12/23/2008

天空 曇りのち晴れ

このところ職場の人間的なことでちょっとしたトラブルがあり、それに少々手を焼いていた。上司や同僚などとも対応を話し合っていたのだが、皆頭を抱えるばかりという状況だった。そんななか先週のある日に僕は気分転換もかねて、たまたま申し込んであったセミナーに参加した。

ところが思いもかけず、そのセミナーの内容から悩みに対するひとつの対処法が突然もたらされたのである。具体的な内容は書かないが、何とも不思議な偶然を感じずにはいられなかった。もちろんそれを知ったところで実質的な業務上の課題解決にはならないのだが、少なくとも閉塞的な悩みに客観性が加わることで、気分的にはずいぶん楽になった様な気がする。

朝、渋谷のセミナー会場に向かう気分は今ひとつもやもやしていたのだが、お昼前に会場を後にするときの気分は、その日の冬空同様晴れ晴れとしていた。気分が良くなった僕は、会社がある田町駅で降りて少し早いお昼を少し以前に友達から教えてもらったつけ麺ラーメン屋「天空」で食べた。

ここのつけ麺は旨い。昼時は混雑していて早い時間から店内にかなりの行列ができるのが難点だが、それでも並ぶ価値は十分にあると思う。この日は初めてつけ麺の大盛りを食べてしまった。相当な分量だと思ったのだが、心地よい満腹感であった。


さて、前回のろぐで触れたマーシュ、コニッツ、エヴァンス等によるハーフノートでのライヴ作品について補足しておきたい。その後何度か聴いてみて、これはとんでもない名演だなあと改めて感心してしまった。このメンバーから演奏に興味を持った人はもちろん、そうでない人も是非ともチェックして損はない作品である。

コニッツのソロ部分を聴いていると、ヴァーヴの名作「モーション」を彷彿とさせる場面が何度もある。両作品のリズムセクションは、ジミー=ギャリソン&モチアン(ハーフノート)とソニー=ダラス&エルヴィン(モーション)であり、ベースもドラムもそれぞれかなり異なるスタイルの持ち主なのだが、コニッツやマーシュの音楽のもとではそのことをあまり感じさせないのが不思議である。

さらに、ギャリソンとエルヴィンがその後コルトレーンの下で全く異なるスタイルのリズムセクションとして組むことになるというのも不思議な縁である。ジャズの世界におけるフロントというかリーダーの役割とその重要性について考えてしまった。

ここでのエヴァンスはもう完全なサイドマンであり、主役はあくまでもマーシュとコニッツである。再発売に際してエヴァンスの名前が一番始めに掲げられているのは、発売者の商業的な意図でしかない。ただそれでこの作品の素晴らしさをより多くの人に知ってもらえるのなら、まあさほど責められることでもないのだろう。

また追加収録された演奏について、マーシュやコニッツについてはそちらの演奏の方がいい云々と前回は書いたが、あれは素直に早とちりだったと訂正しておきたい。それはもう一重にリズムセクションの力量の差と言えるだろう。技巧と表現の微妙な関係の事例がそこにはある。

先週末には今年のCD購入を締めくくる(?)大物商品がアメリカから到着し、週末からじっくり楽しませてもらっている、コニッツ&マーシュの音楽とはまた趣向の異なるジャズであるが、いまの厳しい環境にあっては、聴くものを励ましてくれる様なパワーのあふれる内容である。それについてはまた次回に触れ、今年のログの書き納めとしたいと思う。

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