連休が明けて2日間出勤。以前からいろいろと忙しい毎日だったのに加えて、連休中は毎日子供を抱っこしたこともあって、連休が終わる2日前に、かつて患ったヘルニアが再発しそうな兆しが現れた。
お尻の谷間が始まるあたりが、わーんと何ともいえない痛みというか痺れのような強い感覚に支配される。同時に下半身の筋肉に怠さか痺れの素のようなものが溜まったように重い感じになる。
これまでも仕事などで少し無理をすると度々同じ症状が出てきたものだが、今回のはかつての最悪期を思い起こさせるに十分な強さで、連休最後の2日間は子供の相手をしたいのを我慢して、少し臥せさせてもらったりもした。
5、6年前にもらった貼り薬と飲み薬でなんとかごまかしたものの、仕事にいくのには少し不安があった。もちろんあのことで自分の人生に得たものも決して少なくはないが、やはりできることなら再発はして欲しくない出来事であるには違いない。
連休明けの朝、電車はお決まりの事故や故障の影響もあってかなり混雑した。少し及び腰での通勤となったが、幸い薬の効果もあって、朝になるとかなり具合は軽くなっていたし、その後症状が悪くなることはなかった。出勤リハビリの様な2日間が終わり、仕事では特に印象的なことも起こらないまま、また週末となった。
我が家のファラオは相も変わらず元気そのものだ。妻は昼夜の区別なくつきっきりでの育児を頑張ってくれている。金曜日には区が派遣している助産士さんの訪問をお願いしたらしく、いただいた暖かいアドバイスのおかげで、また新たな気持ちで子育てに向かえるようになったと喜んでいた。
引越し作業中はやっぱりあまりに多すぎるCDに少々嫌気がさしたりもしたのだが、いざCDで音楽が聴ける環境が新居に整うと、やっぱり古いオーディオセットだけは残してよかったとつくづく感じる。本当に久しぶりに耳にするジャズ作品も棚に並べ、こちらに関してもまた新たな気持ちで音楽に向かおうという気分である。
子供の泣き声にちなんで前回ご紹介したファラオの「ライヴ!」もそんな1枚だったのだが、今回もファラオの作品を取り上げたい。これは新居に越して最初に購入したCDである。
タイトルの「ジャーニー トゥー ザ ワン」は直訳すると「その人(もの)を追い求める旅」という意味。ここでいうその人とは、コルトレーンあるいは彼が追い求めた彼の音楽という意味で間違いないだろう。「ライブ!」の前年にリリースされたオリジナルLPでは2枚組の作品になっていたと思う。
この頃のファラオ作品は、最近の若いジャズファンの間では非常に人気があるらしく、ファラオを聴くなら先ず最初にこれをという表現をネットなどでも度々見かける。確かにこの作品は素晴らしい内容である。
前回紹介したライヴ作品ももちろん素晴らしいが、コンセプトアルバムとしての音楽性の深さは、当然こちらの方がしっかりと充実した内容になっている。「ライヴ!」で重要な役割を果たすピアノのジョン=ヒックスの演奏も存分に楽しめる。
コルトレーンと行動を共にしていた頃のファラオがまだ20歳代後半であり、今回の作品を製作したのが40歳と、コルトレーンが死んだのと同じ年頃にあたっている。そう考えればタイトル表された当時の彼の心境が、このような見事な作品に結実したのは感慨深い。トレーンゆかりのバラード「アフター ザ レイン」「イージー トゥ リメンバー」は2本の美しい献花だ。
素晴らしい作品に触れることで、このところ何かと慌ただしく疲れてしまっていた自分の心身も、リフレッシュすることができたように思う。多くの人にこの作品が聴かれることを願いたい。
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