年の瀬に忘年会と称して、堂々と呑みに行けるのは楽しみなのだが、職場関係で開催される大規模な忘年会はこのところサッパリ面白くない。気がつけばもう十何年もそんな状況が続いている。
なので僕にとってここ10年間ほどは、一緒に呑みたいと思っている人に声をかけて、その都度々々でこじんまりと楽しむのが忘年会になっている。最近ではそういう人は多いのかな。
翻訳会社に勤める幼馴染みにも声をかけたのが11月の終わり頃だった。二つ返事でOKかと思いきや、返ってきたメールにはドクターストップでしばらく酒が飲めないとある。
聞けば食道と胃の具合に異常が見つかったのだという。胃袋騒動があったばかりの僕としても、さすがにそれは気がかりだった。とりあえず食道の炎症を治す薬が処方され、それを飲んだ効果が出ているかの検査結果を待つことにした。
ところが、数日後に届いたメールでは結果はあっさり良好だったようで、さっそく呑みに行こうとあった。開催されたのは先の土曜日。場所は彼の要望で山手のほうちゃんに決まった。うれしいことである。
本来なら、せっかく山手まで来ていただくのだから、妻と子供も少しだけご一緒させてもらうつもりだったのだが、あいにくお店の座敷が満席とのことで、やむなくカウンターを予約して2人で呑むことに。
注文はいつもと同じ。おまかせ串4本、ガツ刺し、大とろホルモン、ホルポン、レバカツ、ハムカツ、生キャベツ大、特製シロモツ、それに生ビールや生樽ホッピー、焼酎ハイボール、熱燗など。何度食べても美味しい。人気のわけである。週末休前日はカウンターでも予約は必須だ。
果たして、薬で治療中の彼がどの程度までお酒を飲んでもいいものか気がかりではあったが、いろいろな話をしているうちにいつものペースになった。一通り食べてお腹がふくれると、彼の方から「せっかく山手まで来たのだから、1杯だけマディに寄っていこう」となった。
マディも夏に会社の同僚と行って以来だ。お店はそのままだった(当たり前か)。先客は2名、薄暗い店内、ブルースが流れる中でマスターはせっせとコップを拭いている。カウンターのなかにいるバーテンダーとは、シェイカーを振るかグラスを拭くかのいずれかのポーズを強いられるんですよ、と言わんばかりだ。
幼馴染みはハイボールを飲み、僕はビールを飲んだ。1杯で終わるはずはない。途中、お客が僕らだけになった(決して短くはない)時間があり、マスターにお気に入りのブルースをかけてもらいながら音楽の話をした。
店を後にして名物のデルタ階段を下ったのは午後9時半頃だった。5時半から飲んでいるのだからまあこんなものだろう。山手の夜はいい。
しかし、せっかく胃腸を大切にしなきゃねとか言う話をしたのに、なぜか小腹が減ってコンビニで妻から頼まれていた食パンを買ったついでに、サッポロ一番みそラーメンを買ってしまった。家に帰って、子どもを寝かしつけて本を読んでいる妻の目の前でそれを鍋から直に食べて顰蹙をかう。結果はしっかり胃もたれに。おかげでよく眠れず翌朝のウォーキングは果たせずだった。
やはり酒はコワいものでもある。
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