9/04/2016

デレク・ベイリーとスティーヴ・コールマン

先週は週末にちょっと体調を崩してしまい、ろぐはお休みさせていただきました。すいません。

さて今回は音楽のお話しでしたね。この1ヶ月ほどでヘビロテで聴いているのは、デレク・ベイリー、そして久々のカムバックとなるスティーブ・コールマンなのであります。

デレクについては以前から評判を聞いていた1975年のソロアルバム"Improvisation"を偶然耳にしたのがきっかけ。フルアルバムの音源は以下にあります。



デレクはソロアルバムを数多く残してますが、確かにこの演奏はそれらの中でも強く惹きつけられるものがあるように感じられます。

何がどうと言えるものではありませんが、このパフォーマンスを行った当時のデレクの状態が、この成果を生んだというしかありません。

その記録がこのように残され、デレク亡き後もそれがいまこういう形で人間の世の中で共有されているということが現実です。

僕はこれを聴き、再びまたデレクの手持ちの作品に向かい合うことで、あらためて彼のことをすごいと思うようになりました。

晩年に彼が発表したスタンダード集"Ballads"は彼を知るにはよさそうな作品ですが、もしかしたら一番最後に聴くべき作品なのかなと思ったりもします。これについてはまたいつか。


さて、デレクを聴くうちにその一方にニョキニョキと出てきた渇望が今回はスティーヴに向くことになりました。

最新アルバム"Synovial Joints"は素晴らしい作品ですが、”Invisible Paths: First Scattering”に続くPI Recordingsからリリースされている一連の作品を聴くに、彼が新しい時代の頂点を迎えつつあることがよくわかります。

前にも書いたと思うけど、彼との衝撃的な出会いとなった"Resistance is futile"に始まるLabel Blue時代は、作品を経るに従って音楽構造の難しさばかりが耳について、ストレートに楽しめなくなっていました。

それが"Invisible Paths"でソロとして再出発したのちに何かがリセットされたように、新しいスティーヴの世界がPI Recordingsの作品を通じて再構築されていったように感じます。

最も親しみやすいのはクァルテット(一部クィンテット)という比較的小規模な編成による大傑作"Functional Arrhythmias"だと思います。ちなみにこのタイトル名は「機能的不整脈」という意味です、うーん(笑)...。

このクァルテットによるスゴい演奏記録がYouTubeにあります。これは必見です!



Anthony Tiddのベース、Sean Rickmanのドラムス、20年近くスティーヴと行動を共にしている鉄壁のリズム隊が繰り出すうねり。スゴいですよね!この映像だけで幾晩も美味しいビールが飲めそうです。

とまあこれが、僕がいま聴いている音楽の近況です。いやあこれらを聴いてベースを手にすると...冷汗しか出ませんなあ(笑)。

(おまけ)
朝晩涼しくなってきたので、土曜日の朝早くに久しぶりに自転車でリネツ金沢まで行ってみました。雨雲混じりの空でしたが気持ちのいい港の朝です。



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