10/21/2007

スティーヴ=コールマン「インヴィジブル パス:ファースト スキャッタリング」

 MacOSの新版"MacOS X 10.5"のリリースが10月26日と発表され、10月1日以降にMacを購入した人には、安価に新OSへのアップグレードが提供されることも発表された。この報を受け、我が家に新しいMacを迎え入れることを決めた。

当初"iMac"にするつもりだったのだが、以前使っていたiBook以来、会社から借りていたWindowsマシンでしのいできた食卓上で使うことを考え、結局"MacBook"を購入することにした。新しいMacを買うのは5年ぶりだった。これが長いのか短いのかは微妙なところだ。アマゾンで「お急ぎ便」を選択、十数万円の買い物に三百円の追加料金は安いものだ。金曜日の夕方に注文し、土曜日の夜には新しいMacが届いた。

いまさら改めて言うまでもないのだが、やはりMacはいい。使いやすいし、持つ喜びが深い。今回から無線LANを本格的に使うことにもなり、ワイドスクリーンの見やすさや新しいキーボードなども含め、使いやすさはいままで以上だ。そんなわけで今回が新しいMacでの初めてのろぐとなる。

仕事がまた少しずつ忙しくなってきていて、また少し緊張が抜けない独特の疲労感を残す週末である。それでも土曜日は渋谷に出かけてみた。前回とりあげたザキール=フセインのもう少しピュアな演奏を収録したCDを求めてみたのだが、結局渋谷では見つけることができずネットで取り寄せることにした。

日曜日には、仕事の知合いで以前から交流のある男が、横浜のみなとみらい地区にマンションを買ったというので、訪問することにした。行ってみると、クィーンズスクェアのすぐ隣にある30階建てのマンションの一室だった。奥様と2歳の娘さんとともに食事をとりながらくつろがせてもらった。

みなとみらいに住むというのは、ある種の憧れ的なことかもしれない。彼らはまだ住み始めて半年だそうだが、やはり一長一短ではあるようだ。何と言っても素晴らしいロケーションはそれとして、生活のためのインフラという面では毎日の食材を買うお店や、病院、学校などの点ではまだまだ課題はあるようだ。

みなとみらい地区の居住施設はこれからも増え続けるというわけではなく、結果的にそうしたインフラが今後どの程度まで整備されるのかについては、不透明な部分もある。過去の例として、神戸のポートアイランドや六甲アイランド、あるいは東京のお台場などのことを考えると、少々気がかりな感じもしないわけではない。

週末は気持ちのよい秋晴れになった。先日買った新しいブーツを履いて気分もよかった。渋谷も横浜もたくさんの人でにぎわっていた。街を行く人の格好もぐっと秋らしくなったように感じた。

僕のアイドルミュージシャンの一人、スティーヴ=コールマンが新しい作品をリリースした。今回は、何とCD1枚に収録された16曲すべてが、彼のアルトによるソロパフォーマンスになっている。こういう企画に僕はとにかく目(耳)がない。発売の事実を知るや、すぐさまネットで取り寄せた。アメリカの業者だったが品物が届くのは早かった。

スティーヴの音楽に特に大きな変化がある訳ではない。しかしソロというスタイルをとることで、僕の耳には彼の音楽の構造美が、よりはっきりと伝わってくるように感じられた。全編通して、目に見えないが確実に存在する「道」に沿うかたちで、滑らかに音の列が紡ぎだされていく。

この手の音楽はできればある程度大きな音でスピーカーと対峙するような姿勢で、さもなくば装着感のよいヘッドフォンでじっくりと味わいたいものである。僕はサックスのソロ演奏によるCDを数枚持っている。そのどれもが非常に素晴らしい音楽であるが、この作品はその中にまた新しい世界を押し拡げてくれる。

これまでのスティーヴの音楽を総括するうえでも、あるいは21世紀の新しいジャズを感じるうえでも、これはきわめて重要な作品であることは間違いない。まだ3回しか聴いていないが、この先聴き重ねていくことに、ある種恐れにも似た期待感がこみ上げてきている。やはりスティーヴ恐るべしである。

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