伊豆の温泉から川崎の自宅に戻ったのは土曜日の夕方、和歌山から出張で上京した幼馴染みと川崎駅地下街のビール屋で一杯やることになった。これまでも何度かろぐに登場している彼だが、相変わらずの飲みっぷりにこちらも調子を合わせてしまい、おかげさまでそれはそれはたくさんのビールをいただいたわけである。
レシートによると、大きめのワイングラスより一回り大きい専用のビアグラスに入ったお店自慢の生ビールを、2人で15杯ほど飲んだ後、ウィスキーのオンザロックを彼はダブルで2杯、僕もシングルで2杯いただいた。彼は平気だったようだが、僕はすっかり酩酊寸前で自宅に戻った。
さすがに翌日曜日の朝までは少し頭が痛んだが、起きる頃には気分もなんとか平常に戻ったかに思えた。妻と少し散歩がてら武蔵小杉にある餃子の王将まで出かけ、餃子やラーメンを食べ、イトーヨーカドーで買い物をして家に戻った。
お腹の調子がおかしいと思い始めたのはその日の夜からだった。汚い話で恐縮だが、もう完全な下痢なのにお腹が緩くて超特急というわけではなく、トイレでさんざん頑張ってようやくそうしたものが力なく流れ出てくるという状況。いまにして思えばもう腸が完全に機能不全に陥り仕事ができないという状態だったのだ。
夜半までそういう状況で苦しんでいたら、ある時急に吐き気がした。主にお昼に食べたもので胃に残っていたものが逆流してきて、洗面所で激しく嘔吐。あまりの激しさに嘔吐物が鼻のなかにまで流れ込んで詰まってしまう始末で、これはさすがに辛かった。
胃の中身が全部出てしまうと気分は急に楽になったが、全身がだるく、消化器系が機能停止状態にある何ともいえない不健康さが心身に充満した。翌月曜日の朝は少し甘い野菜ジュースを少し飲むのが精一杯だった。仕事は休んだ。
そうこうしているうちに午後になると今度は高い熱が出てきて、一時は38.8度にまであがった。それまでは単に飲み過ぎでお腹をこわした程度に考えていたのだが、ここにきて職場の人間と交わしたメールにあった「ノロウィルス」という言葉に、妙に納得してしまったのである。確かにネットで調べてみると、「腹痛→下痢&嘔吐→高熱」と絵に描いた様な症状経過をたどっていた。
このウィルスは経口感染で潜伏期間が短いのが特徴らしい。いったいどこでもらってきたのだろうかと、いろいろ考えてみたのだが、ビール屋で一番最初に出てきたおつまみが、大きな巻貝をそのまま昆布出しで煮たもので、引っ張り出した身のうち僕はオシリの方の柔らかい部分を食べた。それがその日の陽気もあってか少しねっとり感じられたのをいまでも思い出す。
まあ結局のところ原因はよくわからないし、本当にノロウィルスなのか単なる飲み過ぎなのかもはっきりしない。おかげで僕は火曜日も仕事を休んでしまい、今週は3日間仕事をしただけだった。おかゆや肉の少ない食事を摂り、アルコールも金曜日の夜まで一切飲まなかった。おかげで体重は2kg減り、体脂肪率に至っては5ポイントも減少した。
妻にうつったら大変だと心配になったのだが、幸いそれは大丈夫だったようだ。
まあ何はともあれ、やはり暴飲暴食はいけないということだ。それと栄養面でも量的にも節制した食事は健全な身体の状態をもたらしてくれる、このことにあらためて気づかせてもらった。身を以て反省した一週間であった。
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