台風がやってきて、関東地方はまたまた一気に蒸し暑くなった。嵐が去った金曜日の夜9時でも、東京渋谷の気温は30度もあったそうだ。
この夏は猛暑というわけではない、普通の夏だったように思う。「クールビズ」の効果だったとはにわかに思えないけど、ここ数年続いた連日の暑さというのとは、少し違った夏だったように感じた。
まだ夏が終わったというわけではないのだが、来週からもう9月に入るという事実に、どことなく惜しい感じがする。やはり夏はいい。太陽がいいし、ビールがうまい。僕の大好きな辛い食べ物も特にうまく感じられる。
僕はカレーが大好きである。インドカレーやタイカレーも好きであるが、一番好きなのはカレーライスだ。子供じみているとは言わせない。辛いヤツがいい。自分で作るのも好きだ。今年も2回ほど作ってみた。
大阪にいた頃は、ずっと通いつめたカレー屋さんがあって、僕はそこのカレーがいまでも一番好きである。あちらにいく機会があるときはできるだけ立ち寄るようにしている。大阪梅田周辺に数店出している「インデアンカレー」というお店。大阪ではかなりメジャーなお店である。今度、東京の丸の内に出店するという噂を、インターネットで知った。嬉しいと思うなかにも、一抹の不安か心配がよぎるのはなぜだろう。
今日も、夕食を自宅の近所にあるタイ料理屋さんですませた。JR横須賀線新川崎駅のすぐ近くにある「ラーイマーイ」というお店。家から歩いて20分ほどのところにある。ここはいろいろな料理を出しくれるし、値段もそこそこで美味しいタイ料理が楽しめる。お店の内装も落ち着いていて、場所柄それほど混んでいないので、居心地がいい。
いままでなら、2人で3品ほど料理を注文してビールを飲み、最後にカレーでしめるというのがお決まりだったのだが、今日はビールを2杯飲んでしまったらおなかがふくれて、カレーは食べずに帰った。ちょっと名残惜しい。
タイでは象が神様である。お店にも象をあしらったいろいろな壁飾りや置物が並んでいる。今回とりあげるCDのジャケットにも、鼻がサックスになった象がデザインされている。この一週間、通勤時にはほとんどこれを聴いて過ごした。
デヴィッド=S.ウェアは、今年56歳になるサックス奏者である。決して若くはない。しかし、最近ジャズの世界ではなかなかこれと思えるサックス奏者がいない僕にとっては、ブランフォード(=マルサリス)とはまた違った意味で、とても貴重な存在である。今回の作品は、彼が自己名義の作品としてははじめてとなる本格的なライヴアルバムだ。ヨーロッパの3つの会場での録音をCD3枚組に仕立ててある。
ウェアの名前は、このろぐで以前にセシル=テイラーの作品をとりあげた際に登場している。あの作品はほぼ30年前、ウェアが20代の時のものだが、今回の作品は1998年と2003年の録音。共演はマシュー=シップ(ピアノ)とウィリアム=パーカー(ベース)と、現代のフリージャズシーンをリードする名物トリオなのである。
ウェアはアイラーに似たスピリチュアルな演奏と音色を持ちながら、セシルの影響か音楽の構造面での表現もしっかり併せ持った、現代的なフリージャズを実現できている人だ。
アイラーの話がでたついでにいうと、ウェアは少年だった頃のアイドルは同じくソニー=ロリンズであり、ウェア自身その頃にロリンズからサックスの演奏を教わった経験を持っているという。今回のCDでも3枚目でロリンズの「フリーダム スウィート」全曲を演奏しており、ブランフォードとは全く異なる方向のジャズでありながら、曲のタイトルを地でいく見事な演奏をしている。ロリンズ譲りの(?)力強いローブローも随所で聴くことができる。
CD1枚目の「アクエリアン サウンド」がいきなり30分を軽く超える長尺演奏。イントロで全体のテーマとなるパーカーが奏でるベースラインの、なんと切ないことか。拍子の観点から言えば4/4拍子の時間軸で書かれてはいるもののノリは全く変則的なパターン。でありながらそんな構造はお構いなしに、圧倒的エモーションが迫ってくる。このユニットが目指す音楽の深さが現れていると思う。
とにかく、こういうオリジナリティがあって存在感のある、力強いサックス演奏というのは、最近の作品にはあまりないように思う。ウェアはフリージャズだからと敬遠する人もいるかもしれないが、シップやパーカも同じく、より洗練され現代に息づくフリージャズという意味で僕はお勧めしいたい。見事なサクソフォンミュージックである。
David S. Ware official website ウェアの公式サイト
Thirsty Ear Recordings ウェア等の作品を発売するサースティイヤー社の公式サイト MP3での試聴もできます
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