先週末はイギリスの国民投票の結果を受けてなんとも息苦しいような気分で週末を迎えることになった。週明けの展開がいやでも気になるがだからと言って早く休みが終わって欲しいと思うことはない。
チャーリー・ヘイデンに関連する作品をYouTubeでいろいろと検索しているうちに、オーネットの幻の(?)アルバムの音源をみつけて何度も聴いた。1969年のニューヨーク大学でのライヴ盤「クライシス」がそれ。
ジャケットで燃えているのは、アメリカ合衆国「権利章典」である。このタイミングでなんとも奇遇な巡り合わせだと感じる。
このアルバムと同じインパルスレーベルの前作「オーネット・アット・12」の2枚は、CDやダウンロードで発売されていない。僕は学生時代に「アット12」を中古屋で何度か見たことがあるけど、結局買わずじまい。「クライシス」に至っては見たこともなかった。
ネット上のディスカッションによると、版権がオーネット自身にあり本人があまり過去の作品の再発に乗り気でなかったことが原因なのだと言われている。彼の音楽について考えるとわからないわけではない。
僕が注目したのは、このなかに僕も大好きなヘイデンの名曲で、キューバの反政府活動を指導したチェ・ゲバラに捧げた"Song for Che"が収録されていること。権利章典を燃やすアルバムジャケットにしても、この曲にしても、オーネットが作品で政治的なものを取り扱うのは極めて珍しい。
アルバムに関する情報が非常に少ないので詳しくはわからないのだが、主に当時の政治、人種、民族に関連する不安定な時代背景に加えて、オーネット自身が関わることになった事情(ブルーノートレーベルのアルバム「エンプティ・フォックス・ホール」で若干9歳の息子デナードをドラマーに起用したことに端を発する)などが影響しているとの見方があるようだ。
デナードはこの作品収録時はまだ12歳。信じがたいことだけど、「エンプティ」よりは格段に進化したドラム演奏は、もう立派に新たなオーネットの音楽ユニットの一員として確立している。デナードはこの後オーネットが2015年に亡くなるまでほぼ50年にわたって、彼の音楽を支え続けることになる。
一部から言われているように、この作品では確かに全般的にオーネットらしい「陽気さ」は影を薄めているようにも感じられる。しかし演奏の素晴らしさは数ある彼の作品のなかでもかなりクォリティの高いものだと僕は感じた。
今の時点ではアルバムに収録されている5曲すべてをYouTubeで聴くことができるが、オーネットの新しい音楽を聴くことができなくなったいまとなっては、本作含めた未発売作品の正式発売を強く願うばかりである。
やっぱりオーネットが好きでよかった!
(おまけ)日曜日の午後、自転車で横浜港シンボルタワーまで出かけてみました。そろそろ暑さで小まめな給水を意識しないといけない季節がやってきました。港はやはり素敵であります。
6/26/2016
6/22/2016
有安杏果「feel a heartbeat」
7月3日に横浜アリーナで開催される、ももクロの有安杏果さんのソロコンサートにおいて、オープニングを飾る事実上のソロデビュー作「feel a heartbeat」が、ついに国内の主要な音楽配信サービスで先行発売されました。
この春に発売されたももクロのダブルアルバムに続くドームツアーのなかで突然発表された杏果さんのソロコンサート、僕にとっては「とうとう来たか!」とある意味納得の発表でありました。
正直なところダブルアルバムはまだ1回しか聴いてません。いい曲がいっぱいあるんだろうけど、僕にとってはどこか似たようなものがアルバム2枚分一気に供給されて、いままでのものも含めたももクロが希薄化してしまうような印象を受けてました。
ちょうどデッドに出会ったタイミングでもありましたし、配信遅れたのもちょっと冷水だったかな。
何度も書いてきたけど、僕にとってももクロはやっぱりアイドルではなく音楽アーチスト。そしてその存在を支えるのが杏果さんなのです。彼女がいなければここまでのももクロの音楽的方向性はなかったと思いますし、僕はももクロのファンにはなっていなかったでしょう。
このところアイドルにハマったオヤジの話というのを聞きますが、それは自分ごととしてはあんまりピンとこないです。ファンになった最初の頃は、テレビのバラエティ番組とかグッズとか音楽に直接関係のないことにも関心が向きましたけど、いまはもうねぇ。ただ生のライブでゆっくり歌と踊りを楽しみたい、それだけです。
期待を胸に朝起きてすぐにiPodからiTunes Storeにアクセスしてダウンロード。待ちきれずに出社前の体操しながら聴いてみました。内蔵スピーカーの音質でも「素晴らしい!」と感激。急に朝が明るくなりました。
その後、通勤電車の中で5回聴いて、いろいろなことについてやっぱりここまで来といてよかったなあという気持ちがこみ上げてきました。
これまでも「ありがとうのプレゼント」とかソロ曲はありましたが、やっぱりそれはももクロの一部。だけど、今回のは本当に有安杏果ソロとしての作品だということが曲を通じてしっかりと伝わってきます。
彼女の幼気で張りのある歌声がいつにも増してワクワクして弾けています。ストレートでポジティブな歌詞とメロディは本人作のもの。エンディングに向けた伴奏で踊るストリングスに彼女の興奮が重なります。
7月のソロコンサートを"ver.0"だと本人は言ってますが、ももクロは途中からだったけど、今回はデビューの時から応援して生のコンサートに立ち会えることを光栄に思い楽しみにしています。私はもちろんファンクラブ先行に申し込んで見事当選でした。
先行配信限定のジャケットはそんな気持ちをさらに煽り立ててくれるかっこいいもの。ギターを抱えた杏果さんの後ろ姿はどこかアイドルではなくアーチストとしての決意を物語っているように思えます。そしてスカートのヒップには5色の花が。もうこれだけで感涙であります。
ももクロにあんまり興味がないという方も含め、ぜひ皆さんにも聴いていただきたい音楽です。
この春に発売されたももクロのダブルアルバムに続くドームツアーのなかで突然発表された杏果さんのソロコンサート、僕にとっては「とうとう来たか!」とある意味納得の発表でありました。
正直なところダブルアルバムはまだ1回しか聴いてません。いい曲がいっぱいあるんだろうけど、僕にとってはどこか似たようなものがアルバム2枚分一気に供給されて、いままでのものも含めたももクロが希薄化してしまうような印象を受けてました。
ちょうどデッドに出会ったタイミングでもありましたし、配信遅れたのもちょっと冷水だったかな。
何度も書いてきたけど、僕にとってももクロはやっぱりアイドルではなく音楽アーチスト。そしてその存在を支えるのが杏果さんなのです。彼女がいなければここまでのももクロの音楽的方向性はなかったと思いますし、僕はももクロのファンにはなっていなかったでしょう。
このところアイドルにハマったオヤジの話というのを聞きますが、それは自分ごととしてはあんまりピンとこないです。ファンになった最初の頃は、テレビのバラエティ番組とかグッズとか音楽に直接関係のないことにも関心が向きましたけど、いまはもうねぇ。ただ生のライブでゆっくり歌と踊りを楽しみたい、それだけです。
期待を胸に朝起きてすぐにiPodからiTunes Storeにアクセスしてダウンロード。待ちきれずに出社前の体操しながら聴いてみました。内蔵スピーカーの音質でも「素晴らしい!」と感激。急に朝が明るくなりました。
その後、通勤電車の中で5回聴いて、いろいろなことについてやっぱりここまで来といてよかったなあという気持ちがこみ上げてきました。
これまでも「ありがとうのプレゼント」とかソロ曲はありましたが、やっぱりそれはももクロの一部。だけど、今回のは本当に有安杏果ソロとしての作品だということが曲を通じてしっかりと伝わってきます。
彼女の幼気で張りのある歌声がいつにも増してワクワクして弾けています。ストレートでポジティブな歌詞とメロディは本人作のもの。エンディングに向けた伴奏で踊るストリングスに彼女の興奮が重なります。
7月のソロコンサートを"ver.0"だと本人は言ってますが、ももクロは途中からだったけど、今回はデビューの時から応援して生のコンサートに立ち会えることを光栄に思い楽しみにしています。私はもちろんファンクラブ先行に申し込んで見事当選でした。
先行配信限定のジャケットはそんな気持ちをさらに煽り立ててくれるかっこいいもの。ギターを抱えた杏果さんの後ろ姿はどこかアイドルではなくアーチストとしての決意を物語っているように思えます。そしてスカートのヒップには5色の花が。もうこれだけで感涙であります。
ももクロにあんまり興味がないという方も含め、ぜひ皆さんにも聴いていただきたい音楽です。
6/19/2016
1972年のキース・ジャレット・トリオ
週末がくるたびにやっとゆっくり自分の時間が持てるとの期待に迎えられる解放感がみなぎり、案外できることは限られてしまううちにそれが終わっていく閉塞感が浸み出してくる。
こういう繰り返しで人生を捉えるようになってしまってどのくらい経っただろうか。
先週とりあげたキースのDVDに触発されて、主に1970年代の彼の作品を漁って楽しんでいる。この時代のキースの音楽活動においては、彼のクリエイティビティは様々なスタイルの上で尽きることなく溢れ続けた。
今回注目しているのは、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンとのトリオ。1968年の"Somewhere Before"が有名だが、1972年の秀逸な2つの演奏記録も世に知られている。ドイツのハンブルグでのライヴ、そしてフランスのパリでのライヴ。
ハンブルグの音源は比較的最近になって一部がECMから正式に発売されたが、それ以前はいずれもブートレッグで知られていたもの。どちらの演奏も僕は今回初めて聴いた。
現時点では以下のYouTubeにあるコピーが良好な音質でこの記録の全てをカバーしている。
Paris 1972
Hamburg 1972
キースはピアノの他にもソプラノサックスやパーカッションを演奏。いずれも数十分に及ぶ即興演奏。3人の並々ならぬテンションの高さはやはりこの時期の音楽における充実ぶりを物語っている。
いまに考えると1980年代からの「スタンダーズ」の時代は、円熟という言葉を借りたある種の停滞だったのかなとも思える。あれほど多くのアルバムが発売されたけど、今の僕はほとんどそれらを聴かないし、興味もそそられない。
しかし、こういうものは十数年前では中古屋巡りの醍醐味であったのだろうが、今はネットを捜せば1分もかからずに実際の音や映像で視聴できる。本当にすごい時代である。
同時に、僕のまだ知らない過去のこうした優れた音楽の存在を考えると、これからの時代の創造するということにある種の困難というものを考えざるをえない。
土俵や枠組みの様なものを変えるのが一つの考え方だが、もはやそれすらも限界ではないかとさえ思える。これは音楽に限ったことではないのだろうけど。
(おまけ)
先週のある日の朝、勤め先の窓辺から撮った朝の空と、勤め帰りに降りた最寄駅で撮った夕方の空。空を眺めている限りはどちらも魅力的なんだけどね。
こういう繰り返しで人生を捉えるようになってしまってどのくらい経っただろうか。
先週とりあげたキースのDVDに触発されて、主に1970年代の彼の作品を漁って楽しんでいる。この時代のキースの音楽活動においては、彼のクリエイティビティは様々なスタイルの上で尽きることなく溢れ続けた。
今回注目しているのは、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンとのトリオ。1968年の"Somewhere Before"が有名だが、1972年の秀逸な2つの演奏記録も世に知られている。ドイツのハンブルグでのライヴ、そしてフランスのパリでのライヴ。
ハンブルグの音源は比較的最近になって一部がECMから正式に発売されたが、それ以前はいずれもブートレッグで知られていたもの。どちらの演奏も僕は今回初めて聴いた。
現時点では以下のYouTubeにあるコピーが良好な音質でこの記録の全てをカバーしている。
Paris 1972
Hamburg 1972
キースはピアノの他にもソプラノサックスやパーカッションを演奏。いずれも数十分に及ぶ即興演奏。3人の並々ならぬテンションの高さはやはりこの時期の音楽における充実ぶりを物語っている。
いまに考えると1980年代からの「スタンダーズ」の時代は、円熟という言葉を借りたある種の停滞だったのかなとも思える。あれほど多くのアルバムが発売されたけど、今の僕はほとんどそれらを聴かないし、興味もそそられない。
しかし、こういうものは十数年前では中古屋巡りの醍醐味であったのだろうが、今はネットを捜せば1分もかからずに実際の音や映像で視聴できる。本当にすごい時代である。
同時に、僕のまだ知らない過去のこうした優れた音楽の存在を考えると、これからの時代の創造するということにある種の困難というものを考えざるをえない。
土俵や枠組みの様なものを変えるのが一つの考え方だが、もはやそれすらも限界ではないかとさえ思える。これは音楽に限ったことではないのだろうけど。
(おまけ)
先週のある日の朝、勤め先の窓辺から撮った朝の空と、勤め帰りに降りた最寄駅で撮った夕方の空。空を眺めている限りはどちらも魅力的なんだけどね。
6/12/2016
キース・ジャレット「アート・オブ・インプロヴィゼーション」
DVDを収めてあった棚を少し整理した折に、キースの「アート・オヴ・インプロヴィゼーション」が出てきた。
まだ子どもが生まれる前の2005年に発売された、彼の事実上のバイオグラフィーと言える映像ドキュメンタリー作品。
前回のログで書いた原信太郎氏にも通じる、一生涯を通じて音楽の創造に身を捧げる男の凄まじい生き様が、本人と近親者のインタビュー、それに実際の演奏の映像で描かれている。
作品中に出てくる「即興演奏ほど正当に評価されたことがない音楽はない」という言葉がこの作品の主題である。
買った直後に1回視て感動したのは憶えているものの、いまの僕にはどの部分も本当にズッシリくる内容だった。
もう10年前の作品になるけど、キースが好きでまだご覧になられたことのない方は必視必聴の作品!
しばらくご無沙汰だったけど、まだじっくり聴いていない時代の作品も含めてキースを聴いてみようかなという気持ちになった。
(おまけ)
久しぶりに自転車で海の公園まで往復30kmを走った。
ずいぶん暑くなってきたけど、薄曇りでちょうどいい日和。潮干狩りの客は姿を消し、人工砂浜の海に入ってはしゃぐ子供達が楽しそうだった。
家の裏の壁に産み付けられていたカマキリの卵が孵化。小さな子供たちが壁を登ったり風に飛ばされたりして新しい命をスタートさせていた。
まだ子どもが生まれる前の2005年に発売された、彼の事実上のバイオグラフィーと言える映像ドキュメンタリー作品。
前回のログで書いた原信太郎氏にも通じる、一生涯を通じて音楽の創造に身を捧げる男の凄まじい生き様が、本人と近親者のインタビュー、それに実際の演奏の映像で描かれている。
作品中に出てくる「即興演奏ほど正当に評価されたことがない音楽はない」という言葉がこの作品の主題である。
買った直後に1回視て感動したのは憶えているものの、いまの僕にはどの部分も本当にズッシリくる内容だった。
もう10年前の作品になるけど、キースが好きでまだご覧になられたことのない方は必視必聴の作品!
しばらくご無沙汰だったけど、まだじっくり聴いていない時代の作品も含めてキースを聴いてみようかなという気持ちになった。
(おまけ)
久しぶりに自転車で海の公園まで往復30kmを走った。
ずいぶん暑くなってきたけど、薄曇りでちょうどいい日和。潮干狩りの客は姿を消し、人工砂浜の海に入ってはしゃぐ子供達が楽しそうだった。
家の裏の壁に産み付けられていたカマキリの卵が孵化。小さな子供たちが壁を登ったり風に飛ばされたりして新しい命をスタートさせていた。
6/10/2016
原鉄道模型博物館で
先週は訳あってお休みしてしまいました。この一週間は結構忙しかったけど、ようやく終わってビールタイムの前に先週分の罪ほろぼしを。
先週の日曜日は、天気がぐずついて野球の練習がお休みだったので、子どもと二人で原鉄道模型博物館に行ってきました。
何度見てもここのジオラマの存在感は圧巻です。この線路沿いに立ち並ぶ街並みのなんと見事なこと!
貨物列車のお通りです。何も言われなければ、ヨーロッパのどこかかと思ってしまいます。
少し前の桜木町駅?これもジオラマですよ。
当館名物の鉄道模型の運転体験もちゃっかりやらせてもらいました(笑)。一昔前の実物の運転台を再現してあります。操作はもちろん実物と同じ。相変わらず慎重だったけど上手だったよ。
やっぱり何かやるなら、これほどまでに一生かけてとことんやらないと...とは思うものの、やっぱりこの方の徹底ぶりにはひたすら脱帽&最敬礼であります。
横浜みなとみらいにお越しの際は是非!
先週の日曜日は、天気がぐずついて野球の練習がお休みだったので、子どもと二人で原鉄道模型博物館に行ってきました。
何度見てもここのジオラマの存在感は圧巻です。この線路沿いに立ち並ぶ街並みのなんと見事なこと!
貨物列車のお通りです。何も言われなければ、ヨーロッパのどこかかと思ってしまいます。
少し前の桜木町駅?これもジオラマですよ。
当館名物の鉄道模型の運転体験もちゃっかりやらせてもらいました(笑)。一昔前の実物の運転台を再現してあります。操作はもちろん実物と同じ。相変わらず慎重だったけど上手だったよ。
やっぱり何かやるなら、これほどまでに一生かけてとことんやらないと...とは思うものの、やっぱりこの方の徹底ぶりにはひたすら脱帽&最敬礼であります。
横浜みなとみらいにお越しの際は是非!
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