らなくてよかった。

しかし、この後の処置を考えると少々気が重い。いい処置をしてもらおうとすると結構費用がかかってしまうし、それなりの工数もかかるようだ。まあしばらく悩むことにする。

先週買った芋焼酎だが、大衆向けの安いものなので、何かいい呑み方はないかなと考えて、熱燗でやるのがよいということを発見した。普通に1合の徳利にいれてレンジで1分チンすると、ちょうどいい加減に燗焼酎になる。これが結構気に入ったので、結局昨日もまた本牧で安い芋焼酎を1本買ってしまった。なかなかイケますよ、これ。

しかし、奥歯が1本無いって妙な感覚ですね。