9/29/2013

バラスト アウト

週末は土曜日に、スイミング教室に行った子どもを出迎えて、お相手はママと交代。そのまま秋葉原に向かう。子どもにとっては初めての街。至る所にあるアニメ看板とメイドさんにキョロキョロしていたが、まあ子どもとしてはまんざらでもなさそう。

ちょうど駅前の広場で警視庁の白バイ隊によるショーが行われており、実際の白バイ隊員によるデモンストレーションを、自分から歩いて行って小ちゃいのをいいことに一番前まで出て興味深げに見入っていた。

倒木などの障害物を飛び越えるという設定で、子どものすぐ目の前で白バイがジャンプ(!)するデモを観て、僕の方を振り返って満足げな笑みを浮かべた。あれは白バイの人も周囲の関係者もちょっとヒヤヒヤものだったんじゃないかと思う。

バイクに興味があるのかな。大きくなったら乗ってもいいけど、白バイのお世話にはならないでね。パパは1回路上で怒られただけだけど。

UDXのトンカツ屋さんで遅いお昼を済ませて、メイドカフェやらガンダムカフェやらAKBカフェを入り口からだけ見学。しかしどこも一杯ですね相変わらず。

覚悟を決めてヨドバシカメラ秋葉のおもちゃ売り場に。いろいろなおもちゃが平等に(?)たくさん並んでいるのでどうなるかなと思ったのだが、意外にもプラレールやトミカにはあまり反応せず、ロボットとか戦隊もののおもちゃに興味を示した。

高いおもちゃを買うつもりはなかったけど、まあ500円だしこれならいいだろうと、ミニカーサイズの車がロボットに変形する「トランスフォーマー」のおもちゃを買ってあげた。何種類かあるのだけど、ロボットの状態でパッケージ化されているものと、車の状態のものがあって、子どもは迷わずロボットの方を選んだ。

しかしこれ結構精巧なもので、家に帰ってやってみたのだが、パパでも変形に苦戦して最初は絶対にうちの子どもには無理と思ったが、しばらくすると喜んで変形を楽しんでいた。そんなものか。まあ構造のお勉強にはなるかな。

夜は北海道に住む幼馴染みと久しぶりにスカイプ呑み。今回もいろいろな話ができて楽しかった。

遅くまで呑んだので日曜日の朝は起きられず、ウォーキングはまたもなしかと思いきや、子どもが通っているスイミング教室が主催するお芋掘り会に参加して夕方まで不在、ママはママでどうしてもやらなければいけない用事があるとのことで、日中は僕独りで過ごすことに。なので、朝10時から大さん橋に歩きに行ってみた。

すでに観光らしい人が出始めているものの、ちょうどいい陽気で清々しい気分になって、こういうのも悪くないなと思った次第。こんどからは朝起きれなくても事情が許せばこういう時間にでも歩くことにしよう。

お昼も独りで関内まで出かけて天下一品でラーメンを食べて、久しぶりに1時間ほどカラオケやってみたり、タリーズでコーヒー飲んでみたりして過ごした。

これまた久しぶりに訪れた関内のディスクユニオン(リニューアルされてきれいになってます)では、興味を惹くものがないわけではなかったが、もっと別の次元で自分はもうこういうところでCDを買うことはないんだろうなということを確認した。その後、来週のお楽しみに関係するあることを済ませて帰宅。

夕方、お芋掘りから戻った子どもをママと出迎え。クツと靴下がドロドロになっていて、名前が書かれた袋には大きなサツマイモが7個くらい入っていた。楽しかったんだね。そのまま関内にある「世界の山ちゃん」で早い夕食をとって帰った。

とまあ、この週末が特に何かが大きく変わった週末だったわけではないのだけど、何かこれまでとちょっと流れが変わってきている感じで過ごせたのは何故だろうか。わかるようなわからないような、認めたいような認めたくないような、でもやっぱり心は少し軽い。1つ歳をとった所為なのかもしれないし、それとも・・・まあやめておこう。

音楽はこのところいろいろなものを入り交じって聴いていて、そのいずれもがえらく活性化して耳に届いている。まあそれも何かの兆候なのかもしれない。いまは1974年のキングクリムゾンのライヴを聴きながらこれを書いている。この即興演奏はやっぱり何度聴いてもすごいです。

またこの時期のクリムゾンの新しいBOXセットが出るみたいだなあ。ちょっと興味は惹かれるけどね。


9/23/2013

支度

朝晩かなり涼しくなった。シャツの上に着るもののことを考える季節になりつつある。まだ秋冬の流行を街中で感じるには少し早いようだが、妻に届いた通販カタログはどれも冬一色だった。

夏の間はしまってあった冬用のコートやジャケットをベランダに吊るして日射しと風にあててやった。安い服でも数を揃えてある程度大切に着てあげるとずいぶんと長持ちするものである。

そしてもう一つ、しまっていたわけではないのだがこのところあまりまじめに手にすることがなかったものについて、何の気まぐれか思いつきか、はたまた何かにすがりたい気持ちなのかはわからないが、今月に入ってから久しぶりに少し時間をかけてその環境を整えている。

いざそうしてみると実はいろいろと細かな調整やら準備が必要になり、また必ずしもそればかりに没頭することもないので、意外にも結構時間と手間がかかるものである。

ようやくこれだと思えるある種の納得感に近い手応えが感じられる様になったのは、支度に手をかけて3週間ほど経ったこの3連休の真ん中日曜日のこと。そういう実感が得られるとやはりそれなりに気持ちがいいものだ。間を詰めてそればかりやればもっと早くそうなったのかと考えてみるが、たぶんそういうことではないのだと思う。

これが何にあるいはどこに向けた支度なのかはわからない。先のことを考えているようでもあり単なる気まぐれの様でもある。秋冬物の準備の様に近いうちに必ずやそれが必要になるという確信は深いところに淡い期待の様に潜んでいるかどうかという程度かもしれない。

環境が整ったら今度はもう一度自分の内側にあるものにしっかりと向き合うことになる。そろそろごまかしている余裕は無くなってきたようだ。いや、初めからそうだったのだろうが、それに気づけるほどいまの(少なくともこれまでの)時代は人を追い込まない。

つまりは自分が甘かったということになるのだろうけど。

9/16/2013

49

連休前の木曜日には久しぶりに音楽と酒好きの友達といつもの「えびす村」で一杯。カウンター席でマスターが釣ってきたというシロギスを言われるままに刺身でいただき、彼の海に関する口上をうかがう。

「知ってるかい、東京湾にゃ56本の川が流れ込んでるんだ。いろんな恵みがあるその海で育った魚なんだよこいつらは。そりゃ旨いのは当たり前だよ。世界一の海さ!な?そう思うだろ?」ここまで言われるとさすがに気持ちがいい。いい店だよここは。

その後も、ノーノだケイジだシュトックハウゼンだと名前が飛び交う楽しい酒。こんなネタで会話が弾む友が居てくれるのは本当に幸せなこと。ビールをハイボールに切り替え興がのってきたところで、何とはなしに「じゃあカツいきますか」となる。

マスターに今日はメンチかトンカツのどっちがいいかを問うてみたところ、「どっちもいいよ今日は。そうだなあ、よーし、じゃあトンカツにしなよ。俺が自分で食おうと思ってとっといたやつ出してやるよ」とこちらも絶好調である。

結構呑んで食べてのこのタイミングでこのサイズのトンカツを出されたら普通はどん引きものだが、この店はやっぱり何かが違う不思議な世界を持っている。

カツをつまむのに、ちょっと薄かった黒糖焼酎の水割りをおかわりはロックで注文したら、大きめのタンブラー擦り切りいっぱいのアルコールに普通の四角い氷が3個だけ浮かんでいるのが出てきて2人して爆笑。

こうして僕は一足早く4連休に突入。連休後半に夏休みに病気になってしまって行けなかった南伊豆の宿をリベンジで予約してあったのだが、最悪のタイミングで台風がやってきてしまい、状況観ながらさんざん悩んだ挙げ句に宿の亭主のアドバイスで今回もキャンセルとなってしまった。運が悪いとしかいいようがない。

それでも子どもにも温泉だ海だスーパービュー踊子号だと散々吹いていたので、台風上陸の前日に日帰りで熱海を楽しんだ。当日の朝になって宿をキャンセルして急遽決めたのだが、温泉やら食事やら観光やら鉄道やらを一通り楽しむことができた。何より帰った翌日がお休みというのが気分的にはとても楽だった。

台風はやはりあちこちで大きな被害をもたらしたが、それが過ぎ去る連休明けのことを思うと、自宅の窓から目の当たりにする暴風雨が荒れ狂う様も、何か別の世界の出来事の様に見えてしまうのが正直なところだった。

そんな連休を経て僕は40歳代で最後の1年を迎えた。不惑を経て天命へと渡る年のはずだが、論語に書かれているというその名言の言わんとするところがわかるような認めたくないような状況である。

妻がお祝いにとシングルモルトのボトルをプレゼントしてくれた。これからこれをいただきながら、明日朝までの時間を少しでも引き延ばす無駄な抵抗を試み、その過程で頭がおかしくなる自分に情けなく消沈して訪れる夜明けから逃れたいともがく己の夢ではない現実に諦めで済ませるか本当に一つの区切りを付けるのかなどということを少しでも忘れられればと思う次第。

久しぶりに呑む開封したてのシングルモルトのストレートはやはりウマい。ありがとう。

9/08/2013

映画「オン・ザ・ロード」!

金曜日に会社を半日お休みして、日比谷のTOHOシャンテで上映中の映画「オン・ザ・ロード」を観に行ってきました。

よかった!素晴らしい!ウォルター=サレス万歳!ジャック=ケルアック万歳!

もはや多くは語りません。僕にとってはまったく素晴らしい映画でした。原作の世界観が本当に見事に映像化されています。不満はありません。139分間の上映時間は、まるで通勤電車のなかで原作を読んだあの時間と同じ様に過ぎていきました。

内容は原作の主要な場面を中心に、本当に忠実に映像化されたものになっています。原作を読んで心に憧れを持って思い描いた、アメリカのロードの姿が実際の情景となってスクリーンに鮮やかに蘇ります。

キャスティングの一人一人も見事です。これはひとえに最近映画をほとんど見ていない僕にとって、彼らに関する情報というか先入感がゼロだったことも、大きな要因だったと思います。

事前にちょっと読んだレビューの一つでは、映画での描写が「大人の世界」の内容にやや偏りすぎているのでは、というものがあったのですが、そんなことはありません。サレス監督の感性に僕は完全に同意します。これがケルアックの世界なのだと思います。自分の思い込みでできた部分を勝手に原作に加えてはイケません。

スクロール版を読んだのは半年前ですが、あの時の満足感がそっくりそのまま、否、映像による表現であのとき以上にしっかりとこみ上げてきました。冒頭からラストシーンまで僕には何の疑念も迷いも浮かびませんでした。シーンの移り変わりが、本のページを次々になめらかに自然に鮮やかに繰ってゆくような感覚は、愉快そのものでした。

原作をベースにこんな風に映画を楽しんだのは初めての経験。「ノルウェイの森」の映画版もとてもよかったけど、やっぱり原作への愛着が違うだけに、この映画に贈る賞賛は桁が違う様に思います。

午前中にあたふたと過ぎた会社の幹部達とのちょっとした雑用の打ち合わせ(ほんとに雑用です)の顛末も、久しぶりにお昼に食べたお気に入りのチャーシュー麺の味も、直前になって携帯に届いた仕事に関係したくだらないメールのことも、すべてはロードの埃にもならず映画の疾走に見事に吹き飛ばされてしまいました。

上映終了後にどうやってビルの5階の劇場から日比谷の街に戻ったのか覚えていません。気がつくと有楽町駅まで歩いて戻ってきていました。

原作を読まれていない人がこの映画でどこまで原作の世界を体験できるのかはわかりません。個人的には「読んでから観る」ことをお薦めしますが、まあケルアックの世界に触れられるという意味では、映画を先に見るのも悪くないと思います。この作品に触れるきっかけとなる素晴らしい入り口がまた一つ増えたことを、ファンとして素直に喜びたいと思います。

そうは言っても、ロードショーの世界ではマイナー作品ではありますので、興味のある方は上映期間中に是非ともごらんになってください。後にブルーレイとかで真夜中に自宅のテレビで視るのも悪くないですが、劇場という日常と隔絶される場所の役割を再認識する意味でも、うってつけの作品だと思います。

この映画はR15+指定になりましたが、実際にはかなりハードな内容です。審査はそれなりに揉めたのではないかと思います。映像表現は原作のスクロール版の文章表現同様、かなりストレートです。局部を意識させるような映像表現はありませんが、様々な行為そのものを一切婉曲せずに映し出します。想像力の出番はほとんどありません。登場人物達の生き様を一気に描き切るうえで、不可欠な表現なのだと思います。そしてそれがこの映画の魅力であり醍醐味なのだと思います。

人間のエネルギーとはこういうものなのだと思います。

いい映画を観ました。

 

9/02/2013

ジョージ・ワシントンと三浦海岸

仕事の関係で参加している交流会のイベントで、横須賀に寄港しているアメリカ海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」の艦内を見学させていただける機会があった。こんなチャンスは二度とないだろうと、予定表が空欄なのを確認して即参加予約を出したら、何とか仲間に入れてもらえた。

横須賀駅に集合し、今回の企画を推進していただいた海上自衛隊のバスで米軍横須賀基地へ。正門前の車内で事実上の「入国審査」をして基地内へ。居住区を通ってドックや桟橋のある軍港エリアに入るも、目指す空母の姿はなかなか見えない。

途中、一瞬数百メートル先にその勇姿が見える。あまりのデカさに驚く間もなくすぐにまた姿が見えなくなる。しばらく走ったらバスが止まり、気づくと接岸している空母の真ん前に降ろされた。

船の全長は330メートル。至近距離から船の全貌を拝むことはもはや不可能である。見上げると巨大な艦橋が頭上にそびえていた。こちらは24階建てのビルに相当するのだとか。もうこれは船ではなく建造物である。
簡単なオリエンテーションの後に格納庫に通され、その後、飛行甲板に上がらせていただいた。格納庫は伽藍堂だったが巨大な港湾倉庫のような感じ。壁面には士気を高めるいろいろな絵が描かれている。
急な階段をいくつも登って飛行甲板へ。参加申し込みの条件に「足腰のしっかりした健常者に限る」と書かれていた意味がわかる。

広大な甲板は、船の上というよりどこかの港の桟橋に立っているような感じである。以前大さん橋で載せてもらった海上自衛隊の「日向」も大きかったが、やはりこの広さはその比ではない。
艦では米軍の乗員や広報担当者などが常に十数名一緒だったが、みんな非常にフレンドリーで礼儀正しかった。もうこんな機会は二度とないだろうと思いながら下艦し、再びバスで基地を後にして、1時間あまりの米国訪問は終わった。
海上自衛隊の食堂でお昼を食べて、午後は横須賀総監の講話(非常に興味深い内容だった)の後、護衛艦「むらさめ」を見学させていただいた。日本の護衛艦は隅々まで非常にきれいで、それがいろいろな感情を呼び起こしもした。


日曜日から9月になった。この週末はまた蒸し暑さがぶり返したが、早起きしてウォーキングすると、日が昇って来るまでは涼しかったのが、昇るに連れてどんどん気温も上昇するのがよくわかった。

子どもにとっては夏休み最後の日。どこに行きたいかな?と聞くと、海に行きたいのだという。

当初は夏休み中にお友達とママ達で行ったという観音崎に行こうと思ったのだけど、子どもが「パパとママとでいったうみがいい」というので、どうやら津久井浜のことを言っているらしい。

まあそれも悪くないのだが、ちょっとだけ足を伸ばして一駅先の三浦海岸に行ってみることにした。三浦海岸駅近くの居酒屋「あやとり」さんでマグロブツ定食とマグロ丼をいただいて腹ごしらえ。やはり三崎のマグロは美味しい。

浜に着いてみると海水浴客は少なくて、すでに海の家は取り壊しが始まっていた。浜の真ん中に簡易テントを設営して、僕と子どもはいざ海へ!

この日は波が比較的高くて、水も適度に冷たさがあって、子どもにとってはある意味初めての海らしい海の体験だった。
もはや波を怖がって泣くこともなく、時折押し寄せる1メートル近い波に(さすがに最初はビビっていたが)頭からのまれながらも、海を楽しんでくれていた。もちろんお決まりの砂遊びもしっかりやった。
子どもにとっては水に慣れて、プールや海でいろいろなことができる様になった夏休みだった。成長したね!相変わらずおなかは満腹ポッコリだね。

帰りは近くにあるマホロバマインズでお風呂を借りて汗と潮と砂を洗い流した。大浴場はタオル付きで大人1000円なり。銭湯よりは高いがまあ夏休み最後だからと楽しむことにした。三浦海岸駅までマイクロバスで送ってくれ快適だった。

快適ついでに僕はさっき行った「あやとり」さんでどうしてもビールをやりたかったのだけど、さっき行ったというのと時間が早い(午後4時過ぎ)という理由で妻には却下されてしまい、この夏の名残り惜しい想い出となった。残念!(まあその後、山手のお好み焼き屋さんでビールは飲めた)

夏はいい。海はいい。波をずっと見てても飽きないね。9月になってももう1回くらいは海に入れないかなあ。