1/21/2008

オーネット=コールマン「サウンド グラマー」

 実家に続けざまに帰ったり、風邪をひいたりと落ち着かない新年のスタートだったが、この週末はようやく少しのんびりすることができた。まだ少し咳や鼻水が出たりするものの、おおむね体調は普通に戻り、お酒もおいしく飲めるようになった。

先週末の金曜日、会社の同僚と妻の3人でオイスターバーに出かける予定で楽しみにしていたのだが、同僚が体調を崩したこともあって延期になってしまった。夜の予定を2人揃って空けていたので、どこかで食べて帰ろうということになり、中目黒の東急高架下をウロウロしてみた。

いくつか候補を見つけたのだが、結局は店先に出ていた「もつ鍋」の赤い幟にひかれて、「大樽」という居酒屋に入ることにした。このお店、安さではかなりの有名店らしい。僕らが入ったのは東横線の東側にある別館だった。奥のさらに奥にあるテーブルに陣取り、コロッケや串揚げ盛り、もつ鍋などを注文して酒を飲んだ。

とにかく何を頼んでも安いしうまい。一番の驚きは僕の好物である熱燗が1合150円でいただけること。これには唸ってしまった。結局、2人でそこそこ食べて飲んで勘定は2900円だった。ありがたい。やっぱり値段は大切だ。

ずいぶん伸びてしまって年末にたまらず自分で少し切った髪をきれいにカットしてもらい、染めてもらうことにした。本当はこぎれいにしてもらってから渋谷に出かけたかったのだが、担当者が忙しく、買い物と散髪が逆になったのが少し惜しかった。

年始からほとんどまともに音楽を聴いていなかったので、耳が少し音楽に対して照れてしまったような感じだった。こういうときは少し何を聴いてみたいのかわからなくなる。それは音楽に対する感覚が真新しくなるときでもある。こういう時、僕は決まってオーネットの音楽を選ぶ傾向がある。たまたまiPodに入っていた中から選んだのが今回の作品。一昨年の3月に観た来日公演と同じメンバーによる2005年のドイツでのライヴ盤である。

2本のベースと息子デナードのドラム、そしてオーネットという4人編成のユニットは、彼がたどり着いた究極のカルテットである。変幻自在のリズムに乗ってオーネットがくねくねと音の曲芸を披露する。何の混じりけも難しさもない、開かれた自由な音楽がある。少し遅れてしまったが僕にとっての音楽の2008年はこれで幕を開けた様な気がした。

オーネットの音楽に触発されてか、渋谷では久しぶりに3枚のCDを買った。うち2枚は電子音楽。タワーレコードで試聴して選んだ。こういう音楽は少し落ち着いてじっくり聴く必要があるが、僕の心はそういう音を求めた。またそれらの紹介はいずれこのろぐで取り上げてみたい。

昨年に比べれば今年はかなり冬らしい気候だ。今日月曜日も朝晩はかなり寒かった。久しぶりに参加した会社の会議はそんな気候に輪をかけてお寒い内容で、それが一番心身にこたえた。テレビのニュースでは、景気の先行きについて誰かがほとんど意味のないコメントを話しているのが映っていた。

自分の目標を見失わず、周囲を意識しつつも、少しずつそれに向かって進めるように。今年も楽しい年にしたい。オーネットを聴きながら僕はようやくそんなことを考えていた。

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