子供が産まれて1週間。母子揃って退院の日がやってきた。自宅に近い病院なので、入院中はほぼ毎日会社帰りに立ち寄って、2人の様子を見に行った。妻は産後の治療に並行して、さっそく子供の面倒を看なければならないから大変である。
あわただしく7日間が過ぎ、ミルクととびきりの泣き声を交互に繰り返す子供の顔にも、少しずつ表情が出てきた。少しずつ開いてきた瞳には何が映っているのだろうか。
退院の日、新しい家族を迎え入れるために、部屋をきれいに掃除したり子供の寝具を用意したり、部屋を暖めたりと、いろいろやらなければいけないことがあってそれだけで目が回ったが、やはり気持ちはうれしいものである。帰宅前に病院でたっぷりミルクを飲ませてもらったおかげで、子供は珍しくすやすや眠っていた。
広島から妻の両親もやってきてくれ、5人でタクシーに乗ってアパートまで帰ることにした。荷物をまとめて会計を済ませていよいよご帰宅である。3月下旬にしては寒い日だった。自宅は25度近くある病院の中とはずいぶん違うので、それが心配だったのだが、毛布や布団をしっかり用意してあったので、子供は車中から眠ったまま我が家に到着した。
しばらく義母が一緒に泊まってくれて、少しお手伝いをしてくれることになり、4人での新しい生活が始まったところである。僕もミルクの作り方や飲ませ方を教えてもらったり、一緒にお風呂に入れるのを手伝ったりしている。できる限りは自分も同じように子供の面倒を看てあげたい。
子供の名前は、少し前から妻と2人で考えてきたものに落ち着いた。特に深い意味を込めるでもなく、自分たちが尊敬する人の名前から字をもらい、あとは語感から判断してしっくりくる響きを考えた。自分たちを含め近しい人の名前から字をもらったり、苗字との間に意味的なつながりもたせたりするのは、あまり好みではない。
さて、そんな状況なのでなかなか音楽を聴く暇もないのだが、新しい家族が加わったお祝いの意味もかねて、産まれる少し前に相次いで到着したCDのなかから、とびきりの演奏を捧げてみたい。ブランフォードの新作"Metamorphosen"である。
メンバーは、カルデラッツォ、レーヴィス、ワッツからなる不動のクァルテット。今回も凄い内容である。冒頭の"The Return of the Jitney Man"からしてもう興奮がとまらないが、現時点でのベストテイクは、レーヴィスのベースソロ"And Then, He Was Gone"とそれに続くワッツの作品"Samo"である。これはもうただただ唸り続けるばかりの内容である。まだ3月だが早くも今年のベストアルバムはこれだとの予感である。
子供の表情や反応、鳴き声の音色などはどんどん変容してゆく。これからしばらくはいままでとはかなり異なる生活のパターンになるだろう。ろぐの更新は引き続き頑張って行きたいと思う。
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