5/26/2013

幼子イエスに注ぐ20のまなざし

金曜日は幼稚園がお休みで、ママと子どもたちは誘い合わせて八景島シーパラダイスにお出かけ。それなりに盛り上がって楽しんだようで、晩ご飯も食べて帰るというので、僕はアイアイサー!と久しぶりに「独りハシゴ酒」を楽しませてもらった。

ぴおシティの「石松」で、生ビールと僕にとっての名物「メカブ納豆」合計880円で先ず1軒。たまに行くといいよねえ石松は。その後は山手の「マディ」に行って、ビール2杯とポテトフライで2000円といういい流れ。マスターとは久しぶりに小1時間いろいろな話をさせてもらった。家に帰って子どもを風呂に入れ、仕上げに音楽を聴きながら缶ビールとハイボール、平日の汚れを洗浄するアルコールシャワー、はあーっ気持ちいい!

よく晴れた週末だった。ウォーキングは日曜日にと思っていたけど、今週はできなかった。やっぱり気持ちの問題。これをどうにかしないとなあ。

神奈川臨海鉄道さんの創立50周年記念イベントが横浜本牧駅で開催されるということで、久しぶりに子どもと2人でお出かけ。

会場は驚くほどの人出。それもこれも数年前に放映されたテレビ番組「タモリ倶楽部」の効果、とりわけ同駅に保管されている蒸気機関車C56が公開されるとあって、その集客力のスゴさと言って過言ではあるまい。

かなりお気楽なイベントではあったが、横浜で本物のSLが動くのを(実際にはディーゼルカーが推しているのだが)眺めたり、パトカーの運転席に座らせてもらったり、消防服の試着させてもらったり、起震車(地震の揺れを体験できる装置が付いた車)で関東大震災の再現を味わったり、石炭と蒸気で動くミニSLに試乗させてもらったりと、子どもにとっては貴重な体験の連続で、午前11時過ぎから午後2時過ぎまで昼飯も食わず、アメ玉2個とお水だけでなんとか頑張った。

途中、近所の同い年の男の子とパパに遭遇し、帰りは横浜本牧駅から和田山口のイオンまで、4人でぶらぶら歩きながら帰った。彼らと別れて本牧ベイタウンにあるマクドナルドでようやくお昼を食べた時は、もう午後2時半を過ぎていた。

子どもはイベント会場でもはしゃぎ回るわけでもなく、ぐずるわけでもなく、その時その時の状況に楽しんだり耐えたり放心したりという様子で、僕も常にご機嫌をとるようなこともせず、もっぱらそういう子どもの様子にやさしいまなざしを送って楽しんだ。

さて、最近はろぐではボヤくばかりで音楽は聴いていないのかと思われがち?だが、もちろんそんなことはない。確かに平日がああいう状況なので通勤で聴くのがJ-Popの比率が高まっている。ももクロ、真琴、MWAMあたりが中心。

でも、やっぱり家でゆっくり音楽とお酒に癒されたいという時には、そういうのはあんまり聴かない。むしろ、そういうものとバランスをとるかのような感じのものにカーソルが向かう。iTunesのライブラリをちょろちょろとつまみながら「うーんなんかなかったかなあ」とおつまみの戸棚を漁るが如くである。

そんななか、最近ちょいちょいと自宅で聴いているのが今回のお題にある音楽、オリビエ=メシアンのピアノ組曲「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」(原題は"Vingt Regards Sur L'enfant Jesus")である。僕が持っているのはお気に入りのNEOSから2009年にリリースされたマルクス=ベルハイムという演奏家によるもの

これ、NEOSのサイトで新譜として紹介されていた頃に試聴して気に入って買ったのだと思う。僕はメシアンがこれらの曲を創るにあたって念頭においた、聖書の物語のことはまったく知らないし興味もない。そもそもそういうタイトルだと言うのを知ったのが最近のことだったというくらいだから。

いわゆるクラシック音楽の世界に数あるピアノ組曲のなかで、これがどういう位置づけにあるのかとかそう言うことも何も知らない。

僕が感じているのはとにかくものすごい「ピアニズム」に溢れた音楽だということ。

「ピアノってどんなことができるんだっけ?」
「うーん、そりゃいろいろできるんじゃないかあ?」
「そうなの?じゃあさあ、例えば生まれたばかりのイエス様を見守るいろんな目線があるよなあ、それをいろいろ描いてみてよピアノの音だけで。」
「おいおい難しいこというなあ、君。」
「まあまあ聖書のことも詳しんだろう?そんなにピアノがスゴいんならやってみてよ。」

とまあそんな経緯でできたわけではないだろうが、僕にとってはそんなつもりで聴いている。どの曲もスゴくピアノらしさでいっぱいで、耳障りなところがなくて、とてもユニークで美しい音楽なのである。

全曲通すと2時間超えなので、あんまり集中してしまうと身体が持たないけど、メシアンの音楽は流して聴いてもこちらの思考を妨げないし、時にはこちらの話も聞いてくれるし、求めればちゃんと深い話を説いてくれる、そんなところがある。ずいぶん前にオルガン作品集を紹介したことがあったけど、あれなんかもそうなんだよねえ。まるでよくできたバーテンダーみたいなんだよね。

残念ながら日本のアマゾンでは現在取扱いがないが、リンク先のNEOSのサイトで一部視聴ができるので是非お試しあれ。気に入ればNEOSから直接買うことができる(ユーロが高くなってしまったのはイタいが仕方あるまい)。

僕が子どもに向ける眼差しはどんなものだろう。うーん、こんな高尚なものじゃないかなあ、いや、意外にもっと高尚なもんかもしれないなあ。うん、そうだよきっと。


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