3/19/2007

和歌山 大阪 京都 奈良

出張で関西に行けることになり、ちょうどいい機会なので実家に立ち寄って親父の様子を見て来ようと考えた。本当は業務ついでにそんなことをしてはいけないのだが、せっかくだからと上司も快く認めてくれた。ところが、明後日から出発という段になって、叔母から親父が急遽入院したと連絡が入り、準備もそこそこに僕はその日に荷物をまとめて実家のある和歌山に向かった。

幸い親父の具合は大丈夫だったものの、2晩泊まった和歌山ではいろいろなことがあった。ここには詳しくは書かないが、主治医の先生との話があり、叔母とのいろいろな話もあり、兄貴と親父と3人での外食があり、僕と親父のちょっとした諍いもあった。東京ではかなり遅い初雪が舞ったそうだが、西日本もとても寒い一週間だった。

結局、僕は予定通り出張に出ることにした。訪問先は奈良県にある研究施設と京都にある大学だった。久しぶりに阪急電車京都線の特急に乗って京都まで移動した。僕がその沿線に暮らしていた二十数年前は、特急といえば十三を出たら京都まで止まらないというものだったが、いまでは当時の急行電車とほとんど同じ駅に停車するようになっていた。それでもセンスのよい阪急電車の車両は相変わらずで、それが僕の心を和ませてくれた。

仕事ではなかなか有意義な人々との出会いがあり、充実した出張になった。そして、いまは休職して京都の大学に籍をおいて活動しているかつての後輩の案内で、百万遍周辺のお店をいくつか楽しませてもらった。移動で乗ったタクシーの運転手は、桜の開花予想がはずれて商売のアテも外れましたわとボヤいたが、まああと1週間もすれば桜の便りは届きそうな雰囲気ではあった。

入院中の親父には悪いと思ったが、京都の食べ物はどれもおいしかった。やはり知らない土地での飲食は地元の人の案内に限る。川崎に残して来た妻には悪いと思ったので、今回は知人のアドバイスも取り入れて、帰りにいろいろな京都の味をお土産にして帰った。京都から和歌山に帰ることも少し考えたのだが、さすがにもうクタクタだった。考えれば、新幹線を始めいろいろな乗り物に乗りまくった4日間だった。疲れるはずである。

移動中、いつもの様にiPodで音楽を聴いた。前回取りあげたキースの作品、それから僕の不安で落ち着かない心を映す様に聴いたのがスティーヴ=ライヒの"Violin Phase"だった。出張中に何度聴いたかわからないほどだった。おかげで極めてメカニカルでかつ繊細なこの曲を、さらに深く理解することができた。

他に、無性にジョン=ケージの音楽が聴きたくなったのだが、残念ながら持ち合わせがなかったのでそれは家に帰ってからじっくりと聴いた。これについてはまたいずれ書こうと思う。

そんなわけで、少し疲れがたまってしまったのでろぐの更新が遅れてしまった。久しぶりに仕事に出た今日も、少し気になって合間に病院の父に電話を入れてみた。寂しそうではあったが、元気そうな声に僕は安心して仕事に戻った。

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