2月頃からいろいろ立て込んでいた仕事が、今日でようやく一段落した。まあ徹夜で死ぬ様な思いというわけではなかったが、とにかくいろいろな情報を整理して現在の姿を明らかにしつつ、そこから新しいアイデアを出していかないといけない。
今日上げた仕事は音楽市場とインターネットに関するもの。音楽ならもう毎日聴いているし、これは得意分野だと思っていたのだが、やはり最近の若い音楽についてはほとんど何も知らない。今どんな音楽が流行っているかとか、そういうことはレポートの主題ではないのだが、新しい動きを始めるのは若いアーチストたちだ。
おかげでいろいろなことを勉強させてもらった。いくつかのミニ知識をここで披露しておこう。
これまで世界中で1億枚以上売上げたアルバムは、たった1枚しかない。マイケル=ジャクソンの「スリラー」がそれ。さらに意外と思われるかもしれないが、5千万枚以上売上げたアルバムはないのだそうだ。4千万枚以上売上げたのはビージーズの「サタデイ ナイト フィーヴァー」やピンクフロイドの「狂気」などわずかに6枚。ビートルズの「アビーロード」でさえ3千万枚なのだ。
アメリカのラジオ広告はいまでもインターネット広告とほぼ同じ市場規模がある。日本は既にラジオ広告はインターネットの半分以下しかない。アメリカで1週間に5分以上連続でラジオを聴いたことのある人は約1億4千万人。ラジオがいかに日常生活に根付いているかがよくわかる。
最後に、アメリカの音楽アーチストで稼ぎの多いトップ10の収益内訳を見ると、だいたい7割前後はコンサートツアーから得られる収益なのだそうだ。そのうちの一人であるマドンナのマネジメントを担当する人物の言葉として「昔はアルバムを売るためにツアーをしたけど、いまはツアーで儲けるためにアルバムを出すんだよ」というのが象徴的だ。
今回の仕事を通じてこんな知識を勉強した。それで音楽はこれからどうなるのかということなのだが、いま自分たちが楽しんでいるような「録音された音楽」の経済的価値、つまりそれを手に入れるのに払うお金については、どんどん安くなっていくのではないだろうか。それは高いものと安いものの差が広がるということでもある。そしてもちろん無料のものも多く出回る。代わって音楽本来の魅力である生演奏(つまりライヴ)の価値は上がるということになる。
自分はまだまだ音楽を買うということを続けていくと思うのだが、多くの人にとって音楽とはお金を払って楽しむものではなくなっていくように思う。それは例えば映像やゲームの付録だったり、携帯電話のボタンを押したら勝手に流れてくるものかもしれない。それでも僕らがいい音楽と思えるものは、人の気を引きつけることだろう。しかし、やはり音楽そのものの何かが薄いものになっていくような気がしてならない。
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