10/28/2012

チャーリー=ヘイデンの芸術

涼しさを通り越して肌寒さを感じるようになってきた。土曜日の朝5時半にウォーキングに出かけ、6時に着いた大さん橋でちょうどベイブリッジから昇る日の出を見ることができた。真っ赤なまあるい太陽はとても綺麗だった。

法事で和歌山に向かう鉄道の中で、ゆっくりといろいろな音楽を聴いた。コルトレーンも聴いたし、武満やチャーリー=ヘイデンの作品なんかも聴いた。

どうしてそう言う気持ちになるのかはわからないけど、久々に充実した音楽時間を過ごせた。法事というイヴェントに向かう自分の意識が、こういう曲を求めたのかもしれない。

チャーリーのアルバムは何枚か持っているけど、僕が愛聴しているのは、1976年に企画された親友達との歴史的デュオ演奏を収録した2つのアルバム「クロースネス」と「ゴールデン ナンバー」なのであります。

The Golden Number:
Charlie Haden with Don Cherry, Archie Shepp, Hampton Hawes and Ornette Coleman

Closeness:
Charlie Haden with Keith Jarrett, Ornette Coleman, Alice Coltrane and Paul Motian

まあ見てくださいよこの豪華な顔ぶれ。それぞれのライナーノートには、全員がチャーリーとの邂逅についてサイン入りで一筆したためてあります。このことが彼に対する音楽家たちの圧倒的なレスペクトを物語っています。

この2作はチャーリーの音楽を知るうえでは、絶対に外せないもの。極論かもしれないけど、これらを聴けば彼の音楽の本質としてはほぼ必要十分ということ。他にどうしても聴かねばならないものがあるとすれば、「リベレーション ミュージック オーケストラ」だろうか。

彼のベースを聴くとき、僕は技巧的なことをほとんど意識しない。おかしな表現かもしれないが、意識が向かうのは演奏以前に音楽なのである。特に最近そういうことをすごく感じるようになった。歳の所為だとすれば悪いことではないと思う(ちょっと遅かったかもしれないが)。

もう僕自身のなかではほぼ確信しているのだが、これはどうやら本格的なヘイデンブームが訪れたようだ。ディスコグラフィーを参照してみると持ってない作品も多い。さっき3枚で十分と言ったではないか、と思われるかもしれないが、この病気はそういう矛盾が典型的な症状なのでありやす(笑)。

昨夜もう長らく聴いていなかった「リベレーション・・・」を鳴らしながら、若い頃のように無駄遣いはできないから、ちゃんと狙いを定めて買わないとなあと思っている端から、「戦死者たちのバラード」をアマゾンでポチってしまいました。うーん。

いいねえベースは。いいねえジャズは。いいねえ音楽は。

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