6/08/2014

真夜中の来光

梅雨入り。週半ばから結構しっかりと雨が降り、まるで残り少なくなっている水を気遣いながらも、降水が途絶えるのを惜しむかの様に間断をつけながら、週末まで続いた。おかげでウォーキングはできなかった。

土曜日は子どもの幼稚園で、どちらかの親が参加して子どもと3時間程を一緒に過ごすイヴェントに参加。休みの日ということで父の日が近いこともあってか、多くはパパが参加していて、僕も少しは面識があるパパやママもいたおかげか、さほど緊張することもなく過ごせた。

先ずは簡単な調理道具と材料を持ち寄ってカレー作りからスタート。野菜を切り終えると、別の部屋で(本当は園庭の予定だったのだが雨で屋内になった)親子が集まって、体操の先生の指導の元でゲームめいた運動を楽しんだ。

おなかが空いた頃に最初の部屋に戻るとカレーができていて、自宅からご飯だけを入れて持ってきたお弁当箱にカレーを入れて、みんなでいただきますというわけである。

あいにくの天気だったけど、こうして園内で子どもと過ごすのは初めての体験で、とてもいい時間を過ごすことができた。カレーも美味しかったし、体操も楽しかった。幼稚園はもう50年以上経過するという古い建物だが、やはり自分の記憶にも通ずる独特の雰囲気が妙に心地よい感じがした。

日曜日もまだ雨模様の空だったので、洋光台にある「はまぎん こども宇宙科学館」に行くことに。

あいにくの天気で館内は家族連れやら団体で混雑していたけど、子どもには初めての体験となるプラネタリウムを楽しむことができた。

満天の星空や宇宙の拡がりに時空を大きく膨らませた想いを巡らせていると、結果的にある瞬間それが自身の存在という根源にたどり着くのが宿命というものだ。

遠い宇宙のどこかに...科学や技術を駆使して探し求めるものは、やはり「自分」に他ならない。投影機が美しく魅せてくれる夜空に見入りながら僕はまたあらためてそのことを確認した様に思う。

この前にキースのピアノ音楽を取り上げて以降、週替わりで特定のアーチストを集中して聴いていて、以前ならそのことをろぐにしっかりとしたためていたのであるが、最近は無精というかそういうことを言葉で書いてもなあとか思う様になった。

キースの後はオーネットを聴きまくり、その次の週は武満をしっかり聴いた。この展開には僕にしかわからない因果はあるのだけど、それを説明することに多少の面白さを感じつつも、やっぱりそれは個人的なことであって、自分が表現するならそれを糧に自身で作った何かを表現しなければと思っている。

オーネットはやはりコルトレーンと並んで僕の永遠のアイドルだ。いまや僕にとってはマイルスやモンクを越える存在。いいよなあこの解放感。"free"ってきっとこういうもんだよ。

初期のドン=チェリー等との演奏は別格として、1960年代までのトリオを中心とした演奏もいいけど、やはりいまとなっては"Dancing in your Head"以降の演奏が圧倒的によい。このアルバムについては、2つのヴァリエーションが収録されたタイトル曲ばかりが有名な観があるけど、忘れてはならないのは"Midnight Sunrise"の素晴らしさ。

まだ84歳でご健在なオーネットだけど2010年を最後に演奏に関する記録はない。2012年の「トーキョージャズ」に参加するとの報があったが、体調不良を理由に小曽根真を代演にして払い戻しなしという悲劇を生んでいる。幸い僕はチケットは買っていなかったけど、無謀な企画の被害に遭われた方はお気の毒。

武満については所有している資料が十分ではないので、今回あらためてCDを2枚購入した。そのうちの1枚「琵琶、尺八、オーケストラのための「秋」他」はとてもよいアルバムだった。弦楽四重奏用に書かれた原曲を弦楽オーケストラ版にした"A Way A Lone 2"の素晴らしさは、今回の新たな嬉しい発見である。

彼の音楽は作品や演奏あるいはその時の気分に因って、少なからず受け入れる際の印象に影響があるのは確かだけど、それも含め彼の音楽とその関連は日本人として誇るべき文化遺産である。

ようやく雨もおさまり、少しだけ湿った涼しい夜の空気に武満の弦楽旋律が控えめな音でしみわたる。憂鬱なこの時間をすこしでも癒してくれる。

その武満の関連で先週はまた別の種類の音楽を聴き直してハマってしまい、こちらについても極めて資料が少ないので新たに2枚組のCDを買うことにした。これについては、どうやらこれからの1週間においてもまだ続きそうなので、詳しくは次回としたい。

僕は音楽を探究することで自分を探求する。

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