3月にキース・エマーソンが亡くなったばかりだった。あの時もショックだったけど、こんなに早くELPのメンバーが続けて逝くとは。
僕はエマーソンのシンセサイザーやオルガンもすごく大好きだったけど、小学生の頃あのグループに憧れた僕がなりたかったのはやっぱりグレッグだった。
ベースをやろうと思ったのも彼がいたから。でも彼の様に歌うのは僕にはとても無理だとそこは最初から諦めていた。
夜眺めていたMacの画面に彼の訃報が現れた時、すぐにこの関係の友人たちにLINEで連絡した。それから持っているコレクションのなかから彼の歌声をさがして次々に聴いた。
特徴的な甘く力強いヴォーカル。これだけは絶対的に彼にしかない強烈な持ち味だろう。そしてピックでクリアな音を刻むベース。それから美しいアルペジオやソロを聴かせてくれたアコースティックギター。
ELPのメンバーのなかでは、テクニックで走るエマーソンとパーマーに対して唯一リズムがしっかり安定していた人だった。歌も含めて本当の意味で「上手い」と言えるのはグレッグだけだったといま僕は思っている。
グレッグのお通夜はこの土曜日も続いていて、名作「展覧会の絵」とか、ELPのファーストアルバムから「石を取れ」「ラッキーマン」なんかも聴いた。
展覧会のラストを飾る「キエフの大門」のグレッグの歌詞、
私の生に終わりはないは、こうして聴いてみると本当に心が震える。これはグレッグが若干20歳過ぎの頃に書いたものだそうだ。
私の死に始まりはない
死は生である。
さらに久々の発見だったのが、ELPの最高傑作にして大問題作の「ワークス Vol.1」に収められたグレッグのソロ作品。なかでも冒頭の「レンド ユア ラヴ トゥ ミー トゥナイト」の素晴らしいこと!
冒頭から冴え渡るグレッグのヴォーカルと12弦ギターの響き。そこにかぶさるフルオーケストラとドラム、ベースが音楽を少しずつ盛り上げ、それにあわせて高揚するグレッグの歌声が見事に響き渡る。
グレッグはこの時29歳(!)である。いやでも自分の存在の小ささを思い知る。何やってんだろう、俺...。
ELP以後の作品はほとんど聴いていないけど、こうして彼の音楽にいまあらためて向き合ってみると、他の作品もじっくり聴いてみたくなった。
僕を音楽に導いてくれてありがとう、グレッグ。あなたの素晴らしい音楽をこれからもしっかり楽しませていただきます。
(グレッグの悲報を知る直前、オフィスのフロアから見えた景色)
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