4/26/2020

リー・コニッツ "Lone-Lee"

元気でお過ごしですか。私も元気です。

平日は在宅でしっかりお仕事、合間に家族で3食、夕方たまに近所の公園でお散歩と軽い運動、夜は音楽とお酒時々ウェブ呑みという毎日です。

自粛疲れという言葉も聞かれますが、それほど強い疲労感もなく淡々とこの生活を過ごしています。

家族や自分の感染を心配するあまり眠れなくなったりすることもあります。果たして自分はまだウィルスに出会っていないのか、あるいは...。

政府の緊急事態宣言の発動期間と言われている5/6まで2週間を切りましたが、大都市圏を見る限り状況はあまり変わっていないように思えます。

それがある意味またいかにも日本的な展開になっているのが、人間の文化の力とはまた恐ろしくもあり、不思議な感じがします。



ウィルスの感染によって内外でいろいろな方々が犠牲になられており残念です。サックス奏者のリー・コニッツも今月15日にニューヨークの病院で亡くなられたそうです。92歳だったとのこと。

コニッツは前にも書いたかもしれませんが、妻と付き合い始めて2回目のデートだったか、僕がジャズが好きだという話から、当時南青山にあった「ボディアンドソウル」という小さなジャズクラブに彼の演奏を聴きに行ったことがありました。

日本人も含めた他のメンバーや演奏曲目は忘れてしまいましたが、よく覚えているのが僕らが座った席がカウンターの真ん中あたりでコニッツのおよそ1.5メートル真っ正面だったことです。もう25年ほど前のことですね。

彼の参加しているアルバムはいろいろと持っていて、今回の訃報を受けて仕事の合間や夜のお酒のお供にしみじみ聴いています。

お気に入りの一つでちょっと変わった作品に1975年の"Lone-Lee"があります。これはCD1枚にコニッツのソロ演奏が2曲というもので、収録されているのは40分弱の"The Song is You"と、20分弱の"Cherokee"。





こういう音楽、私は本当に大好きですね。これ以上に純粋なコニッツの演奏はありませんから。


あと最近のもので、2012年に若手と組んだクァルテットでドイツのブルクハウゼンに出演した際のライヴ映像が素晴らしいと思います。



このときコニッツは85歳です。信じられませんね。

亡くなられたことは残念ですが、素晴らしいものをたくさん残してくれたことは、月並みですが大きな感謝を持ってお送りしたいと思います。


(おまけ)

運動不足解消に子どもと出かけている根岸森林公園ですが、お気に入りだったバスケットボールコートが最近の事態の深刻化を受けて閉鎖になってしまいました。確かにちょっと人が集まりすぎていたので...。

人が少なくなったことと関係あるのかどうかわかりませんが、池にはアオサギが来ていました。ちょっとびっくり。


健康に穏やかにお過ごしください。

4/12/2020

ケニー・バロン "Wanton Spirit"

出かけるのが憚られる状況になってしまいました。昨日時点の感染者数などのデータを見ても、まだ増勢の方向ですね。

異業種交流会のライングループで教えてもらった、今回の感染症対策についての近畿大学の先生による解説ビデオがよかったです。



細菌とウィルスの違いや、ウィルス変異のトレースなど興味深くタメになりました。



あと、フォローしているアーチストのリツィートで流れてきたこのメッセージも、冒頭に書かれている通り意味深です。


横浜も日中とても静かですが、鳥のさえずりや木々の芽吹き、庭を這い回る虫たち、等々を眺めるたびに、これと同じことをしんみりと感じますね。



先週は火曜日にどうしても会社に出なければならず、午前中で用件を済ませてさっさと帰ってきたのですが、帰りに元町のピースフラワーマーケットカフェに立ち寄って、パニーニのお昼をいただきました。


途中下車とはいえ何故わざわざかというと、店主さんの悩んだ末のご判断で、今回の騒ぎが収まるまでしばらくお店を閉めることにしたのだというのをインスタで知ったから。

「まあ来月早々には再開できるといいんだけどねぇ」と笑顔で困惑されてましたが、本当にそう願いたいですね。お土産にクッキーも買って帰りました。



そうはいっても家でじっとしてても気が滅入るので、海が見たくなったこの土曜日にも海釣り公園の近くまで歩いてきました。


この通り港はいつもの港です。



ウィルスの被害で内外で多くの方が犠牲になってますが、トランペット奏者のウォレス・ルーニーも先月末にこの病気で逝ってしまったとのこと。まだ59歳ですよ。ただでさえこのところ往年の名プレイヤーの訃報に触れることが多いのに、こういう報せはさらに辛いものがあります。

しかし一方では、元気な姿を見せ続けてくれるスーパー老人もいらっしゃいます。ジャズドラマーのロイ・ヘインズもその一人です。彼は先月95歳の誕生日を迎えました。ロイは僕の大好きなジャズドラマーで、ジャズドラムの魅力を知るきっかけになった人です。

これは昨年ニューヨークのブルーノートで行われた彼のライヴ演奏の模様だそうです。



どうですかこの元気とパワー。往年のスティック捌きの片鱗もしっかりとうかがえます。

ということで彼の魅力がしっかり伝わる作品は何かなあと考えてみると...うーんイッパイありすぎますね!一番はやっぱりメセニーとデイヴのトリオによる"Question and Answer"ですね。これを聴いた時に僕は「ジャズドラムってかっこいいなあ」と唸りました。

ロイ自身もパットとの出会いは運命的だったと見えて、この後、彼のレパートリーにパットの曲が加わります。上記のブルーノートライブも2曲がパットの曲です。

"Question..."は以前にもこのろぐで取り上げているので、今回はお気に入りの2番目ということで、ケニー・バロンとチャーリー・ヘイデンによるピアノトリオ作品"Wanton Spirit"を挙げてみます。(邦題は収録曲にある「ワンフィンガースナップ」になってます)

パットのトリオ作品の5年後ですから、ロイはもう70歳目前なのですが素晴らしいですね。ケニーの目まぐるしく弾ける右手左手をすごくよくサポートしていて、彼のピアノもいつになくご機嫌な演奏です。チャーリーのベースワークも珍しく?ストレートアヘッドであります。



(おまけ)ホワイトデーにお母さんへのプレゼントにしようと元町のユニオンで子どもと一緒に買ったバラの花一輪が、1ヶ月を経過してもいまだにこの状況です。


買った時は少し開きかけで、2日後にはほぼこれと同じ感じにまで開いてくれたのですが、水に挿してあるだけで普通こんなに保つものなんですかね。驚きです。


4/05/2020

デイヴ・ホランド, ザキル・フセイン, クリス・ポッター "Good Hope"

なかなか拡大が止まらないですね。欧米に比べれば勢いはかなり抑制されているように思えるのですが、まだまだ予断を許しません。

外出自粛とか夜の歓楽街が危険とか言われてますが、たぶんこういう状況は2週間ほど自粛を続けたら元どおりとはならないでしょうね。

医療関係者の方がおっしゃる通りこれは長い戦いになるでしょうし、経済や社会学の方面からも言われているように、従来の経済や仕組みはこれを機に変わらないければならないのは間違いありません。そのことを認めたくない人が多いのも事実ですが。



さて、家で過ごすことが増えているわけですが、やっぱり仕事が終わってからとか、休日でも少しは散歩がてら公園や人気の少ないところを歩いたりしています。

土曜日も本牧湾岸の産業道路を経由して海釣り公園まで歩きました。あまりハードに歩いて身体に負荷をかけるのは避けてますが、一応、スポーツウェアで出かけてます。日曜日の朝は子どもを連れて森林公園で少しキャッチボールやバスケットボールを楽しみました。

自分はどちらかといえばインドア派だと思いますが、とりあえず感染の危険を免れている間は、特に大きな苦もなく暮らせています。



土曜日の夜は久しぶりに、北海道に住む幼馴染の歯科医とSkypeで呑みました。

今回はサプライズで和歌山に住む県庁勤めの幼馴染にも声をかけ、初めて3人でのネット呑み。Skypeの性能もずいぶん向上していて、非常に鮮明な画像と音声でたっぷり3時間楽しみました。

画面越しとはいえ、北海道と和歌山の2人が再会するのは実に40年ぶりだったのです。こういうコミュニケーションはもっともっと一般的なものになってほしいと思います。決して居酒屋がなくなればいいと思っているわけではなく。



そんな外出自粛生活のなかで巡り合って聴いているのが、デイヴ・ホランドとザキル・フセイン、そしてクリス・ポッターがコラボしたアルバム"Good Hope"です。

ベースとタブラの共演はとても素晴らしく、それはやっぱり卓越した音楽性と超絶の技術を持つ2人だからこそ、この素晴らしさがあるのだと思います。

ひとつ惜しいなと思ったのは、クリス・ポッターがちょっとクドいというか飽きてくることかな。技巧はすごい人ですが、音楽性はやはり2人と比べるとちょっと偏っているように思うのです。クリスファンには申し訳ないですが、3曲くらいはデイヴとザキルのデュオを楽しみたかったかな。

YouTubeから、このユニットがスペインのイベントに出演した際の模様をどうぞ。今回のアルバムから5曲を演奏しています。こりゃスゲェ!




Good Hope!


(おまけ)根岸森林公園の桜は今年も綺麗でした。