12/02/2007

イヴェッチ=サンガロ「イヴェッチ ノ マラカナゥン」

 奇数月の月末は、仕事で定期発行しているレポートの発行日になっている。それなりに追い込みモードに入ったわけだが、新しい戦力も順調に仕事慣れしてくれて、これまでに比べてずいぶん楽になった。今回はネット動画と呼ばれるものとその周辺に関する状況をまとめ、これからそうしたものがどういう方向に向かっていくのかというもの。とにかくいろいろなファクトがあり過ぎて、状況をまとめるだけでもひと苦労であった。まあ限られた時間のなかでやる内容としては、満足のいくものに仕上がった。

ディスクユニオンのCD買取り査定アップキャンペーンがまだ続いているので、週末に今度はクラシック関係のCDを40枚ほど見繕って、売りに出した。この手はいつもお茶の水のクラシック館に出している。キャンペーン効果で買取り担当者は超多忙な様子だった。できれば査定に少し時間が欲しいという。まあこの周辺ならディスクユニオンやら楽器店やらがあるし、少し足を伸ばせば秋葉原にも行ける。なので4時間ほどその辺りをぶらぶらすることにした。

一頃寒くなったものの、この週末はまた少し暖かい気候だった。細身のブーツカットデニムにセーター、ジャケットでちょうどいい感じ。クラシック館を出て吉野家で牛丼を食べる。お店は混雑してサービスの要領の悪さが露呈する。ジャズ館を少し覗き、楽器店などを見て歩いた。いますぐに欲しいものはないので、あまりお店を見ても刺激を受けない。

そのまま秋葉原へ。歳末商戦ということもあってか街は賑やかだった。いまやこの街の象徴にもなったメイド姿の女の子が何人も街頭に立って、お店の宣伝をしていた。メインストリートに活動拠点を置いているアイドルグループのイベントに、何人もの人が行列をして並んでたりした。こういう様子を見るにつけ、僕はこうした文化がこの街に根付いてよかったなと思う。家電製品の街からパソコンの街へ、そしてそこから発生した新しい文化が街を活き活きとさせている。好きなことがあればそれにのめり込む。素晴らしいことだ。

夕方まで待って、査定の結果は2万5千円ほどだった。クラシック関係もまだかなりの値段で取引してもらえるようだ。春までにまた次のキャンペーンがあるだろうから、もう少しいまの持ち物を整理してみようと思っている。

妻が仕事で浜松に出張した。秋野不矩という女流画家の美術館が静岡の天竜にある。そこの取材に出かけたのだ。この人は、初め日本画家として活動していたが、人生の半ば(50歳頃)にインドを旅行したことから、その世界に目覚めてしまい、以後何度もインド周辺に足を運んで、素晴らしい作品をたくさん残した。彼女のインド旅行は80歳、90歳になっても続いた。最後に行ったのは92歳のアフリカ旅行だったと言うから凄まじい。来年が生誕百年ということからまたいろいろと話題になることと思う。

浜松のお土産だと言って、うなぎの白焼きを真空パックにしたものを買って帰ってくれた。僕は初めて食べたが、これが美味しかった。蒲焼きもおいしいが、やはりタレがくどく感じられることもある。その点白焼きは、お醤油でいただくのでさっぱり食べられ、うなぎの脂の美味しさが嫌みなく楽しめる。もちろん脂の少ない国産うなぎならではの味わいだと思う。

3週間ほど前に、以前から少し気になっていたブラジリアンポップスのDVDでよさそうなものを渋谷のタワーレコードで見つけていた。その場で買ってもよかったのだが、海外からならもう少し安く買えるのではないかと思い、結局ネット通販で取り寄せることになり、それがようやく届いた。今回の作品はそのDVDである。

イヴェッチ=サンガロはブラジルでは知らない人はいないという位の国民的大スターである。彼女が昨年末にリオのマラカナン・サッカー・スタジアム(日本で言えば国立競技場の様なところ)で行ったスペシャルコンサートの模様を収録したのがこのDVDだ。とにかくアリーナ含めてスタジアム一杯に集まった観客の熱狂が素晴らしい。

イヴェッチは今年35歳になるらしいが、歌声は力強く清々しい。さらに整った顔だちと見事な健康的肉体はDVDならではの魅力として堪能できる。イヤらしい意味で書いているのではないが、このDVDが僕の目にとまったのはジャケットにある、エナメルスーツで熱唱する彼女の姿があったから。イヤらしいですか、やっぱり。。。

彼女は日本でいうなら・・・と考えてみて、僕はいまの日本にはこういう人はいないのかもしれないなあと思った。こういう大規模なコンサートをできる人はいる、しかし国民的スターと言うと果たしてどうか。僕には日本の人気者達も素晴らしいと思うが、最近では何かその人なりグループの個性を出すこと(別の言い方では世界を作ること)を意識しすぎて、普遍的な魅力を醸し出すところに皆あまり関心がないように思うのだがどうだろう。

もう一つの魅力はやはり音楽だ。ステージはそれなりに大掛かりだが、音楽はしっかり人間の手で演奏されている。当たり前なのだが全員極めてレベルが高い。3管のホーンセクション、そしてラテンミュージックには欠かせないパーカッションセクション、コーラスやダンサー含めかなり大きなアンサンブルだが、いずれも素晴らしく息もぴったりの演奏を聴かせてくれる。それに合わせて展開されるイヴェッチの力強い歌声、改めて彼女は歌がうまいなあと思う。こういうライヴでここまでしっかり歌える人はなかなかいないのではないだろうか。

南半球は真夏のクリスマスだ。12月はいつもあまり好きな時期ではないのだが、今年は年半ばにいろいろなことがあったせいか、最近になって気持ちが落ち着いてきていつもと違った年末になりそうな気がする。今月もいろいろな人と呑みに行こうと思う。

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