80/81もそうだったが、それと同程度かそれ以上に長らく耳にすることのなかったCD3枚組のこの大(問題?)作を、まさかこのタイミングで何度も聴き返すことになろうとは。人生はわからないものである。
それでもこのCDを処分していなかったのはやはりそういうことを将来に期待していたことの証であろう。僕にとってはデレクの演奏が聴けるものはやっぱり手元に残すべき、との想いがあったのだと思う。
初めてCD3枚を(朝昼問わず)じっくり何度も聴き、これは大傑作ではないのかもしれないけど、やっぱり圧倒的な大作なんだなと感じた。
メセニーやワルティコの演奏にどうしても拍子を感じてしまう瞬間があるのが、やっぱり気になってしまうのだけど、デレクもそこらへんはお構いなしに自由にやらせてフォローするという感じ。
メセニーに偏見があるわけではないが、やっぱり一度できてしまったトレードマーク的なフレーズや音色に、何らかの理由で自ら違和感を憶えてしまったということなら、それは理解できる。
それでもこれだけの作品を残し、またオーネットとの共作も果たしながら、なぜ"Zero..."を発表したのか・・・と、どうしてもまたこの話になってしまう。よっぽど辛かったのかなあ。違う何かになりたかったのだろうか。
このアルバムでちょっと惜しいのは、すべてのトラックが4人での集団即興になっていること。それが時に単調さというかパターンのようなものを感じさせる。せっかくこれだけの才能が集まっているのだから、デュオとかトリオとかいろいろなフォーマットでの演奏も聴きたかった。
残念ながら現在は廃盤であるが、アマゾンの中古市場などでかなりのお手頃の価格で手に入れることはできるようだ。興味ある人、あるいは即興好きの人は聴いて損はない作品。今は亡きデレクの貴重な演奏記録でもある。
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