今回はももいろクローバーZの音楽について少し。
先週はアルバム「バトル・アンド・ロマンス」以降に発売された2つのシングル盤(「労働讃歌」と「猛烈宇宙交響曲・第7楽章『無限の愛』」)を手に入れたので、そこに収録されている6曲を通勤電車の中でよく聴いた。やっぱりももクロはイイねえ。
月末にまたシングル「Z女戦争」も発売されるとのことで、そのうち2曲はすでにPVがYouTubeで公開されている。それらも含めると9曲がメジャー盤として次のアルバムまでに世に出ることになるわけだ。
そうなると、さすがにそれらすべてが次アルバムに収録されるのではないのかなと考え、まあ買っておくかということになった。まあ要するにそれほどお気に入りだというわけでありやす。
僕はJ-Popも大好きだし、自分ではけっこうミーハーだと思っている。だけど音楽に関しては、やっぱり何かしら感じるものが必要であって、ヴィジュアルだけで満足ならCDなんかは買わない。
ももクロのことが好きだからそう感じる部分もあるのだと思うが、彼女達の歌はなかなかいい曲が多い。歌って踊る姿も含めて楽しいのはもちろんだが、音だけ聴いても結構楽しませてもらっている。
今回ご紹介したいのは「LOST CHILD」という歌。これはシングル「猛烈宇宙交響曲・第7楽章『無限の愛』」に同時収録されている曲(昔で言うB面)。シングルを購入して初めてじっくりと聴いてみたのだが、いま時点で公開されているももクロの曲のなかでは、僕が一番好きな歌である。
マイナー調でテクノ色の強いサウンドにシリアスな歌詞。笑顔で楽しく脳天気な従来の彼女達の曲イメージとは一線を画した作品に仕上がっているが、それがしっかりとももクロの音楽になっているところが、ある意味いまの彼女達の実力なのだと思う。
ももクロの音楽と言えば、前山田健一氏(ヒャダインさん)のことが何かと話題の様だ。先日もテレビ番組「情熱大陸」で同氏の特集があり、番組の前半ではももクロとの関係にも結構時間を割いて作られていた。
しかし、ももクロ作品に限らずなのだが、僕は前山田さんが現時点でそれほど突出した音楽家であるとは思わない。「J-POP界の革命児」はちょっと大袈裟ではないか。
少し成功している様に見えるものを、針小棒大に取り扱うのはイケません。正しい批判や反抗を欠いた最近の貧しいマスコミ感性の悪いところです。
あの番組を視て、逆に「ヒャダインさん、あんな風に放映されちゃっていいの?」と感じた。曲作りの手法も、番組テーマのアレンジも、特に新しさは感じなかった。敢えて言うなら「イマ風」か、でもそれもちょっと言い過ぎだよな。
まああの番組についてはご本人はもう完全に割り切っているのだろうけど。僕はちょっとだけ出て来た「ミクロコスモス」を一生懸命弾いたというヒャダインさんに期待したい。別に現代音楽やれと言ってるんじゃなくて、まだまだこんなもんじゃないでしょ、ってこと。
もちろん、ももクロの前山田作品は名曲揃いだし、「猛烈宇宙交響曲」も名作である。このユニットの特長を形作るのに少なからずの貢献をしているとは思うけど、だからといってそれらが突出しているわけではないと僕は思う。
話を戻して、この「LOST CHILD」は「ピンキー・ジョーンズ」や「天手力男」などを手がけたNARASAKI氏が作・編曲を担当、作詞は大ヴェテランの岩里祐穂氏である。前山田作品からすると、ある意味「堅実な」作品なのかもしれない。
NARASAKIさんのももクロ作品はどれも大好きだが、共通するのはオリエンタリズムである。ピンキーも天手力もインド音楽が大きくフィーチャーされているが、LOST CHILDはまたインドとは少し違う、でも東洋の節を感じる(中東とかチベットかな?)。ここが僕には結構ツボなのかなあ。
さっきも書いたけど、こういう作品をしっかりとものにしてゆくあたり、彼女達の進化を感じるわけで、それが嬉しくもある。
もちろんダンスやトークやコントもいまのアイドルには大切な要素なんだろうけど、僕は音楽が好きでももクロも好きになった人だから、やっぱり歌はしっかり大事にやって行って欲しいと思う。
参考までに、同シングル(通常盤)に収録されているもうひとつの作品「DNA狂詩曲」もなかなかいい曲ですよ。このシングルは3曲でアルバムに匹敵する世界観があり中身の濃い作品になってます。
次の「Z女戦争」と「PUSH」も含め、セカンドアルバムの様子がだんだんと想像できそうな感じになって来た。実はこの2曲については、PVだけでの感想としては、ちょっとマンネリ感が出て来てないかと心配なところもある。アルバムではひとつ意表をつくひと味を期待したいところ。
蒸し暑い日曜日となった今日から、夏のツアーが始まった。残念ながら最終日の西武ドームを除いてチケットは見事にハズレだったけど、まだしばらくももクロには期待していきますよ。
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