日本のFMラジオはいつからおしゃべり中心になったのか。
自宅で食事をする時などちょっとBGMが欲しい時に、わざわざCDをセットしたりiTunesを起動したりするのは煩わしい。そんなとき便利なのがFMラジオだったのだが、僕の住んでいる横浜で聞くことができるFM放送は、NHKを除いては例外なしに音楽が流れている時間よりおしゃべりの時間が圧倒的に長い。
僕が雑誌「FMレコパル」なんかを買って、お目当てのアーチストの新作アルバムエアチェックするのを楽しみにしていた少年時代、民間のFM局でもしっかり音楽を流していた。しかし、結婚してからふたたびお世話になる様になったラジオから流れてくるのは、ほとんどおしゃべりばかりになっていたのは正直驚いた。
以前は、そういったトークや実況はAMラジオ、音楽はFMラジオと役割が分かれていたはずなのだが、最近のFMはスポーツの実況こそないものの、完全にAM放送化している。
聞いていてなにかうんちくがあったり、役に立つ情報があるのならまだいいが、ほとんど聞く価値があるとは思えないタレントのトークやら、もっとひどいのは学生のバイトをつかった街角からの実況とか、そういうものばかり。たまにニュースと天気予報と交通情報、そして音楽が入る。僕にはそんな風に聞こえる。
別に僕の好みの音楽、それこそフリーミュージックとかモダンジャズとかを流せとはいわない。いま流行の音楽、それこそAKBとかAAAとかでいい、しっかりと音楽を流して欲しい。日頃そういうものを聴くことはないから、かえってありがたいくらいである。巷にあふれる多くの出版物もそうだが、どうでもいい放送でのおしゃべりもまったくもって苦痛だ。
おかげでいま重宝しているのはインターネットラジオ。特に最近はiPadのラジオアプリAccuRadioをとても重宝している。このおかげでその時の気分に応じて、ほとんどあらゆるジャンル(それこそフリー系もちゃんとチャンネルがある)の音楽をしっかり楽しめる。
いまではAirPlayのおかげで、iPadからオーディオセットに音を飛ばして出している。音質はFM放送と変わらない、それなりにいい音である。いまこれを書きながら流しているのは、Acoustic Bluesチャンネルだ。さっきまでRobert Johnsonが流れていた。もちろん初耳の音楽でもすぐにアーチストや曲の名前をチェックできる。
こうなってくると、前回の話ではないが、本当に自分で買って手元に置いておきたい音楽を明確にできるし、ブログやSNSなどの情報と並んで、自分のお気に入りの音楽に出会うための手段が広がることにもなる。ありがたいものだ。
ラジオ放送は、音声だけという制限がテレビよりも想像力をかき立ててくれたり、視界を邪魔しないので気楽に向き合えるメディアだと思っていたのだが、こうなってくるともはやラジオには緊急時の情報源というくらいしか思いつく価値がない。
放送という商売でお金があつめられないなら、いっそ止めてしまえばいいのにと思う。電波にはもっと有益で重要な役割があるはずだから。
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