先週末を実家の急用で過ごしたまま、仕事に戻ってようやく1週間が経った。やはり少し疲れがたまったようだ。お昼を過ぎてパソコンの画面に向かっていると、時折強い睡魔がやってきた。あまり満足に仕事がはかどらなかった。
父親はなんと昨日退院したとの連絡があった。声はまだ少し弱々しかったが、しっかりしていた。もう少し病院にいればいいのにと思ったが、最近に医療制度では特に処置をする必要のない人を、病床で預かることができないのだそうだ。日本の単位人口当たりの病床数は、世界的に見ても多いらしいが、それでも足りないという背景には、単に医療制度の問題だけではないもっと深い人間的な問題があるのだろう。
今週末は兄が実家に行ってくれるらしく、来週からはまたヘルパーさんも定期的に来てくれるらしいので、その辺少し複雑な心境ではあるが、そうやっていくしかないのだと自分に言い聞かせた。
さて、このところちょっとしたラリー=コリエルブームになってしまったようだ。彼の参加したCDはそんなにたくさん持っていないが、コリエルの鈍く輝く個性は一度聴き始めると、しばらく尾を引いていくようだ。今回は、おそらく僕が彼の作品の中で最もよく聴いているものをとりあげてみた。
これは全編ラリーとヴィトウスのデュオ演奏が収録されているのだが、タイトルはなぜか「クァルテット」になっている。その答えは、ジャケット下に記載された「ビル=エヴァンスとスコット=ラファロに捧ぐ」でお分かりになるだろうか。彼らの精神を借りながら、あたかも4人で音楽を作り上げているというつもりでやりました、というわけである。
収録されている作品も、"Autumn Leaves"、"Some Other Time"、"Nardis"、"My Romance"等など、エヴァンスのその時代に関連するものを中心に、おなじみのスタンダードばかりだ。そして演奏も、2人の超絶演奏が、あたかもエヴァンス-ラファロのインタープレイのように、見事に絡み合いながら展開してゆく内容。聴くものには極上のひと時を提供してくれる。
作品が発売されてからもう20年近くになろうとしているが、この手の音楽はそう簡単に色褪せるものではない。朝の通勤、休日のお昼寝、家での食事のBGM、夜の一杯のお供と、本当にいろいろな場面でこの音楽を聴いてきた。これからも続くだろう。
発売もとのjazzpointレーベルは、現在も健在なようだが、インターネットなどより中古屋の店頭でたまに見かけるような気がする。最も最近僕自身が中古屋に足を運ぶ機会もめっきり減ってしまった。聴く音楽にはそれほど不自由していないのだが、なぜなのだろうか。
土曜日の真昼間、今日は気温も高めのようだが、蒸し暑さはもうほとんど感じられない。時折吹く風に、ダイニングのカーテンが揺れて、まるでヴィトウスのソロに合わせているように見える。
とりあえず心配事の一部は、解決したようだが、また新しい心配事が増えたようにも思える。年をとるとはこういう一面なのだろう。これから少し太陽の下を散歩し、外でお昼でも食べて帰ったらゆっくり昼寝をしようと思う。
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