1/01/2005

ブランフォード=マルサリス「ア ラブ サプリーム ライヴ」

  新年、あけましておめでとうございます。本年もえぬろぐをよろしくお願いします。

 ページデザインを一新した。動画を使用するのは以前からやってみたいと考えていたが、今回が初めての試みである(動画が見れない人はアップルのサイトからQuickTimeをインストールしてください)。これからも出来るだけ、見やすさと読みやすさを意識してやって行きたいと思う。何か不具合や不都合があれば、メールでご一報いただければ幸いである。

 本当は年内は大掃除のつもりでページデザインの更新だけをやって、新しいろぐは新春早々に書くつもりだったのだが、2004年最後の日曜日に入手した超強力DVDにハマってしまい、とうとう我慢できなくなってしまった。おまけに今日(12/29)は東京で雪が降り、外に出かけるのが億劫になってしまった。というわけで、歳末に新年気分で年賀状を書くのと同じ要領で(?)、新春第一弾のろぐを書いてしまうことにした。

 先のろぐで紹介したブランフォード=マルサリスが、コルトレーンの「A Love Supreme(至上の愛)」全編のライブ演奏を収録したDVDをとうとう入手した。僕は買ったその夜に2回観て、以降3夜続けてウィスキー片手にこの作品を見続けた。ブランフォードは2001年のスタジオ録音でこの作品を演奏しているが、今回の演奏はその内容をはるかに上回るものになっている。全編を通して繰り広げられるブランフォードとカルデラッツオの壮絶なソロ演奏、そしてそれを激しく煽り立てるワッツとレヴィス、まさに炎のごとく燃え上がるクァルテットである。これこそが僕にとってのジャズの醍醐味だ。

 この作品のリリースに対しては、様々な意見があるだろうと思う。ストレートに演奏内容を賞賛するもの、コルトレーンの再来とか復活などと騒ぐもの、いまさらコルトレーンかよと呆れるもの、等々である。僕自身は、この作品がこの時期にリリースされる意味にはとても重要なものがあると考えている。ブランフォードの演奏は、決して古い「モダンジャズ」ではない、それ以降これまでの様々な音楽の存在が随所に垣間見える内容であり、同じことは他の3人のスタイルにもそのまま当てはまるだろう。これはまぎれもなく21世紀の音楽なのである。

 オリジナリティと言いながら、実際にはオーケストラとかソロとか単に編成を変えただけのものや、安易に他のジャンルとのクロスオーヴァーを試みただけのものが溢れかえった、1980〜90年代ジャズの状況を考えれば、たとえリメイクの作品であるとはいえ、この作品の独自性や重みには抜群の存在感がある。ましてや、その時代にリメイク作品を演奏することを拒否し続けてきたブランフォードのこれまでを考えると、彼の想いがいっそう重みを持ってくるように感じられる。いままでいろいろと音楽を聴いてきた僕の直感だが、コルトレーンのオリジナル演奏に匹敵する影響力をこの作品は持つことになると思う。

 コルトレーンを聴いたことがない人、そして「至上の愛」を聴いたことがないという人が、先ずこの作品を最初に聞くということは全く持ってアリだと思う。とにかく映像付きという贅沢なこのコンテンツから、この作品の緻密さと繊細さ、そしてこのクァルテットの演奏の迫力を直に感じ取ってもらいたい。

 ところで、僕はこの輸入盤DVDを渋谷のディスクユニオンの店頭で見つけ、買う前に日本のDVDプレイヤで再生できるのかどうか確認したところ、店員さんがOKだと言ってくれた。もちろん実際に再生しても何ら問題はない。ひとつあるとすれば、DVDに付録のインタビュー等で字幕が出ないことだが、まあなくても大体の内容はわかるし、インタビューは1回観たらしばらくは観ないと思うので問題はない。ちなみにこのインタビューにはマイケル=ブレッカーも出演している。

 ろぐの冒頭にあるジャケット写真は、アマゾンで扱っている輸入DVDにリンクをはってある。そこの商品説明にはなぜか「このDVDは日本国内のDVDプレーヤでは再生できません」の記述があるのだが、おそらく問題はないだろうと思う。どうしても気になるという人は、可哀相だが2月に予定されている国内盤の発売まで待つしかないだろう。ただしこちらには輸入盤にはあるライブ演奏を収録したCDは付かないらしい。それにしても、このタイミングの遅れといい、価格差といい、サービスの悪さといい、何とかならんものなのか。DVDはもともと複数の外国語の字幕を収録できる仕様になっているのではなかったのか。

 そんなことはおいといて、ともかくこの作品は新春早々にご紹介するものとしてはまったくオメデタイ超強力盤である。あなたもテレビの前で目をむきながら、身体を揺すり、ソロが終わる度に拍手をして、うなり声をあげることはほぼ確実である。ビールやワインではなく是非ともウィスキーをご用意されることをお勧めします。必見!

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