このところ音楽の話題がやや少ないと思われる方もいらっしゃるかもしれない。しかし、音楽を聴くのに費やす時間やCDの購入はまったく変わることはない。内容は、先のろぐで書いた通り、もう「即興三昧」の毎日である。今回のその生態を簡単に。
まずはベースの新アイドル、ピーター=コウォルド。残念ながら既に故人となってしまったが、幸いいくつかのレーベルに録音が遺されていて、入手がかなり困難な状況ではあるものの、いろいろな方のご厚意もいただきながらせっせと音源を聴きあさっている。
既にレーベルが消滅した(模様だ)free elephantレーベルのベースデュオ作品"Deep Music"、およびソロ作品"Silence and Flies"はいずれも素晴らしい出来。加えて、VictoレーベルにおけるWilliam Parkerとのベースデュオ作品"The Victoriaville Tape"は特に素晴らしい作品であった。
続いて、大御所アンソニー=ブラクストンのソロ作品。"For Alto"を数回聴き返したことでまたまた火がついてしまい、手持ちの他のソロ作品では飽き足らず(For Altoの出来がスゴすぎるので無理もないが)、ウェブ上のレビューなどを参考にしながら、手を出したのがGolden Years of Newレーベルの"Solo (Pisa) 1982"。
文字通りの実況録音盤であるが、おそらく屋外の演奏会場と思われ、観客の赤ちゃんの泣き声や、パトカーのサイレンなどのハプニングを気にしながらも、オリジナル曲に"You Go To My Head"や"Round Midnight"などのスタンダードを交えながら、とんとんと進行するパフォーマンスは圧巻である。
ラストのアンコール"Giant Steps"がまた素晴らしく、演奏後に同曲のテーマを唄いながら熱烈にアンコールを求め続ける観客達の様子が延々と収録されていて微笑ましい。
そして、即興即興と聴いているうちに再び扉を開けてしまったのが、パイプオルガンの音楽。5年前の2006年の初春のろぐをご覧いただければ、当時僕が初めてオルガンに開眼(というか開耳)したことが書かれているが、その時以来、久々にまとめてティエリ=エスケシュをはじめとするオルガン即興作品をじっくり聴いている。
これまたあらためて素晴らしく、そして凄まじい音楽。当時も書いた記憶があるが、さながら1人の演奏者が即興でオーケストラを自在に操っているかのようにうずまく音の力は、もはや同じ鍵盤楽器でもピアノによる即興など比較にならない重厚さだ。
残念ながら現在は当時以上にかなり入手が難しくなっているようだ。代わりにいくつかの新録がCDやダウンロードの形で出されている様で、僕も思わずCDに手を出してしまい、手元に届くのを心待ちにしている。
とまあ、即興中心に音楽を聴くというだけでも、この1ヶ月ほどはこの様な有様である。当面はこうした即興音楽の大洋にどっぷりとダイヴしてみたい。
こうした興奮の一部が体験できる作品は以下の3枚である。ご興味あればどうぞ!
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