妻と子供を広島において過ごした10日間、久しぶりにゆっくりと自分の時間を過ごすことができた。オーディオセットを前に、最近買ったCDを聴きながらゆっくりお酒を飲む。これで仕事がなければと思うことしきりだったが、それは致し方ない。
一方、子供もすっかり妻の実家の人々と馴染み、至れり尽くせりの優雅な時間を過ごしたそうだ。妻もしばし子育てやら家事から離れ、ゆっくりできたと喜んでいた。毎日、メールや電話での連絡は欠かさなかったが、時折携帯で送られてくる子供の写真には、最初は微笑ましく感じてそれから徐々に寂しいさがこみ上げてくる、そんな感じだった。
妻と子供が広島を引き上げる際、僕らはその途中で神戸に立ち寄る計画をたてた。10年前に入籍に7ヶ月遅れて結婚式を挙げたホテルモントレ神戸に3人で宿泊することにしたのだ。ついでにホテルの近くにある、年末に神戸の友人と食事をした沖縄料理のお店を予約し、そこで彼も交えて食事を楽しんだ。この時期にしては暑い週末だった。
ホテルは外観や内装、サービスいずれの面でも時代を感じさせたが、変わらずそこにあった。僕らがそこで挙式をした証のプレートもちゃんと残っていた。相変わらず、結婚式場としては一定の人気がある場所らしく、この週末もウェディングの準備にスタッフは忙しそうだった。
食事の後、妻と子供をホテルに帰して、僕らはいつものジャズバーY's Roadに飲みにいった。時間が早かったのもあって客は相変わらず僕たちだけだった。マスターも交えてウィスキーを飲みながらいろいろな話をした。短い時間だったがとても楽しかった。やはり神戸はいい街である。そこに大切な友人がいるというのは貴重なことである。
翌日はホテルの充実した朝食バイキングを堪能し、チェックアウト時間ギリギリまで子供とのんびりした後、新神戸駅近くの布引ハーブ園に登るロープウェーに乗った。ハーブ園は少し歩かねばならなかったので見送ったが、いい天気で神戸の港が一望できた。
帰りの新幹線のなかでも子供は比較的いい子にしていてくれた。授乳ができる多目的室がある11号車は赤ちゃん連れの家族やお母さんが多い。今度はカバンを忘れることもなく、無事に夕方5時頃横浜の自宅に帰った。
2週間ぶりに家に帰った子供だったが、ベビーベッドに横になるなり、そこにあるオモチャなどを見てすぐに記憶を戻したようで、嬉しそうにはしゃぎ始める姿にどこか少し安心した気分になった。さすがにその日は2人ともぐったりだった。
僕は月曜日は仕事の休みをもらい、家でのんびり3人で過ごした。久々に3人で食卓を囲み、昼寝をしたり子供をお風呂に入れてあげたりした。子供は離乳食を食べる様になった。声も少しまた変わったように思う(相変わらず声量は大きい)。腰を支えて立たせると、両手をバタバタと振り回す仕草に「マエストロ」という呼び名がついた。
広島と神戸の想い出は子供にどう残ったのかわからないが、3人には忘れることのできない想い出になった。
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