落ち着くところがない空虚な洞をこころに残したまま春を迎え、年度が変わろうとしている。
子どもはしっかりと幼稚園の年中さんを終えた。レゴを組み立てたり、スイミング教室の春休み教室に参加したり、遠目に傍目に子どもの表情や仕種を眺めていても、しっかりと成長してくれていることを感じる。
一方で僕は何らの手応えもないまま仕事で新しい年度を迎えることに。家を離れて仕事場に向かうと急に空気が薄くなったように自分の存在が希薄になる。慌てて呼吸量を落としてボンベをつける。だけど時間は長くは持たない。
仕事場に向かう、あるいはそこから帰る際に極大化するこころの洞を、ちょうどいい塩梅にジョン=ケージのピアノ音楽が静かに鳴り響いてくれて、その空間の虚しさを浄化してくれている様に感じる。
"As It Is"は非常に優れたケージ作品集。ピアノとヴォイスための作品のみだけど、絶妙の選曲とパフォーマンスはさながら優れた映像を観ているようなしっかりとした感想を残してくれる。
日の出がずいぶん早くなった。平日早々に出勤する時間でも現れたばかりの朝日を見る様になった。休日朝の大さん橋からも日が昇る様を眺める様になった。日は何度も繰り返し、照らす先にあるいろいろなものを都度諭し、勇め、促す。
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