川本真琴の9年ぶりのアルバム「音楽の世界へようこそ」が発売されて2年が経った先週のこと、僕はやっとこれを手に入れた。
出たのは知ってたけど、とても聴きたかったのだけど、手に入れるタイミングというのがなかなかあわずに、ここまで延びてしまったよ。まあ9年ぶりだから、2年くらいはいいじゃないかと言うはちょっと無理があるかな。
2001年3月発売の前作「ゴブルディーグーク」をこのろぐで取り上げたのは、8年前だよなんと。このろぐの2回目のエントリー。
この間、事務所を辞めたりと、一時引退かと思わせることもあったけど、気の合う仲間の人たちと組んだユニット(Tiger Fake Fur)でミニアルバムを出したり、ライヴをやったりとちょこちょこ活動していることは知っていた。
でも、やっぱり川本真琴としてのアルバムが待ち遠しかったなあ。だから、アルバム発売の第一報は素直に嬉しかったなあ(だったら早く買えよ)。
気になる中身はというと、耳にする前に大きな期待とちょっぴり不安が交錯したが・・・よかった!とてもよかったです、やっぱり。本当に素晴らしい作品。3回目くらいでそのことがもうブルブル震えるような感動となって確信された。
一般の程度からすると明らかに寡作の人だから、メジャーな音楽ビジネスの流れにはあわないのだけど、それでもちゃんとこうして高いクォリティの作品を出してくれるのがスゴいです。いろいろな意味で強い人、尊敬します。
僕はファーストアルバムもセカンドもそりゃもう何回も聴きましたが、今回のアルバムも含め、どれが一番いいとかってやっぱり言えないね。どれもスゴい傑作。
川本さんはいま38歳。3枚のアルバムを聴いて感じるのは、人生のそれぞれのステージについて、彼女が生きる時代も反映させながら、実に素直な音楽を作るということ。
文学作品に通じるようで(最近の文学もそういうところが失われてきているように思うのだけれど)、やっぱりポップスだとか何だととかいっても、その前に音楽は芸術なんだよなあとあらためて感じます。
個別の楽曲についてはコメントしませぬ。別にこのアルバムに限ったことではないけど、1曲1曲珠玉の出来であります。なかでも特に素晴らしいのは・・・おっと。
昨年発売されたミニアルバム「フェアリー・チューンズ」にカップリングされているDVDも観たけど、これがまた個人的にはかなりヤバい内容だった。僕にはこれがまるでエッセイ集のように映り、ちょっと胸がキュンとしました。これについてはまた機会あれば別に書きます。
どこかのレビューか何かで、川本さんのことを「サブカルチャー」みたいな書き方をしていた人がいたけど、違うと思う。言葉の意味をちゃんとわかって使ってるのかなとも思うが、僕にはむしろこれこそがポップミュージックの王道なのだと思います。
J-Popの歴史上でも極めて重要な存在の人。どの程度重要なのかって言われたら、僕が直感的に思い起こすのは桑田圭祐かなあ。音楽的なオリジナリティとかセンスとか、そのくらいの才能がある人だと思います。2〜30年に一度出るかどうかの人じゃないかな、冗談抜きに。
これはお勧めであります。大推薦作品!
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