7/19/2004

ジョン=スコフィールド「エンルート」

  この数日間のうちに、とても楽しいドリンクセッションに2度も巡り会うことができた。いずれも音楽を中心に共通の話題を持つ飲み友達とのひと時で、うち一 人は大学時代からの友人で、なかなかの腕前のサックス奏者でもある人である。彼は現在ミラノに在住しており、年に1回くらい仕事かプライベートで帰国して くる。僕らはその度ごとに東京で一杯やることにしている。彼からはいろいろと音楽的に影響を受けたのだが、今回久しぶりにサシでジャズについて語りあかし て、お互いつくづくよく聴いているもんだなあと感心してしまった次第である。短いひと時であった楽しいセッションだった。

 いずれのセッションも、舞台はJR田町駅近くの(自称)西洋居酒屋「カドー」さんである。このお店には、会社で働き始めてからかれこれ10数年にわたって何かとお世話 になっている。いわゆるショットバーで、初めてお店に足を踏み入れた人は、逆さまに並べられたボトルの数に圧倒されるが、雰囲気は至ってカジュアルな居心 地のいい飲み屋さんである。お酒にはかなりのこだわりがあり、ビールから、ウィスキー、焼酎に至るまで、なかなかいいものを揃えてくれている。20代の頃 には近所の洋食屋か中華屋で腹ごしらえをしてから、このお店で会社の仲間とウィスキーをあおるのがスタイルになっていた。銀座や六本木にあるスタイリッ シュなバーにも足を運んだが、結局はここに落ち着いてしまった。お酒をしっかりと飲める人と行くには持ってこいのお店である。

 今回は、 新譜で購入したジャズ作品に久々に当たりが出たのでそれを紹介したい。ジョン=スコフィールドは僕が大好きなジャズギター奏者のひとり。1980年代後半 から90年代にかけて活動は、当時ジャズに入り浸っていた僕としては、マイケル=ブレッカー、パット=メセニーなどと共に、とてもその動向を楽しみにして いたアーチストであった。

 既に21世紀に入り、ジャズは大きく曲がり角を迎えているわけだが、個人的な感想としては、その流れのなかで ブレッカーとメセニーの2名は、残念ながら僕にとってはあまり重要な存在ではなくなってしまったというのが本音である。今世紀に入って相次いで発売された 彼らの作品については、僕にとっては彼らが大きな流れの中に埋没してしまったようにしか聴こえなかったのが、とても残念であった。その意味で、スコフィー ルドの新作が出ると知った時も、その点が少なからず心配であったのは事実である。

 タイトルの"EnRoute"とは、英語では"On the Road"という意味だと思う。その名の通り、ニューヨークの名門クラブブルーノートでのライブ演奏を収録したものである。彼のギタースタイルは、 1990年代前後の名演に聴かれた「変態フレーズ」中心の内容から、よりオーソドックスなジャズギターのスタイルに広がっているように思える。不安定な音 程を演出するチョーキングの頻度が明らかに減っていて、その分、スピーディーなフレーズで力で推してくる印象が新鮮だった。もちろん、彼らしさがなくなっ たということではなく、それをベースにした新しいものをジャズの世界に築き上げているという感じだろうか。僕は自分では保守的なジャズファンであるつもり は毛頭ないのだが、今回のスコフィールドの新作に、新しいジャズへの挑戦がしっかりと感じられ、タイトルの意味に、ある種の自信さえ垣間見える思いがし た。

 さて、そんなスコフィールドのゴキゲンな演奏の力を借りつつ、日本では3連休であった昨日に体験したことを少し紹介しておきたい。 僕は独身の頃から、オートバイで三浦半島に出かけるのが好きだった。半日で帰って来れる手軽さと、海を中心にそれなりに充実した自然が楽しめるところが気 に入っていて、冗談抜きにもう少ししたらここに家を買うのも悪くないかなと考えていいる。いまはバイクは手放してしまってないが、この休日に妻と二人で電 車とバスで三浦半島巡りをしてきた。気温は高かったが、薄曇りで極端に強い日射はなく、海岸を歩いたりするには悪くない気候だった。少しだけ写真を紹介し ておこう。

三浦海岸とはまた異なる雰囲気を持つ大浦海水浴場付近。きれいです。

南下浦のシンボル劔崎灯台。なんと1871年から東京湾に明かりを灯しています。「劔崎」の名の由来は、、、現地のプレートに説明がありますよ。

劔崎灯台から間口漁港方面を望む

三崎港といえばやっぱりマグロです。三崎港バス停すぐのところにある「さくらや」さんでマグロ丼とネギトロ丼をいただきました。ビール1本込みで合計3200円也。


この日は海南神社のお祭りも重なって道路が大渋滞。バスが三崎港から次の三崎東岡のバス停までの500mを行くのに2時間(!)という異様な事態に、三崎口駅までの4kmを歩いて家路につきました。途中、畑のヒマワリの花が元気に励ましてくれました。


 えぬろぐをはじめてからちょうど半年で1000アクセスをいただきました。地味でしょうもない内容にもかかわらず、日頃お読みいただいている皆さん、ありがとうございます。まだしばらくは続けるつもりですので、よろしければおつき合いください。

John Scofield-Jazz Guitarist ジョン=スコフィールド公式サイト
三浦市ホームページ

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