1/09/2012

ももいろクローバーZ

既にお正月気分も抜けてきたところ遅ればせながらではありますが、本年もえぬろぐをよろしくお願いいたします。お正月が週末にかかったこともあって、今回が年明け最初のろぐになります。

年末年始は、先に出発した妻と子を追って単身広島に向かう前に、神戸で途中下車して昔からの音楽仲間と一杯やって1泊。その後3泊4日で広島にある妻の実家と兄の家で世話になった。

風邪ひきで大変な年末年始を過ごした昨年とは違って、慌ただしいなかでもそれぞれの場所で充実した時間を過ごさせていただいた。

仕事をお休みした8日間のうち初日と最後の2日間は、独り横浜の家でのんびりした。朝にウォーキングをしたり家の周囲の少しまとまった掃除をしたり、あとは音楽やらお酒やらをしっかり楽しんだ。

さて、新春最初に取り上げる音楽の話題は、日本のアイドルユニットももいろクローバーZである。

昨年あれほどフリー三昧(もちろん年末年始の新幹線移動中もそうだった)だと言っていながら、いったい何事だとか、わけの分からん音楽聴き過ぎでとうとう頭がおかしくなったのかとか、そもそもそのももいろなんとかって何じゃ?とか、やっぱりおまえもハマったかとかとか、まあ何を言われても構いませんこと。

「ももクロ」の名前を初めて知ったのは、昨年の春頃にスポーツ紙の芸能記事で見かけた記事だったと思う。とにかく女性アイドルユニット真っ盛りの昨今、こんな娘たちもいるのね程度の認識であったが、戦隊ヒーローみたいな衣装でポーズをとった写真だけは妙に印象に残っていた。

それが年末近くになって、仕事で購読しているテック系のウェブニュースの記事で「記者が選ぶクリスマス商品」というのがあって、そのなかで彼女達の2枚組ライヴDVD「サマーダイブ2011 極楽門からこんにちは」が紹介されていた。

作品を熱く推す短い記事に「へえ」と思った僕は、YouTubeで公式に公開されていたその映像をみて、うーんなるほどこれはいいかもと直感し、ますます興味を高めてしまったのである。

広島から横浜に戻った正月3日の夜に、ようやくそのDVDを手に入れて、さっそくその夜に2枚を一気に通しで観てしまった。ステージを明るく元気に歌って踊りまくる彼女達にすっかり魅了され、これが事実上僕の2012年のスタートとなったような気がした。

2枚のディスクには、2011年8月20日よみうりランドイーストで行われたライブ完全収録した約2時間と、特典映像としてその日に至るまでの出来事をまとめたドキュメンタリー映像約30分が入っている。

事前にYouTubeで観ていた冒頭の1曲以外には、彼女達についてほとんどなんの知識もなかった僕が、これを一気に観てしまったことには、自分でもちょっと驚いたが、それもやっぱりいいものに出会えた時のいつもの自分の反応だなあとすぐに納得してしまった。

ライヴイベント本編の冒頭25分間はメンバーも交えた前座代わりの寸劇。音楽性は抜きにしたももクロワールド一色の内容。ここでどん引きしてさっさと再生中止となる人も多いのだろうが、僕には20年前に発売された森高千里のライヴビデオ「古今東西」の冒頭を思い出させるものだった。25分は確かに長いが、まあこれはこれ。あくまでも前座だ。

ステージが始まって1曲目「Z伝説〜終わりなき革命〜」は、メンバーそれぞれのプロフィールとユニットとしての決意表明の様な作品だが、いきなり全開で炸裂するエネルギーと独特の世界の魅力に吸い込まれる。

Z伝説〜終わりなき革命〜


とはいえ、熱中しながらも当初はまだ心のどこかで「小っ恥ずかしさ」の様なものを抱えながら観始めた僕だったが、4曲目の「ピンキージョーンズ」で完全に「画面の中の世界の人」になってしまった。あとはもうただひたすら彼女達の世界に没入。

天手力男


ココ☆ナツ


気がつけば3曲のアンコールを含めた2時間のステージが終了していた。まだまだ続くアンコールの声に涙するメンバーの姿とともに本編は終わる。

ももクロ作品の作風は自他ともに認める「青春真っ只中おバカ路線」だが、重要なのはそれと一体となった芸風である「元気一杯一生懸命」なパフォーマンスにある。

歌や踊りははっきり言ってウマいわけではない。そもそもウマいって何?ということもあるが、そこはアイドルの本領であり、彼女等のパワーと爽やかさとお茶目さと可愛さは、ウマいヘタをはるかに超えた「素晴らしさ」を生み出す。それはAKBでもEXILEでもジャニーズでも韓流でもない、ももくろ独自の芸術だろう。ウマいよりスゴいなのである。

どうして自分がこれに惹かれるのかについては、なかなか巧く言い表すことができないが、いろいろなレビューにある内容に素直に共感できるものもある。単純に「元気をもらえる」ということ。みんな10代後半の女の子でもちろん可愛いとは思うが、鼻の下を伸ばして鑑賞するということではない。

今年年男の僕としては、これまでの人生を振り返りいろいろと考えてしまうところもあるのだが、最近つくづく思うのはちょうどこのくらいの年頃、中学生から高校生の頃の過ごし方に、少し後悔に似た想いがある。

父親にもなり、会社である種の職についている立場のいまも、やはり充実感の裏にほとんど同じくらいの無力感がある。その理由を遡っていくと、ぼんやりと「あの頃」のことが浮かび上がるような気がしている。

すでにアイドルとして成功した域に達したといえる彼女達のひたむきなパフォーマンスを観ているうちに、自分には得ることができなかったある種の憧憬を感じているのかもしれない。

最近よく言われる「元気をもらう」ということの実際は、なかなか複雑な事情があるのだろうと実感した次第。

作品に不満があるとすれば(ドキュメンタリーという意味では仕方ないのかもしれないが)、演奏中の映像については観客やステージの全景などに費やすカットをもう少し減らして、できる限りメンバーの姿を中心に構成して欲しいと感じる場面がいくつかあったことか。

例えば「ピンキージョーンズ」のサビのところで、客席に発射される放水砲を収めたいあまりに、メンバーからカメラが引いてしまうところなど、ちょっと残念ではあった。個人的にはあの衣装が好きなので。まあそんな見方も少しはしてますよ(笑)。

ユニットの生立ちやこのDVDに対する賞賛などは、公式サイトである。やWikipedia、アマゾンなどのレビュー等々いろいろな人が書いているものを見ていただければと思う。ただこの魅力にハマるか否かは、すべての音楽同様やはり実際に作品を観てみないことにはわからない。僕には何か惹かれるれるものがあり、それを実際に観て感動した。

今年4月に横浜アリーナで彼女達の2日間のライヴが決定したのだそうだ。新年早々縁起がいい幕開け(笑)。これはやっぱり一度生で観てみたいなあ。

というわけで、2012年もいろいろな出会いをこのろぐで綴っていければと思ってます。新機能「感想ボタン」もよろしくお願いします。

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