2/17/2019

アヌアル・ブラヒム「スーヴェナンス」

いま、いくつかの事情でちょうど毎日の生活のリズムやスタイルが少し変わりつつある。そのなかで音楽を聴くことは幸いよい流れにある。

コンピュータの環境を階下に持って来て音周りとともにちょっとリニューアルしたことも手伝って、また音楽に向きあう姿勢がリセットされたようなところもある。

状況が許せばネットワークを経由して従来の2階のリヴィングにある小さなJBLで聴くこともできるので、その意味では楽しみ方の幅も広がってより快適になったと思う。



昨年末からアヌアル・ブラヒムというウード奏者の作品をよく聴いている。

ECMのカタログの中に、彼の近作"Blue Maqams"に僕の好きなDave HollandとJack DeJohnetteが参加しているのを見つけて興味を持った。

聴いてすぐにこのウードという楽器の音色とアラビックモードの魅力に感銘を受けた。デイヴ、ジャックそしてピアノのジャンゴ・ベイツのトリオは完全にアヌアルの音楽の一部として好サポートを供している。

彼のことを知ってすぐに買い足したのが、出身国チュニジアで2010年起こった反政府革命を発端にした「アラブの春」に並行する形で制作が勧められたという"Souvenance"。

この作品は小編成の弦楽オーケストラも加えたCD2枚組の大作。いろいろな意味で彼の音楽を通じた世界観をよく表した作品だと思う。

アヌアルのアラブモードがECMの世界と融合して、陰に陽に極めて美しく素晴らしい音楽に仕上がっている。強くお奨めしたい作品である。

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