11/08/2009

近場で過ごしてトニーを観る

インフルエンザがかなり身近に迫っている。会社では本人だけでなく家族が感染した場合も、出勤を見合わせる規則になっているのだが、先週は僕の職場だけでも5人がそれでお休みとなってしまった。いずれもお子さんが感染してしまったケースがほとんどである。

僕たち大人は満員電車に乗ろうがオフィスで初対面の人たちと長時間会議をしようが、意外に感染することはないようにも思える。やはりそれなりの抵抗力があるということなのだろうか。わが家では子供はもちろん心配だが、妻が感染したとなるとそれはまた一大事である。

そんな状況なので、週末は人ごみを避けてもっぱら家の近所で過ごすことにした。土曜日は近所の森林公園にポットでコーヒーを持参し、途中で公園近くのパン屋で菓子パンを買って、園内の広い芝生にマットを敷いて3人で食べた(子供はまだ見ているだけなのだが)。日曜日の今日も山手駅前商店街の「やまて食堂」でお昼を食べて、帰りにスーパーで買い物をして早々と自宅に戻ってきた。

「会うたびにいろんなところがしっかりしてくるね」と食堂のおばさんが声をかけてくれた。店内のテレビでは「NHKのど自慢」が流れていた。初めて食べたハンバーグ定食はとても美味しかった。どのメニューも本当に完成されている。

僕は夕方になってウォーキングに出かけた。本牧市民公園から三渓園方面を回って山頂公園を経て戻るという1時間と少し約1万歩のコースになった。ブラブラ歩くのも楽しいが、ランニングのウェアに着替えて両手を振って早足に歩くのは、それなりの運動になる。僕にとっては1万歩くらいが心地よい疲れが感じられるようだ。

本牧市民公園から海側は本牧の港湾エリアである。僕はまだそこに足を踏み入れたことはない。今回初めてその近くまで行ってみたのだが、いま住んでいる場所とはまた異なる港街の姿がそこにあるように感じられた。いずれまたゆっくり散策してみたいと思っている。

帰ってみるとHMVから荷物が届いていた。この店はネット通販の初期に嫌な思いをしたこともあってほとんど利用していないのだが、今回はどうしてもこの店以外で扱っているところが見つからなかったので、しかたなくそこで注文したのである。

届いたのはトニー=ウィリアムスが1989年に自己のグループで行ったスタジオライヴを収録したDVD。"Jazz Door"というテレビで放映された映像などをDVD化して販売している(おそらくは)海賊レーベルのものだ。

ここに収録された映像はパイオニアがレーザーディスク用のコンテンツとして制作したもので、おそらくは過去に一度そのフォーマットで商品化されたものだと思う。DVDに収録された映像はVHSテープレベルのもので音も特段優れているわけではない。以前にご紹介した新生ブルーノートレーベルでの作品から7曲が1時間弱のライヴ演奏になって収録されている。

トニーほどの大物となると映像作品などはいくらでもありそうなものなのだが、パッケージ化されたものとなると意外にもそれは少ない。しかも、1960年代後半のマイルスグループのものや、1980年代前半のハンコック等とのコラボレーション(V.S.O.P.など)のものがほとんどであり、特にこの時期の作品となるとパッケージ化されたものはほとんどないといっていい。

もっとも最近ではYouTube等に多数の映像が掲載されているので、そういう意味では時代の変化を痛烈に感じる。本作品の映像もYouTubeにちゃっかりアップされている。


このDVDが発売されたことを知った時は、ブートであることはわかっていてもどうしても観てみたいと思った。しかし、ちょっと忙しさにかまけているといつの間にかほとんどのお店で在庫切れとなっていた。レーベルのウェブサイトは(当たり前だが)なく直販もないあたりはいかにもである。それがたまたま(マニアの少ない?)HMVで売れ残っていたというわけだ。

夕方に妻が子供と僕らの食事を用意してくれている間、子供の面倒をみながら鑑賞させてもらった。映し出されるのはまぎれもないあの頃のトニーである。トレードマークになっている黄色のグレッチのセットを力強く打ち鳴らす姿は素晴らしい。

収録用に設定されたスタジオライヴなので、野外フェスの様な恐るべき激しさはやや控えめになっているが、全編を当時のオリジナルナンバーでしっかりと聴かせてくれる。メンバーもマルグリューやウォレスをはじめ勢揃いである。画質や音質が悪くても満足できる内容だった。

子供はトランペットのかん高い咆哮やドラムの激しい連打に反応するようで、画面を見ながら時折得意の(?)ハスキー笑いをあげて喜んでいた。

この日の夜ご飯は、初めて3人で一緒にテーブルで食べた。妻と僕が食事をしながら代わる代わる子供にも食べさせ、楽しい食事となった。

(右に顔だけ映っている僕が左手にカメラを持って撮影しました)

0 件のコメント: