6/19/2004

金森穣/Noism04「Shikaku」

 以前このろぐでも少し触れた、振付師の金森穣と彼が率いるユニット「Noism」によるダンスパフォーマンス「Shikaku」を、新宿のパークタワーホールに観に行った。

 この公演の特徴は、前半において舞台と客席という概念がないということ。「開演=開場」で、観客はホール内に作られた迷路のような、最新式お化け屋敷のようなセット(大きく4つの部屋に仕切られている)のなかを移動しながら、10人のダンサーたちと空間を共有する。ダンサーたちは激しく踊りながら観客に極限まで接近しつつ、それを無視するでもなく直視するでもない、不思議な対話を挑んでくる。途中、ダンサーの1人が眺めていた手紙を僕に手渡してくれた。

 後半、突然に空間を仕切っていたセットの壁が上昇しはじめ、ホールは本来の「広場」のような空間に還る。ここでおもむろに観客は壁際に移動し、細いロープでホール中央に舞台が仕切られる。空間に解き放たれたダンサーたちは、音と光の効果がいっそう明確になった時空のなかで、驚異的なパフォーマンス繰り返しながら、物語のないストーリを展開してゆく。

 1時間と少しの公演はあっという間だった。秋にDVD化される予定だそうだが、やはりこういうものは生でないとダメだ。観客の9割は女性だったが、意外にもいろいろな人が見に来ていたように思う。終演後のトークライブでダンサーのひとりが「今日のお客さんはよかった」と言ってくれていたが、それはまんざらでもなかったようだ。また新しい可能性と楽しみにできる未来を感じることができたように思う。観ることができて本当によかった。

 (公演パンフレットの表紙と内容の一部)
   

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