3/09/2010

ブランフォード!

いや〜観てきました!ブランフォード=マルサリス・クァルテット@ブルーノート東京。最終日の1stステージでした。職場で知り合った音楽仲間と2人でしっかり拝ませていただきました。

陣取った席は、彼の真ん前約3メートルの位置という絶好のポジション。ピアノのカルデラッツオもほぼ真ん前で両手が丸見え。ベースのレヴィスはブランフォードの後ろにしっかり陣取り、楽器を横向きに構えるというピックアップならではのスタイル。そしてジェフ=ワッツに代わって新加入のジャスティン=フォークナーは、なんとまだ19歳という若手。

彼のことを知った時は、ワッツが見られないことが残念に思えたのですが、演奏が始まってみると、これがもうスゴい!の一言でした。ジェフにまったく引けを取らないド迫力ドラミング。確かにまだ個性的とは言えないかもしれないけど、今日日の優れた若手はこんなところからスタートするんですね。恐ろしい!

ブルーノートは各テーブルにこれまでやってきた演奏家のサインが埋め込まれているのですが、今回僕らが座ったのは、なんとあのトニー=ウィリアムスの名前が刻まれたテーブルでした。トニーがブルーノートからデビューしたのが、確かいまのジャスティンと同じ位の歳だったというのも、何か奇遇な感じがしました。

演奏曲はアンコール含め全6曲。うち3曲が最新作"Metamorphosen"からのもの。ステージに上がったメンバーは非常に和やかな雰囲気。ブランフォードはニコニコしながらアルトを手にすると、その笑顔のまんま1曲目の"Jabberwocky"がスタート。アルバムのなかでも非常に印象的なテーマなので、「おっ今回はあのアルバムの曲中心かな」と楽しみになってきました。

そして待望のテナーに持ち替えて、さあて緊張のまま2曲目へ!と待ち構えると、「ヴォ!・・ヴォ!」とテナーの低音でリズムを出したと思うと、始まったのはなんと"Stompin' at the Savoy"でした。リラックスした雰囲気のなかにも、ロリンズの様な楽しく鋭い演奏でした。カルデラッツオのピアノもダンスパーティー風で軽やか。

しかし。。。ここまでは単なるウォーミングアップの様なものでした。続いてテナーのまんまで3曲目の"The Return of the Jitney Man"へ。アルバム冒頭の印象的な曲ですが、ここでクァルテットは突然アクセル全開レッドゾーンへ突入。ブランフォード狂気の咆哮に絡み付くリズム隊、特にジャスティンがついにその本性をむき出しに、そしてそのままカルデラッツオの壮絶連射ソロへ!!! とても言葉ではお伝えできません。とにかくステージの光景すべてが真っ赤に燃え上がった20分間でした。あれを聴いてしまうとCDでの演奏のなんともの足りないことか。「あれ、もう終わり?」って感じです。

4曲目はソプラノで美しく神妙なバラード"The Blossom of Parting"。ベースの単音のイントロを聴いた時は、「おっ"Sumo"か!」と思いましたが、ちょっと期待し過ぎでした。もはやクァルテットが超真剣モードに入っているので、音数の少ないなかでいやでも緊張感の高まる演奏でした。美!

そして5曲目はアルバム"Contemporary Jazz"から"Cheek to Cheek"。テーマはやや和やかな雰囲気に戻りましたが、ああいう曲ですからやっぱりまたどエラい展開に。最後のラテンループのところで、ブランフォードがジャスティンの顔にかがみ込んで「さあ坊やソロをやってみるかい?」と言わんばかりの挑発に、ジャスティンは最初はエド=ブラックウェルみたいな連打で応えていましたが、そうそう長く続けられるわけもなく、途中でタガが外れて、あとはもう・・・ご想像ください(笑)。その場で聴けなかった皆さん、残念でした、ごめんなさい。

ここまで70分間、メンバー紹介以外のMCもない堂々たるステージでありました。最前列の端の方で聴かれていたご夫人がご気分を悪くされて退場するというハプニングの後、アンコールとしてソプラノを使った短いブルースが演奏され、見事にクールダウンさせていただきました。

この興奮を少し冷まして帰らないとなあ、ということで、冷たい細雪が積もるなか足早に表参道を後にし、2人で横浜駅を降りて西口の安い居酒屋で刺身や串焼きをつまみにラップアップ、のつもりがついつい呑んでしまいました。この夜の外は横浜もとても寒かったのですが、我々の楽しく熱い一夜は深けていったのでありました。

家族には申し訳なかったですが、これを聴きに行かせてもらって本当によかったです。パパは幸せです!

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