4/01/2006

フラメンコライヴ@恵比寿

3夜連続ライヴの3回目。3月26日の夜に恵比寿のタブラオ「サラ・アンダルーサ」で観た、フラメンコのライヴについて。

今回のショーは、本場スペインから男性3人のユニット(カンテ、ギターラ、バイレ)を迎え、そこに日本人の女性バイレ7人が共演するという企画。ちなみにカンテは歌とパルマ(手拍子)を担当し、ユニット全体の指揮を執る人。ギターラはギター、バイレとはダンサーのことである。

このイヴェントを観に行くことになったのは、僕の妻の職場の同僚が、その7人の女性バイレの1人だったことから、彼女からお誘いを受けたことがきっかけだった。

フラメンコは以前から好きだった。昔のちょっとした縁で、単に聴くだけでなく、その音楽がどのような構成になっているかとか、ギター奏法のちょっとしたテクニックなどについて、多少の知識がある。

基本的にフラメンコはジャズと同様、アドリブの音楽である。アレグリアとかセビジャーナスといったコンパス(リズムパターン)があり、そのガイドラインを提示するのがパルマの役割。それを元にギターラがリズムとコードを刻み、そのうえで一定のスタイルを元にした節回しにのせてカンテが詠われる。そしてそれらにあわせてバイレが自由にステップを刻む。ここまでが音楽的要素であって、そのステップを踏む様にあわせて上半身の動きで曲全体のインスピレーションを表現するのが、バイレの芸術だ。

すべての基準はコンパスにあって、それぞれの要素は共通のコンパスを意識しつつ互いの表現に触発し合いながら、全体としての表現を形成する。その意味では、ジャズに通じる部分が極めて大きい芸術ということになる。

今回はやはりスペインからやって来た3人の芸術が圧倒的であった。ギターラのパコ=イグレシアスが繰り出す見事な演奏に、僕の耳は釘付けになってしまった。時折短いソロ演奏も交えるのだが、その音楽性はもはや伴奏者という域を超えていた。おそらくはパコ=デ=ルシアの様に、単独のギター奏者としても活躍しているのだろう。

そして、バイレのダヴィ=パニアグア。彼はあまり長いバイラオールはやらなかったが、その表現はやはり圧倒的だった。特にステップのダイナミズムと細やかさは、存分に聴かせ魅せてくれた。日本人7人ももちろん素晴らしかったが、そこはやはりスケールが違う。こういう場合、僕なんかは女性に見とれたりしてしまいがちなのだが、今回ばかりは、ダヴィの踊りにすっかり魅了されてしまった。

僕には踊りは到底無理なので、やってみるとしたらやっぱりギターラかな。しかしこの歳ではじめるには、もう手首がついて行かないかもしれない。何しろあの動きはいわゆるスラップベースの比ではないから。でもやっぱりカッコいいなあ。

というわけで、時間をさかのぼってご紹介してきた3夜連続ライヴ鑑賞記は、これでおしまいである。いま振返ってみると本当に充実した3日間だった。やはりなんであれ音楽はライヴが大切だなあということを、再確認したように思う。

今週は、「カラマーゾフの兄弟」を通勤の途上で少しずつ読み始めているので、iPodはお休みである。ようやく上巻の半分くらいまで来た。やっぱり映画よりも遥かに繊細に物語が描き込まれており、読み応えは十分。でもやはり先に映画を観ておいてよかった。新聞の連載を読むつもりで、無理せず少しずつ読み進めて行こうと思う。

花冷えといいつつも、4月に入り、すっかり春。今日は桜でも観に行こうか。

フラメンコのイベリア 今回のイベントを企画したフラメンコ専門の事務所

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