8/21/2010

バルコニーにて

夏休みが終った今週は、妻と子供が実家に里帰りすることになっていた。なので、月曜日から9日間は僕独りで横浜に過ごしている。寂しさもあり気楽さもありといったところだが、いかんせん仕事があるので、先ずはそれになれなければならない。

加えて火曜日から3日間続けて夜の会が入り、平日はバタバタと慌しく過ぎていった。いずれの飲み会も楽しく過ごせた。お酒も飲みすぎる程でもなかった。と思っていたのだが、量的には程々でも3日続けて飲むと少し身体にくる様になったらしい。

明け方にふくらはぎがつったり、溝落ちのあたりが重く感じられたりして、その症状は日を追うごとに溜まっていく感じだった。「まあ俺等もいい歳だからねえ」と3日目に呑んだ翻訳会社の幼馴染が言った。あれだけ酒を呑んでいた彼も最近ではかなりセーブしているのだそうだ。

そういう状況なので仕事もそこそこに、金曜日の夜は酒をやめて、夕方に髪を切ってもらい、帰りに山手駅近くの古い洋食屋「やまて食道」で白身魚フライの定食を食べた。店のおばさんが妻と子供はどうしたのかとたずねたが、広島に里帰りしているのだというと、「ああそう」と言って、それからお互いの出身地について少し話し合った。彼女は姫路の出身なのだそうだ。

魚フライは素朴で美味しかった。隣のテーブルでは仕事帰りの中年のご夫婦が、マカロニサラダをつまみに冷酒を仲良く飲んでいた。いい雰囲気である。僕も麦酒を飲みたくなったが、ガマンした。

土曜日は5時に起きて、大さん橋までウオーキング。少し日が短くなったとはいえ、出かける頃にはもう日が昇っている。早く桟橋からの日の出が見られる様になって欲しいものだ。

自宅の植栽にある伸び過ぎたラベンダーの剪定をしたり、バルコニーの枯れてしまったポットを整理したり(どちらもそれなりに手間がかかる)、まとまった作業をやった。おかげでバルコニーはずいぶんきれいになった。

マイニエリの作品を聴いて、頭の中のコルトレーンに関する記憶が刺激されたこともあってか、久しぶりに"Live in Japan"に収録されている"Crescent"が聴きたくなった。ギャリソンのベースソロも含めると大方1時間近い演奏を2回続けて聴いた。やっぱりいいなあ、とまたその夜のライヴで演奏された3曲を通しで聴いてみたりして、少しうとうとした。エアコンはつけずともそれなりに気持ちいい風が窓から入ってきた。

いつも感じることだが、演奏の終盤で興奮したお客の歓声と拍手がわきあがるのを聴くと、40数年前のある日にコルトレーンは本当に日本にやってきて、何人かのお客さんを前にこの演奏をしたんだ、という当たり前のことが、とても感動的なことに思えて涙が出そうになる。

最近ではなかなかこんな時間を過ごすことはできなかった。やっぱりたまにはいいものである。

今夜は「横浜レゲエ祭」なのだそうだ。片付けたバルコニーで蚊取り線香を焚いて、ビールをやりながらこれを書いている。赤レンガ倉庫の方角でフィナーレの花火が上がっているのが少し見え、やがて静かになった。

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