なかなかウィルスの出口が見えない状況に加えて、金融市場のいい加減さ(いったい誰の何のためのものなのか?)といってもよい脆さが露呈して、世の中はまだ暗い状況のままである。
それにしても国という括りで捉えてみて状況が実に特徴的かつ様々なのは、単なる偶然なのか、それとも何かその国ごとの固有の理由があるのだろうかと考えてしまう。
ウィルスについては早く医学的な対処法が追いついてくることを望むし、いずれそれは確立されると思う。
一方で人間や社会の脆さは時代とともにその質や性格が変わるだけで、脆さの度合いとでもいうある種の量的なものがあるのだとすれば、それは案外変わらないものなのかもしれないと思う。
困った状況ではあるが、これを機に何らかの意味での世直しや改善が進むことを期待するのは悪いことではない。事態が収束したとき、何もかもが以前のままということはむしろ望むべきではない。
ロビン・ホルコムとウェイン・ホロヴィッツによるソロピアノ演奏をまとめた作品"Solos"が素晴らしい。
タイトルが示す通り、14のピアノソロ演奏が収められているのだが、どの曲をどちらが弾いているのかを聴き分けられる耳はいまの僕にはない。意識しなければ一人の演奏家が弾いていると感じてしまうほど統一されたトーンが貫かれている。
この作品を知ることで僕は初めてロビンのことを知った。そしてしばらく聴き続けてこの作品が気に入ったので少し彼女のことを調べてみて、実は2人が夫婦であることを知った。そこでこのアルバムの謎は素晴らしい魅力に昇華したわけだ。
アルバムが作られることになった経緯と曲紹介は、CDのライナーノートとしてウェイン自身が書いた文章が彼のサイトに掲載されているので、興味ある方はご一読されたい。
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