暑い毎日が続いているが、真昼間にエアコンもつけず、サッカーパンツ一丁でマックに向かってこれを書いている。まあこれはこれで不愉快なものではない。
さて、夏休みにふるさとを訪ねた記録を綴った前回だったが、何人かの人からメッセージをいただいた。同郷の人、そうでない人様々だった。やはり生まれ育った土地に思いを巡らすと、人は少しセンチに(センチってsentimentalのことだよ)なるのだろうか。いまの生活がもちろん自分の舞台であることはわかっているのだが、ふっと記憶に間がさしてふるさとが蘇り、それで少し気分がリセットされる。そういうところなのかもしれない。
今回は、久しぶりに正統的な(?)ジャズピアノトリオの作品をご紹介したいと思う。
マルグリュー=ミラーは今年50歳を迎えた黒人ジャズピアニスト。彼はちょうど僕がジャズを聴き始めた大学生の頃、新鋭の若手ピアニストとして注目を集めた。当時は、アート=ブレイキーのジャズメッセンジャーズでもピアノを担当するなど、なかなかの才能を見せていた。確か、僕もその頃の彼の演奏を収録したCDを持っているはずだが、いまは押し入れに眠っている。
その後、いわゆるメインストリームジャズにとっては、少し地味な時代になってしまい、彼の名前が僕の音楽生活に登場することはなくなってしまった。ところが、最近、輸入CD各店のバイヤー情報で一斉に話題になった今回の作品で、僕は久しぶりに彼の名前を目にすることになった。
彼が現在率いているトリオのライヴ演奏を収録したもの。場所はカリフォルニアのオークランドという街にあるヨッシーズというジャズクラブである。既にこの作品の続編(Vol.2)も発売されている。
演奏は50年前のマイルス=デイヴィスの演奏で有名な「イフ アイ ワー ア ベル」で始まる。時報のチャイムのメロディで始まる軽快な演奏。すぐさまアメリカ西海岸でのジャズの夜にひき込まれてしまう。様々なスタンダードナンバーや彼のオリジナル曲が実にいい雰囲気で展開される。内容は決して軽々しいものではない。リラックスしたなかにもしっかり聴かてくれるジャズである。
発売元のMAXJAZZというレーベルは、1998年に設立されたプライベートレーベルのようで、現在までに数十タイトルの作品を発売している。ピアノシリーズは本作をはじめ、デニー=ザイトリン、ジェシカ=ウィリアムズ等の非常に趣味のよい演奏を揃えているようだ。他にヴォーカルシリーズやホーンシリーズもあり、サイトを見る限りはなかなか充実したカタログになっている。
久しぶりにいいジャズに触れることができて、いい気分である。MAXJAZZの他の作品にも手を出してみたいと思っているので、いい作品があればおってまた紹介していきたい。これから秋を迎えるまで、いい演奏に巡り会えそうである。
MAXJAZZ.com MAXJAZZのサイト いろいろな作品が試聴できます
mulgrew miller International JazzProductionsによるマルグリュー=ミラー紹介ページ
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