12/24/2006

キース=ジャレット「メロディ アット ナイト ウィズ ユー」

 今回の投稿で、えぬろぐはまる3年が経過する。内容はたわいないものばかりだったが、投稿数は150件を超えた。こういうことを考えると、小学校の夏休みの宿題にあった絵日記とか観察日記、あるいは中学生や高校生になって親からやれと言われた添削学習のことを思い出す。もちろんいずれもことごとく三日坊主だった。僕はほとんど意に介さず遊んでいた様に思うが、積み上がるばかりの教材を見る親の気持ちを考えると、いまとなっては少し胸が痛む。

そんな僕にしては、このろぐは本当によく続いているものだと思う。これもやはり第一には、音楽のおかげだろう。そして僕を音楽に導いてくれたのは、結局のところ両親に負うところが大きいのだから、いまさらながらだが、ろぐがここまで続いていることについては、親にも感謝しなければいけないのだと思う。

このろぐの運営を開始した時からお世話になっているグーグル社のサービス"blogger"が、最近になって大きなサービス強化を実施した。新サービスでは、ブログの運営が一層便利に行えるような工夫がなされている。それに伴い、えぬろぐもサイトデザインのリニューアルを施すとともに、今回思い切ってサーバの移転をすることに決めた。見やすさと使いやすさを重視して、シンプルなデザインを心がけたつもりであるが、いかがだろうか。

この週末は、わが家でもクリスマスを祝った。プレゼントの交換はいつの間にかやらなくなっているが、その代わりに今年は手料理の交換(?)で祝った。妻は、鱸(スズキ)をアサリと野菜を使って蒸し焼きにする料理と、セロリやラディッシュ、エノキダケとレッドビーンズを使ったサラダを作ってくれた。僕は、アンチョビとニンニクでソースを作って、そこにぶつ切りにしたタコを炒めてスパゲッティを作った。思いがけずシーフードクリスマスとなったわけだが、祝い事でいつも愛用のスパークリングワイン「フレシネ・コルドン・ネグロ」で今年も乾杯となった。料理はどれもとても美味しかった。

フレシネとともに、わが家でこういう席のテーブルミュージックとして決まって流しているのが、今回の作品である。これはもうかなり有名な作品になっているので、いまさらあまり説明の必要もないだろう。1990年代半ばに、突然見舞われた病気により音楽活動を休止せざるを得なくなったキースが、ブランクの後に復活の作品として、自宅のスタジオで録音したソロピアノ作品である。作品は次の言葉とともに、彼の妻に捧げられている。
"For Rose Anne, Who heard the music, Then gave it back to me."
実は、この作品を店頭で入手するのは意外に難しいということを最近知った。大きなCD屋さんでは大抵彼のコーナーが設けられているが、僕が最近入ったいくつかのお店で見た限りでは、ほとんどの所でこの作品だけが品切れになっているということに気がついた。確かに、僕も誰かに感謝の気持ちを伝えるとともに、音楽を添えるとしたらこのCDを選ぶことだろう。親しみやすさ、普遍的な芸術性、そして作品が持つ包容力といった点において、この作品がもつ力は計り知れないものがある。

この1年、僕はやはりキースの音楽を聴くことが多かった。この3年間のろぐでも、一番多く取り上げているのが彼の作品である。前回、キースを取り上げた時にも書いたが、彼は間違いなく、いま生きているあらゆるジャンルの音楽家の中で最も重要な人物の1人だろう。来年春にトリオでの来日が予定されている。もう30年以上にわたって数多くの作品がECMからリリースされているが、それでも彼等の即興演奏に対する期待は尽きることはない。僕は今回はチケットを買わないつもりだったのだが、ここに来てやはり気持ちが傾いてしまいそうである。

キースの偉業に比べれば、中身の薄い日記が3年続いた程度で喜んでいてはいけないのだろうが、ともかく今回はいろいろな意味で一つの区切りとなるろぐである。日頃お読みいただいている方々に、感謝の意をお伝えするとともに、これからの継続と内容の充実を誓いたいと思う。つまりは僕自身が充実した生活を送るということになるのだが、その意味では本当にいろいろな人にお世話になってここまでやってこれているのだ。

本当に、ありがとうございます。
今後とも、えぬろぐをよろしくお願いします。

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