11/14/2010

森山威男4@ドルフィー

この週末はAPEC開催にともなう厳戒態勢のなか、横浜野毛にあるジャズクラブ「ドルフィー」で森山威男クァルテットのライヴを楽しんだ。

2カ月ほど前にたまたま覗いたドルフィーのサイトでこの予定を知った。2日間の出演で、金曜日が若手メンバーを中心としたセクステット、そして土曜日は峰厚介、板橋文夫、望月英明というヴェテラン揃いの超豪華メンバーのプログラム。

冬にブランフォードを一緒に聴きに行った会社の同僚にメールで連絡すると、すかさず返信あり。お互い同じことを考えていたようだ。僕の独断で2日目の方に行くことにした。

当然のことと思うが、2日目は開演1時間半前の午後5時から整理券を配布するというので、桜木町で待ち合わせて2人して並んだ。もらった番号は19、20番だった。50人ほどのキャパの店だからたいしたものである。お店の人からは開場前の6時20分に戻ってくるように言われる。

さて、しばらくは野毛の街で一杯やりましょう、ということでホルモン屋の店先にあった露店のテーブル席に腰をおろす。落ち着いてしまって時間に遅れるとまずいという配慮である。なかなかいいお店だった。生ビールとホッピーを1杯ずつ飲んだ。

向かい側にある古い飲み屋に常連と思われるお客が次々に入って行くのを眺めながら「あの店はきっといい感じなんだろうね」などと言いながら、塩味のホルモン煮込みをほおばった。

このところこういう機会自体がなかなか有難い僕らにとっては、こんなひと時の後に森山の演奏がたっぷり楽しめるということが、もう信じ難いね、こんな日があっていいものかね、などと緩く興奮した気持ちをホッピーでなごませた。

予定通りにドルフィーに戻ってそこそこいい席に陣取った。缶ビール1本を注文し、結局それだけで2ステージを存分に楽しんだ。内容はただただ素晴らしい!の一言につきるものだった。これまで3回森山のグループを聴いているが、やっぱりこのメンバーのがグループ全体のバランスが取れていて、一番いいと感じた。

峰厚介を生で聴くのは実はこれが初めて。うーん、スゴイ!テクももちろんだが、テナーの音が圧倒的にイイ。森山や板橋の音数音量型大暴れに対して、音の厚みとかフレーズの深さで対抗する感じ。森山が峰のソロの途中で何度か唸り声をあげるのも納得である。

最後の方はさすがに2日連荘の森山さんは表情が辛そうで、「渡良瀬」や「ハッシャバイ」を終えて、板橋と2人フラフラと楽屋に消えて行った後は、アンコールを求めながらもどこか気の毒な気がした。「E.J.ブルース」で応えてはくれたが、さすがにもうこれ以上は無理という演奏。お疲れさまでした、もう十分です。

ということで、ライヴがハネたのが午後10時。これはもう一軒行って熱を冷ましましょうと、さっきのホルモン屋の向かい側にある居酒屋「大黒屋」に入った。

ジャンジャン横丁とかにありそうな白木のカウンターにテーブル席と座敷というお店。そこで天ぷらや刺身を注文し、熱燗を注文して2人でニタニタしながら余韻に浸った。

各国の首脳が集まっている会議場から、わずか1キロも離れていない下町で楽しんだジャズと酒。まことにディープで素晴らしい野毛の夜であった。横浜は懐の深い街である。

今朝はしっかりと午前5時に起床してウォーキング。大さん橋で海を眺めるつもりが、警備で桟橋に入れず山下公園から眺めることに。APEC最終日は曇り空となったが、寒さもなく気持ちのよい一日だった。

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