9/21/2008

振り子

最近はネット経由で海外のレーベルやお店にCDを発注しても、結構早くに品物が届くことも多い。いつも世話になっているアランの店もそうだし、アマゾンなどに間借りしているカイマン等の安売り店でも、在庫があれば注文して1週間から10日間程で届くことも珍しくない。

さらに嬉しいことに、海外の通販で支払い方法としてPaypal(ペイパル)を採用するところが増えてきている。これは米国のネット販売大手ebay(イーベイ)が展開する決済方法で、簡単に言ってしまうと、支払いと受取りの双方がPaypalのアカウントを持っていると、Eメールアドレスと金額を記入するだけで、お金が送金できてしまうというものだ。もちろん個人間でも使うことができる。

8月の中旬にディスクユニオンのサイトで知ったCDセットがあった。3枚組なのだが、プレミアム性を売りにしているレーベルのもので、ユニオンの販売価格がやたら高かった。作品の存在を教えてもらっているので、悪いなあとは思うのだけど、結局は発売元のレーベルから直接購入することにした。送料込みでも2000円以上は得をしたと思う。

この作品を首を長くして待っていたのだが、届くのは少し遅かった。たぶん船便だったのだろう。到着するまでに約20日間ほどかかった。そしてようやくこの週末に僕の手元にやってきたのである。

作品は"Pendulum"というユニットのもの。メンバーは以下の通りである。

David Liebman (ts, ss)
Randy Brecker (tp)
Richie Beirach (p)
Frank Tusa (b)
Al Foster (ds)

このスゴイ顔ぶれによるユニットは、1978年にわずか1週間だけ、ニューヨークのヴィレッジバンガードに出演するために結成された。当時の演奏から3曲だけがLPレコード(本CDセットのディスク1に相当)として発売されただけで、長らく廃盤になっていたものらしい。

それがこの度、メデタクも米国の全集もの復刻専門レーベル"Mosaic Records"から突如CD3枚組のセットで発売されたのである。収録されているのは当時の演奏からオリジナルLPの3曲に加えて未発表の8曲を加えた、たっぷり2時間半の内容である。

ジャズが好きな人なら、メンバーについて特に説明しなくともかなり興味をそそられる内容だと思う。演奏内容はかなりストレートなジャズであり、かなりご機嫌なものである。リーブマンやリッチーのオリジナルに混じって、ショーターの"Footprints"やマイルスの"Solar"、コルトレーンの"Impressions"、さらには"Night and Day"や"Blue Bossa"といったスタンダードも演奏される。

実はまだしっかりとは聴けていないのだが、まあこのメンバーでやるライブにハズレがあるはずもない。その意味では、しっかりとしたコンセプトの元に作り込んだものというよりは、「よーし、一丁やるかあ!」みたいなノリで集まって、ぱあっと思う存分やってしまいましたという内容である。

これから少しビールをやりながら未聴のトラックを楽しみたい。最後が"Impressions"なのでいまから楽しみである。おっと"Blue Bossa"が始まった。。。うーん、やっぱりご機嫌。

ちなみにユニット名は日本語で「振り子」という意味。フリーやエレクトリックなどの荒波の後には、またストレートなジャズに戻ってくる、という意味が込められているのかもしれない。

あと、ついでに書いておくと、一応5000セット限定だそうだ。まあこの手の物としては十分な数が確保されているとは思う。国内であれば、タワーレコードやHMVの店頭、通販で取り扱いがあるかもしれない。ちなみにディスクユニオンの通販では既に完売のようだ。やはり聴くなら急げ!か。


PENDULUM
Live at the Village Vanguard
(Mosaicのサイトで試聴できます)

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