9/26/2010

コルトレーン最後のニューポートフェス

今月に入って買ったCDの3枚目は、コルトレーンの"Last Performamce at Newport July 2, 1966"である。彼は計4回ニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演しているが、これはその4回目の演奏を収録した作品である。

演奏時期はタイトルにある通り。これは彼の死の1年前の演奏であり、2つの演奏記録が残されている僕の愛聴盤"Live in Japan"の少し前の演奏ということになる。メンバーもファラオを含む同じクィンテットだ。

これが発売されたのは昨年のこと。さすがに死後40年以上を経て未発表の音源が出てくるのは、宣伝文句通り「奇跡的」とも言えるが、音源の存在はそれなりのファンの間では知られていたし、一部は既に10数年前に発売されたドキュメンタリー映像作品のなかで登場しているので、別に驚くにはあたらない。

1時間弱のステージで3曲が披露される。冒頭のギャリソンのベースソロとテーマ演奏がカットされた"My Favorite Things"、日本公演で演奏された"Peace on Earth"に代わるバラードとして"Welcome"(これはかなり聴き応えのある演奏だ)、そして"Leo"である。

演奏内容は日本公演と極めて近いもので、その意味では僕には親しみやすくかつ感慨深いものであった。トレーンのソロはここでも激しさと美しさに溢れており、ただただ圧倒されて聴き惚れてしまう。

ただ録音は必ずしもいいとは言えず、ところどころにテープの傷みが残されているのと、いずれの演奏曲目についても、ハサミが入れられているのは不満が残る。その辺事情については、ライナーノートにこの演奏を記録した人物の回想が出ている。その意味では演奏がこうした形で再現されて発売されるのは奇跡的なのかもしれない。あとはマイクがややトレーン寄りになっていて(それだけ彼の音がデカいということか)他のメンバーの音がやや奥まっている様に感じた。

ともかく"Live in Japan"が好きで好きでたまらず、同時期の他の演奏を切望する僕の様な人には、嬉しい内容である。日本公演が現在は廃盤になってしまっているので、この時期のコルトレーンを知るには貴重な音源と言わざるを得ない。

ということで、ここまで3回に渡って書いたようなCDを買っては、通勤途上や子供が寝てしまった後の一息に楽しむという相変わらずのささやかな音楽生活である。実は月後半に入ってまた2枚買ってしまったのだが、またそちらについては追い追いご紹介してゆきたい。

音楽は素晴らしい。

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